プロジェクトストーリー

インドで病院の経営に
参画し医療サービスの
質向上に貢献

2016年7月時点

豊田通商は、セコムグループと共同で、「タクシャシーラ・ホスピタルズ・オペレーティング」を2012年4月に設立。
同社を運営母体として、2014年3月にインド初となる「日本式」総合病院「SAKRA WORLD HOSPITAL(サクラ病院)」を、IT産業が集積するインド第4の都市バンガロールに開設しています。

拡大する中間層の医療ニーズ

インドの人口と中間層の推移

国民皆保険制度が整備されておらず、民間保険の加入率も十数%しかないインドでは、医療機関は主に高所得層や中間所得層の一部を対象とする高機能な私立病院と、国民の大多数を占める中~低所得層を対象とする公立病院に2極化しています。こうした中、同国では経済成長に伴って中間所得層が増加するとともに、一定水準の医療を求めて私立病院を受診する人々の割合がいっそう拡大しています。

しかし、インドの医療体制は、欧米で教育を受けた医師が高い技術を持つ一方、医師数・看護師数・病床数共に国際基準を大きく下回っており、不十分な医療インフラの整備が社会的課題となっています。

また、生活水準の向上とともに、糖尿病をはじめとする生活習慣病も急増しており、日本が培ってきた健康診断・がん検診・糖尿病管理といった、先進国型の医療サービスの普及が求められています。

日本式のノウハウをインドの病院運営に生かす

このようなインドの医療ニーズに着目し、IT企業やバイオ関連企業が集積し中間所得層が多い、インド第4の都市バンガロールに約300床の総合病院「サクラ病院」を設立。さらに、2014年6月には国際協力銀行(JBIC)が出資参画しました。このJBICからの出資は、13年2月に創設された「海外展開支援出資ファシリティ」に基づき、日本政府の政策(「健康医療戦略」)である日本式医療技術・サービスの国際展開を支援するものです。現地医療インフラの充実を図り、先進医療から生活習慣病の診療まで、地域の医療ニーズを包括する質の高いサービスの提供を目指すと共に、近年増加している交通事故の治療やリハビリインドの医療現場の課題となっている院内感染対策にも力を入れていきます。

さらに、日本式ノウハウの活用に向け、次の3点を注力しています。

①1点目は、カイゼンの浸透です。日本のきめ細かなサービスを実現し、患者様満足度の向上を図るべく、病院スタッフや看護師への接遇の教育、患者様の待ち時間の改善等に力を入れています。

②2点目は、看護教育です。インドではまだまだ看護師の社会的地位が低く、これが医療水準の向上の足かせになっていますが、本病院では看護師も医師と同等の立場で患者と向き合うチーム医療を導入し、看護師を育成していく計画です。また、インドの看護師をセコム医療システム(株)の提携病院へ派遣、逆に日本からインドへ熟練の看護師を派遣し、日本の医療現場で行われている手法を定着させるべく、交流を図っています。

③3点目は、サクラ病院医師と日本人医師との交流です。2016年12月には、北海道大学と(1)職員・研究員・卒後研修医の交流・相互訪問の推進,(2)学術交流,(3)共同研究,(4)会議・セミナー・シンポジウムの共同開催を目的とした連携協定を締結しています。この提携をはじめとして、脳外科、消化器科、整形外科、心臓外科等を中心に日本の病院との連携を深めて進めていきたいと考えています。

今後も産学官連携し、日本の医療拠点を海外に構築することで、新興国で拡大する医療サービス市場の取り組みを目指します。

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