次世代自動車と先端技術の次なる対応を加速

2017年10月01日
ネクストモビリティの変革に向けた新たな取り組み
自動車産業の大転換期に備え、全社横断の専門組織を立ち上げ
自動車産業は現在、100年に1度といわれる構造転換期を迎えています。画像認識技術やIoT、AIなどの技術革新に伴い、他の走行自動車や周囲の道路状況などのさまざまなデータをセンサーで取得可能になることにより、先進安全技術や自動運転技術の実用化が急速に進んでいます。同時に、環境性能の向上を目的としてHVやPHV、EVが一般的になり、車体に使用される素材も軽量化され、鉄に代わりアルミ、炭素繊維、樹脂が台頭し始めています。こうした巨大な変化が同時並行で進行しており、自動車の価値やあり方は新時代に突入しようとしています。
Mobility分野をコア分野の一つと位置付ける豊田通商にとって、この変化は脅威でもありますが、それ以上に決定的な事業拡大の機会となります。そこで、次世代を見据え、変化への迅速な対応に備えるため、2017年4月に体制を整備し、全社横断の専門組織として副社長兼CTOの下に「ネクストモビリティ推進部」を新設しました。
豊田通商のネクストモビリティ推進体制
ネクストモビリティ推進部では、商品本部を越えてネクストモビリティ活動の全社展開および次世代自動車に関連したビジネスの開発・推進業務を行います。また、社内横断プロジェクトとして活動テーマごとのワーキンググループを立ち上げ、執行役員がリーダーを兼任し指揮します。活動テーマは、軽量化、新素材、電池素材の事業に取り組む「素材置換・リサイクル」のほか、自動運転・先進安全技術や次世代自動車の導入を促進する「次世代自動車サービス」、再生可能エネルギーによる電力供給・蓄電やインフラ整備、EV、PHV、FCVへの電子部品・コンポーネント供給を行う「EVコンポーネンツ」、工場の見える化・予知保全による生産性向上やネットワーク・セキュリティの高度化などの工場IoTを図る「スマートファクトリー」の4つを設定しています。これらのワーキンググループは、活動テーマ・アイテムに応じて組み換え、新設が可能です。さらに、関連する商品本部に専門組織を新設し、ワーキンググループと提携して事業開発を行います。このように推進体制を整備した結果、ネクストモビリティ推進部、ワーキンググループ、商品本部の専門組織などの連携により一体的な取り組みが可能となり、幅広い事業領域にまたがる総合商社の事業資産と知見を最大限に生かすことができるようになりました。

先端技術の変革に向けた新たな取り組み
ネクストテクノロジーファンド設立とネクストテクノロジーファンド推進室の設置
2017年4月、革新的技術変化に迅速に対応するため、自動車分野に限らず豊田通商が扱うあらゆる分野の革新的な技術、特許、新サービスに対して、より機動的に投資を行い、当社の次世代を牽引するような成長の種を育てるべく、ネクストテクノロジーファンドを設立しました。また、ファンド事務業務を行う「ネクストテクノロジーファンド推進室」を設置しました。投資枠を設定し、CTOを議長とする3名の役員による協議でスピーディーに投資判断を行っていきます。
- 未来を牽引し得る新技術・新サービスへの投資を通じ、新しいビジネスの発掘・開発に貢献する
- 市場が未形成の分野での投資に対し、意思決定のスピード感を持って投資判断を行う
- 技術分野への高いアンテナ・広い視野を持った組織風土の醸成と人材の育成を狙う