プロジェクトストーリー

アフリカと共に成長する
豊田通商の歩みと展望
WITH AFRICA FOR AFRICA

2020年4月時点

アフリカのニーズに応えるリーディングカンパニーへ。

現地に根ざした事業を広げ54カ国のネットワークを確立

豊田通商とアフリカのつながりは、ほぼ1世紀にわたります。始まりは1922年に手掛けた綿花の輸入でした。1960年代からは自動車の取り扱いを開始し、完成車輸出から現地販売、販売金融、中古車販売、小規模生産など自動車事業バリューチェーンを拡大。自動車以外の分野でも、エジプトの発電所関連事業、ケニアの地熱発電所建設や、配合肥料の生産・販売事業も開始し、アフリカ東・南部を中心に存在感を高めてきました。

また、2012年には当時のフランス最大のアフリカ専門商社であったCFAOに資本参加を実施(2016年に完全子会社化)。主にアフリカ西・北部で事業展開していたCFAOと、東・南部に強い豊田通商とが地理的補完関係であったことに加え、両社の事業戦略の親和性が高く、お互いの事業ネットワークとノウハウ・経験を組み合わせることで、アフリカ全域をカバーする強い事業基盤を固めることが可能になりました。

アフリカ本部を中心に中長期視点で発展を目指す

アフリカは成長力とポテンシャルに満ちた大陸で、最後のフロンティアとも呼ばれています。その背景にあるのが、中間層の急激な拡大と若年層を主体とする人口構成です。また、アフリカには政情不安、財政難、部族紛争といった課題を抱える国がありますが、全体として民主化も進み、安定的な経済成長が見込めるようになりました。人口の増大と、中間層の消費の活性化による市場としての大きなポテンシャルも、世界がアフリカに注目する理由の一つです。

このような状況を踏まえて、中長期的視点でアフリカ事業に取り組む豊田通商は、2017年4月にアフリカ関連の事業を統合・集約しアフリカ本部を新設。アフリカ全土の販売ネットワークを活用した事業展開に取り組む自動車SBU*、CFAOで70年の歴史のある医薬品卸をベースに事業拡大を狙うヘルスケアSBU、飲料やボールペンなどの消費財の現地生産やリテール事業を展開する消費財・生活産業SBU、再生可能エネルギーや港湾事業を推進するテクノロジー&エネルギーSBUの四つのSBUで事業を推進しています。戦略や投資に関わる指揮命令系統を本部で一本化することで、事業の全体最適を目指していきます。

*SBU:Strategic Business Unit

事業の根底に流れる WITH AFRICA FOR AFRICAの理念

豊田通商のアフリカ事業は「WITH AFRICA FOR AFRICA」を理念としています。例えば、現地で立ち上げる全ての事業は「WITH AFRICA」の考えに基づき、アフリカ出身者がリーダーシップを取り、現地で長年蓄積されてきた知見・経験をベースに事業運営することを理想としています。また、事業立ち上げの出発点としては、現地の社会課題の解決に寄与できる事業になり得るかという「FOR AFRICA」の視点を持ち、地域経済の発展や暮らしの向上を長期的に支援したいと考えています。すでに進行中の事業にも「WITH AFRICA FOR AFRICA」の理念が浸透しています。
ここではその一例を紹介します。

WITH AFRICA FOR AFRICAを発揮している事例

現地生産とMaaS*で工業化に貢献(自動車SBU)

アフリカ全土を網羅する販売ネットワークを構築し、マルチブランドを取り扱っていることが自動車事業の強みです。この事業で注力しているのは、各国政府が求める小規模生産事業(CKD)の推進と自動車部品の現地調達など、現地生産の活性化です。また、新たなサービス形態として注目されるMaaSを普及させるべく、ケニアの物流マッチングサービス、マリのバイクタクシー事業、ルワンダのカーシェアリング事業などで出資や協業を行い、自動車を軸とする産業の発展を支援しています。さらに、アフリカで活動するモビリティ関連スタートアップ企業への出資に特化した投資事業会社「Mobility 54」を設立し、革新的なサービスや技術を持つ現地企業と共に、アフリカのモビリティ社会の課題解決に取り組んでいます。
* Mobility-as-a-Service

アフリカの医療現場を支える医薬品事業(ヘルスケアSBU)

医薬品の生産や卸を行うヘルスケア事業はCFAOが手掛けてきた歴史ある事業で、アフリカ24カ国で展開しています。取扱商品は27,000種類にも及び、6,000カ所もある薬局や病院に毎日配送しています。医薬品の出荷、保管、在庫管理などは現地スタッフが担当。アルジェリアやモロッコでは、医薬品の受託生産を現地で行っています。今後は、サブサハラ諸国でも医薬品の現地受託生産を検討しています。

また、サブサハラ・アフリカで依然として深刻な社会問題となっているHIV/AIDSに対する取り組みを行っています。その脅威を取り除くために同地域で働く従業員・家族向けにHIV・マラリアに対する教育・予防・検査・治療について活動を進めています。

多目的工場で少量生産を支援(消費財・生活産業SBU)

消費財事業では、化粧品・ビール・ボールペンなどの消費財の生産や、ショッピングモール運営を行っています。コートジボワールにあるビールの製造工場は、グローバルブランドの商品に加えて、現地ブランドの商品も並行して製造するのが特徴。また、豊田通商のテクノパークのコンセプトを応用した少量でも収益事業として成立する多目的工場も建設しました。

エネルギー開発で産業発展を後押し(テクノロジー&エネルギーSBU))

テクノロジー・エネルギー事業は、再生可能エネルギー(風力、太陽光、地熱など)に注力し、アフリカ各国のポテンシャルとパートナー企業の強みも生かしたプロジェクト開拓を行っています。ケニアの地熱発電、ナイジェリアの太陽光発電、エジプトの風力発電は、いずれも国内産業の発展に不可欠なエネルギーを確保する手段となっています。また、豊田通商が発電の潜在力があるエリアを探り、プロジェクトを具現化することにより、現地におけるエネルギーの自給自足を促進しています。

私たちの取り組むアフリカの社会課題

私たちは、現地の人材と共に事業に取り組みながら、教育、雇用、人材育成の機会提供を通じ、現地社会の持続的な成長を支援しています。

アフリカの若年と壮年の失業率

近年、資源開発や価格高騰に支えられ、アフリカは高い経済成長を遂げています。乳幼児死亡率や就学率などの社会指標も改善し、人口も10億人を超えて2050年には労働人口が中国やインドを抜くと予想されています。その一方で、急速に拡大する15歳以上24歳以下の若年層に対する雇用創出が大きな課題となっており、アフリカ各国において早急な産業開発・振興が求められています。

2000年代以降、日本やEUはアフリカ諸国を戦略的パートナーと捉え、これまでの政府主導による援助から、政府・民間共同による自立促進へと支援の形を大きく変えています。

2019年横浜で開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)では、①経済構造転換とビジネス環境の改善②持続可能で強靭な社会③平和と安定の3つの柱を重点分野とした、「横浜宣言2019」が採択されました。

豊田通商では、自動車や医薬品、消費財分野において生産事業に参入している他、現地企業とのパートナーシップや研修制度の拡充により、雇用の創出や人材の育成に注力して取り組んでいます。

現地資本企業との連携

南アフリカ共和国では、黒人経済力強化政策(B-BBEE)の一環として、外国企業に対し南ア黒人資本企業とのパートナーシップ強化が求められています。現地事業体のTTAF(Toyota Tsusho Africa)は、2019年4月に事業パートナーとして、黒人資本ファンドのKapelaから25.1%の出資を受け入れ、Level.4を取得し、同国の経済政策に沿った経営体制を敷いています。他にも従業員の技術開発やBEE遵守企業からの調達を行い、地域社会の支援に取り組んでいます。

今後も現地企業との関係強化、投資及び雇用の機会創出に貢献しながら、南アフリカの経済成長に寄与していきます。

トヨタグループの企業文化「Anzen」「Kaizen」の普及活動

アフリカで活動する全191社の事業体において、トヨタグループの企業文化である「カイゼン」と「安全」活動を導入しています。

カイゼン活動は2S(整理、整頓)の徹底からスタートします。カイゼンの意識とプロセスを浸透させることにより、オペレーションを効率化し、現場の生産性を向上します。安全推進では、物流拠点や生産現場でリスクアセスメントを行い、全スタッフを対象として安全教育とトレーニングを実施しています。

SDGsにも通じる教育機会の提供

豊田通商は2014年に、ケニアのナイロビ市内にトヨタケニアアカデミーを設立しました。当アカデミーは現地コミュニティに向けたオープン型の社会人教育の場で、自動車・建機・農機などの技術研修だけでなく、リーダーシップ研修も実施しています。また、奨学金プログラムを通じ、これまでに1,000人以上の若年層の進学や育成を支援してきました。社会人教育は国連の定める「持続可能な開発目標(SDGs)」の能力開発分野に合致する取り組みです。

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