for the future children of Africa
アフリカの未来の子どもたちのために
2022年08月08日
未来に向けた4つの事業領域
豊田通商は、未来の子供たちに、よりよい地球環境を届けるために、全社を挙げてカーボンニュートラルを推進しています。アフリカ事業においても、「for the future children of Africa」をキーメッセージとして、社会課題解決に留まらない未来を見据えた価値創造事業を推進していきます。
具体的には、4つを今後の重点事業領域とします。
未来の巨大市場、アフリカの魅力
アフリカは54カ国から構成される、可能性と未来に溢れる大陸。「21世紀最大のフロンティア」とも呼ばれる魅力は数字から読み解くことができます。
人口を見てみると、2021年の世界人口は約79億人で、アフリカ全土の人口は約13億人。今後もその数と割合は増加し、国連の推計によれば、世界人口が2050年に約97億人と増えていく中で、アフリカの人口は約25億人となり、世界人口の4分の1がアフリカ人になると予測されています。
人口について特徴的な点は、他の地域に比べて若い層が多いことです。アフリカでは出生率が増加し、ユニセフによれば、2050年までにアフリカで生まれる新生児の数は20億人に達する見込み。先進国を中心に60歳以上の人口が国内総人口の4分の1以上になる国が増える一方、アフリカでは若い層が増え、2050年時点で世界における5歳未満の子どもの4割がアフリカ大陸生まれとなるといわれています。
若い人は成長力の源泉で、多ければ多いほど消費力と生産力を押し上げます。この点からも、アフリカは生産力と消費の面においても魅力あるフロンティアであることがよくわかります。
経済面を見ると、2022年のGDP成長率は、世界平均の3.6%に対して、アフリカのコートジボワール、ケニア、ガーナなどは5%超と予想されています。また、リープ・フロッグ現象※による成長の後押しも期待され、アフリカ大陸外からの投資や現地発のスタートアップに向けた投資も増加傾向にあります。
- ※開発途上国に最先端のテクノロジーが導入される際、通常の段階的進化を踏むことなく、一足飛びに急速に進化・浸透・発展する現象
アフリカの自立的で、質の高い成長をテーマとするオープンな国際会議
アフリカの成長推進に向けた日本の取り組みの基軸となるのがアフリカ開発会議(TICAD※)です。1993年の「アフリカ開発に関する東京宣言」以降、日本政府主導でアフリカ開発をテーマとする会議を開催しています。TICADは、日本やアフリカ諸国だけではなく、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行など国際機関も参加し、民間企業と官民一体となって推進する点が特徴。アフリカでの事業をリードする豊田通商グループも参加し、アフリカ諸国のオーナーシップと国際社会のパートナーシップを通じてアフリカの成長に貢献しています。
- ※Tokyo International Conference on African Developmentの総称
今回のTICAD8は2022年8月にチュニジアで開催されます。アフリカでのTICAD開催は、2016年のTICAD6(ケニア開催)以来、2回目です。
アフリカ全54カ国での事業展開に至る足跡
豊田通商グループは、TICADをはじめとする国際的な取り組みに積極的に参加すると共に、一方では、それ以前から、事業を通じてアフリカとの深いつながりを構築してきました。
その歴史は1922年にまで遡ります。アフリカにおける豊田通商(旧トーメン)の最初の事業はウガンダでの綿花の輸入でした。その後、日本でモータリゼーションが開花する1960年代にはアフリカでの自動車事業として日本製完成車の輸出を開始。主にアフリカ東部と南部において、完成車や中古車の現地販売や販売金融など自動車事業のバリューチェーンを拡大しました。また、発電所の建設や配合肥料の生産と販売事業なども開始し、アフリカにおける豊田通商の存在感を着々と高めてきました。
事業拡大の面で大きな転機となったのは2012年です。この年、豊田通商はCFAOに資本参加しました。CFAOは、1852年からアフリカで事業を行っている当時のフランス最大の商社。産業革命を経てアフリカの農産物の需要が高まる中、CFAOの前身であるÉtablissements Verminckが創業し、トレーディングを中心にアフリカ西部から北部にかけて事業を拡大しました。1913年には、アフリカで初めてフォードの自動車販売事業を開始。1996年には、現在の当社のヘルスケア事業の根幹を成すEurapharmaを統合し、アフリカでの業容を拡充させています。
2016年に、フランス語圏である中・西部に強いCFAOと、英語圏である東・南部に強い豊田通商がONE Teamとなり、アフリカ54カ国での事業展開に発展しています。
節目の年を経て、さらに関係性を強化
2022年はTICAD開催の年であり、当社のアフリカ事業開始から100年が経ちます。CFAOのアフリカ事業開始から170年、当社がCFAOに資本参画してから10年という大きな節目の年になります。
社内では2017年にアフリカ本部を設立し、アフリカ戦略を豊田通商グループの成長戦略の1つとしています。当社のアフリカ事業における理念として「WITH AFRICA FOR AFRICA」を掲げ、モビリティ、ヘルスケア、消費財、電力・インフラ・テクノロジーの4分野を主な事業領域としています。また、2019年にはトヨタ自動車のアフリカにおける営業業務が当社に移管されました。これまでに構築してきたアフリカでの存在感とネットワークを生かし、トヨタグループとしてアフリカの自動車市場の成長および地域の発展への貢献を続けています。
着実に成長するアフリカ事業
スタートアップ企業への出資も推進
当社グループは、「WITH AFRICA FOR AFRICA」を理念に掲げ、アフリカの人々と社会と共に成長することを目指しています。
アフリカ全54カ国でモビリティ、ヘルスケア、消費財、電力・インフラ・テクノロジーの4つの事業分野に、155社のグループ会社、約22,000名の従業員が、現地・現物・現実の姿勢で事業を推進しています。事業規模は、アフリカ本部を設立した2017年度の売上高は5,000億円台から始まりましたが、現在は1兆円を達成するなど、拡大しています。
新しい取り組みとしては、コーポレートベンチャーキャピタル企業(CVC)を設立し、アフリカ国内のスタートアップ企業への出資を実施。アフリカで活動するスタートアップ企業への出資・融資に特化した投資会社として、主にモビリティ分野の企業への投資を対象とするMobility54、ヘルスケア分野の企業への投資を対象とするHealth54を設立しました。両社による出資を通じた事業拡大やシナジー創出に積極的に取り組んでいます。
アフリカの未来の子供たちのために
豊田通商グループは、アフリカのニーズに寄り添うリーディングカンパニーの道を進み続けます。「WITH AFRICA FOR AFRICA」の理念の下、アフリカの子供たちの輝く未来のために、現地の社会課題解決と経済発展に貢献します。豊田通商グループはアフリカと共に挑戦し、成長し続けます。