プロジェクトストーリー

自動車産業の変化を成長機会にするCASEへの挑戦
ー前編ー

2018年7月時点

現在、100年に一度の大きな構造転換を迎えている自動車産業では、CASEが次世代の姿を示すキーワードといわれています。CASEはConnected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化)の単語の頭文字をつなげたもの。これら四つの要素が連動して革新的な技術やサービスが生まれ、大きな変化の波が起きようとしています。

当社のネクストモビリティの主な取り組み(2018年7月時点)

Connected
量子コンピューティングによる最適化技術で価値向上ビジネス創出へ

ある特定のシナリオの下で、膨大な候補から最高の効率・最大の利益を発揮するベストな組み合わせを見つけることに特化した組み合わせ最適化問題専用のマシンである量子コンピュータ。D-Wave Systems Inc.(D-Wave社・カナダ)の量子コンピュータは、量子アニーリングと呼ばれる自然現象を用いた革新的なコンピューティングにより、極めて高速に最適化問題を解くことができます。当社は2017年11月、日本でのビジネス創出に共同で取り組む旨、同社と協業覚書を締結しました。[詳細リリースはこちらへ]

また、タイ王国バンコク市では、(株)デンソーと共に、世界初となる交通系商用アプリケーションを用いた実証実験を2017年12月に開始。
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バンコク市内を走るタクシーなどのプローブカー※1に取り付けられたGPS受信機から収集した大規模なプローブ情報(位置・時刻)を活用し、クラウド接続したD-Wave社製の量子コンピュータ内で処理します。本実証を通じ、量子コンピュータを活用した渋滞解消や緊急車両の優先的な経路生成などの新しいアプリケーションの提案につなげます。

  1. ※1プローブカー:GPS受信機を搭載した車両

IoTや機械学習の普及に伴うデータ量の増大とリアルタイムな最適化ニーズへのソリューションとして、次世代自動車分野をはじめ、物流・金融・医療・環境などのさまざまな分野で、多くの用途に適用可能な技術として期待される量子コンピュータ。当社は、日本の顧客に向けた最適化技術の導入による価値向上の提供に取り組んでいます。

Connected・Autonomous
準天頂衛星システム「みちびき」※2を活用したセンチメートル級の「高精度衛星測位ビジネス」市場の拡大へ

当社は、日本が独自に開発した衛星測位システム「みちびき」と「MADOCA」※3を活用した、現行システムでは不可能な車線単位のプローブ情報収集による車線単位の高精度ルートガイダンスシステムの実用化に向けた実証事業をタイ王国バンコク市で推進、2018年3月に実証実験を行いました。[詳細リリースはこちらへ]
バンコク市内を走るタクシーなどのプローブカーに、従来のGPSに加え「みちびき」からの衛星信号と、「MADOCA」の補正データを受信可能な高精度多周波マルチGNSS※4 受信機を搭載し、収集したセンチメートル級のプローブ情報(位置・時刻)をもとに車線単位の高精度交通渋滞情報の生成、高精度ルートガイダンスを配信するための各システムなどの技術評価を行い、最適なルートの提供を実証しました。

豊田通商グループは、交通情報サービスの向上によるタイ王国の渋滞緩和へのさらなる貢献を図るとともに、高精度測位技術を活用した事業領域におけるビジネス拡大を狙います。

  1. ※2みちびき:準天頂衛星システムQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)。準天頂の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システム(衛星からの電波によって位置情報を計算するシステム)。
  2. ※3MADOCA (Multi-GNSS Advanced Demonstration tool for Orbit and Clock Analysis):宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した衛星信号補正データ生成システム。複数GNSS対応の精密軌道クロック推定ソフトウエア。
  3. ※4GNSS (Global Navigation Satellite System):全地球航法衛星システム。GPS・GLONASS・Galileo・準天頂衛星(QZSS)などの衛星測位システムの総称。

当社は、高精度測位技術を活用した事業領域における協業を目的に、センチメートル級の衛星測位技術を持ち、「みちびき」が配信する「MADOCA」補正データを受信できる唯一の受信機である多周波マルチGNSS受信機を世界で初めて開発・販売した企業、マゼランシステムズジャパン(株)[詳細リリースはこちらへ]および「MADOCA」が生成する補正データを配信できる唯一の企業、グローバル測位サービス(株)[詳細リリースはこちらへ]に出資しました。

両社への出資により、衛星測位を構成する3領域(衛星領域・地上領域・ユーザー領域)のうち地上領域とユーザー領域の二つの領域に参画した当社は、QZSSを活用した高精度衛星測位ビジネスという新しい市場の拡大を狙います。安心・安全で経済的な道路交通社会の実現や、高齢化・労働者不足が課題となっている農業・建設業での省力化といった社会課題の解決に貢献します。

Connected・Autonomous
渋滞情報配信サービス「TSQUARE」

量子コンピュータや高精度衛星測位の実証実験のプラットフォームとして登場するのが、世界有数の交通渋滞国であるタイ王国で、TOYOTATSUSHO NEXTY ELECTRONICS (THAILAND) CO., LTD.が2012年から提供している渋滞情報配信サービス「TSQUARE」です。GPS受信機を搭載した約13万台のタクシーなどのプローブカーから収集されるプローブ情報(位置・時刻)をもとに生成した交通渋滞情報を、交通渋滞アプリで配信するとともに自動車メーカーなどへ提供し、同国の社会課題である渋滞の緩和に寄与しています。

Autonomous
トラック隊列走行の社会実装に向けた取り組み

当社は経済産業省から「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」を受託し、トラック隊列走行に関する研究開発などを進めています。[詳細リリースはこちらへ]

本事業の一環として2018年1月には世界初となるトラックの後続有人隊列走行の実証実験を開始しました。省人化による経営効率化、CO2の削減に加え、運転者不足への対応、安全性の向上により安全で快適なモビリティ社会の実現を目指します。

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