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デジタル技術・データの活用により豊田通商らしい新たな価値を創出する

DX(デジタル・トランスフォーメーション)への関心が高まり、企業の成長に欠かせない重要な戦略の一つとして位置付けられるようになりました。豊田通商グループは、この時流をしっかりと捉えて、さまざまな分野で、かつグローバルに、DXの取り組みを推進しています。

DXが必須になる時代

企業のDXの取り組み状況に関する調査(総務省「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」2021年)によれば、4割超の企業がすでにDX関連の施策に着手。コロナ禍が始まった2020年は、4割近い企業が対2019年比でDXを含むIT投資予算を増額(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2021」)し、テレワーク対応、社内コミュニケーションツールのデジタル化、採用や商談のオンライン化などに取り組んでいます。

デジタル技術が世の中をよりよく変化させる

DXは、デジタル技術を活用した変革という意味。スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念で、教授はDXを「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と表現しました。
この概念をもとに、さまざまな機関や企業がDXを定義し、例えば、経済産業省は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」(2018年)の中でDXを以下のように定義しています。 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

3つの分野での取り組みで400件超のプロジェクトを実行

豊田通商グループは、現場に立ち、お客さまと共に汗をかくことで収益を得るビジネスが多いため、DXによる業務変革・事業変革の必要性や期待効果は高いです。アナログ業務のデジタル化や自動化により、オペレーション効率化とコスト削減を行い、リーンな経営を実現するとともに、新たなデジタル技術の活用などによって、既存ビジネスの付加価値を最大化し、新たな価値創造と競争優位性の向上を目指しています。
また、DX推進の組織面での取り組みとして、2020年4月に全社横断のDX専門組織「デジタル変革推進部」を設置。DXの取り組みをレベルと目的に応じて以下の3つの分野に分けて、全ての事業と社内業務を対象に434件のDXプロジェクトを進行中です(2021年6月時点)。

DX1.0 強く 効率化や自動化によるリーンな経営に貢献するDX(268件)→DX1.5 新しく 付加価値や新たな価値創出に結びつける収益拡大のためのDX(115件)→DX2.0 愉しく デジタル技術の活用によって新たな事業領域に向けた挑戦とイノベーションのためのDX(51件)

着実にカタチになっていく当社グループのDX

DX1.0、DX1.5、DX2.0の各分野で進行している当社グループのDX取り組み事例を見てみます。

事例1 DX1.0

7社共同で貿易プラットフォームを構築

貿易業務は多数の手続きを生み出し、紙ベースの処理や手作業により時間と手間がかかります。また、貿易は輸出入業者、商社、運輸会社のほか、金融機関や税関などが関わるため、正確、安全、スピーディに業務を行うためには、業界の垣根を越えて情報をやり取りできる環境を構築することが理想です。
そこで、豊田通商を含む7社が共同で、業界横断のコンソーシアムを発足。デジタル技術を活用した貿易情報の連携プラットフォーム「TradeWaltz®」を開発しました。紙からデジタルデータへの置き換えを足がかりに、貿易業務のニューノーマルを構築していきます。

TradeWaltz® ブロックチェーン(分散型台帳)で電子データを共有・活用
事例2 DX1.5

AI画像解析を活用する車両検査サービス事業に出資

従来、自動車の外観検査は人による目視で行っていました。しかし、検査員によって精度のバラツキが発生するのが難点で、特に人口減少が進む日本では検査員不足の対策となる新しい手段が求められていました。
この状況を解決すべく、豊田通商は車両の自動検査装置を開発したイスラエルのUVeyeに出資。検査時間の大幅短縮と人手不足の問題を両方解決可能な同社の装置とサービス販売権を取得し、ビジネスパートナーとして自動車業界などに向けたサービス拡販を進めています。

事例3 DX2.0

物流格差を解消するドローン配送事業を展開

空撮、農薬散布、インフラ点検、物流など、ドローンの活用機会が増え続けています。
この潮流を捉えた豊田通商は、2018年にアフリカや米国内にてドローンによる医療配送事業を手掛けるZipline International Incに出資。ガーナでは豊田通商グループが輸入卸販売している医薬品を医療機関に届けた実績があるほか、日本においても、過疎地や離島に向けたドローン配送を通じ、人手不足、物流網の補完、医療へのアクセス格差の解消などに貢献することを目指しています。

仮説をカタチにする障壁を「Digital X Lab」が解消

世界的なDXを牽引しているのはデジタル技術の進化です。そのため、DXの取り組みにおいてはその進化のスピードに合わせ、業務効率化や新規事業開発の検討も加速させる必要があります。
豊田通商グループ内でも、400件以上に上るDXプロジェクトが進行する一方、業務変革や事業創出にあたり、仮説づくりが机上の検討に留まり停滞してしまう、ステークホルダーとの共感醸成が進まない、などの課題も見受けられました。この問題を解決するため、豊田通商は2021年に「Digital X Lab」を開設。DBPR、データ分析、UI・UXデザインなど、各分野の専門エンジニアおよびビジネスプロデューサーのサポートを受けながら、数週間から1ヶ月程度で、プロトタイピングによりアイデアを目に見えるカタチにして、ステークホルダーとともにアジャイルに仮説検証を行い、DXの加速を図ります。

DXは、今や企業の成長に欠かせない重要なキーワードの1つとなりました。
豊田通商はDXを目的とするのではなく、豊田通商らしい価値を創出する手段と捉えて、お客さまにとってのBe the Right ONEを実現していきます。

2022年03月01日

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