プロジェクトストーリー

アフリカと共に成長する豊田通商の歩みと展望
WITH AFRICA FOR AFRICA

2019年8月時点

アフリカのニーズに応えるリーディングカンパニーへ。

現地に根ざした事業を広げ54カ国のネットワークを確立

豊田通商とアフリカのつながりは、ほぼ1世紀にわたります。始まりは1922年に手掛けた綿花の輸入でした。1960年代からは自動車の取り扱いを開始し、完成車輸出から現地販売、販売金融、中古車販売、小規模生産など自動車事業バリューチェーンを拡大。自動車以外の分野でも、エジプトの発電所関連事業、ケニアの地熱発電所建設や、配合肥料の生産・販売事業も開始し、アフリカ東・南部を中心に存在感を高めてきました。

また、2012年には当時のフランス最大のアフリカ専門商社であったCFAOに資本参加を実施(2016年に完全子会社化)。主にアフリカ西・北部で事業展開していたCFAOと、東・南部に強い豊田通商とが地理的補完関係であったことに加え、両社の事業戦略の親和性が高く、お互いの事業ネットワークとノウハウ・経験を組み合わせることで、アフリカ全域をカバーする強い事業基盤を固めることが可能になりました。

アフリカ本部を中心に中長期視点で発展を目指す

アフリカは成長力とポテンシャルに満ちた大陸で、最後のフロンティアとも呼ばれています。その背景にあるのが、中間層の急激な拡大と若年層を主体とする人口構成です。また、アフリカには政情不安、財政難、部族紛争といった課題を抱える国がありますが、全体として民主化も進み、安定的な経済成長が見込めるようになりました。人口の増大と、中間層の消費の活性化による市場としての大きなポテンシャルも、世界がアフリカに注目する理由の一つです。

このような状況を踏まえて、中長期的視点でアフリカ事業に取り組む豊田通商は、2017年4月にアフリカ関連の事業を統合・集約しアフリカ本部を新設。アフリカ全土の販売ネットワークを活用した事業展開に取り組む自動車SBU*、CFAOで70年の歴史のある医薬品卸をベースに事業拡大を狙うヘルスケアSBU、飲料やボールペンなどの消費財の現地生産やリテール事業を展開する消費財・生活産業SBU、再生可能エネルギーや港湾事業を推進するエネルギー&テクノロジーSBUの四つのSBUで事業を推進しています。戦略や投資に関わる指揮命令系統を本部で一本化することで、事業の全体最適を目指していきます。

*SBU:Strategic Business Unit

事業の根底に流れる WITH AFRICA FOR AFRICAの理念

豊田通商のアフリカ事業は「WITH AFRICA FOR AFRICA」を理念としています。例えば、現地で立ち上げる全ての事業は「WITH AFRICA」の考えに基づき、アフリカ出身者がリーダーシップを取り、現地で長年蓄積されてきた知見・経験をベースに事業運営することを理想としています。また、事業立ち上げの出発点としては、現地の社会課題の解決に寄与できる事業になり得るかという「FOR AFRICA」の視点を持ち、地域経済の発展や暮らしの向上を長期的に支援したいと考えています。すでに進行中の事業にも「WITH AFRICA FOR AFRICA」の理念が浸透しています。
ここではその一例を紹介します。

WITH AFRICA FOR AFRICAを発揮している事例

現地生産とMaaS*で工業化に貢献(自動車SBU)

アフリカ全土を網羅する販売ネットワークを構築し、マルチブランドを取り扱っていることが自動車事業の強みです。この事業で注力しているのは、各国政府が求める小規模生産事業(CKD)の推進と自動車部品の現地調達など、現地生産の活性化です。また、新たなサービス形態として注目されるMaaSを普及させるべく、ケニアの物流マッチングサービス、マリのバイクタクシー事業、ルワンダのカーシェアリング事業などで出資や協業を行い、自動車を軸とする産業の発展を支援しています。
* Mobility-as-a-Service

アフリカの医療現場を支える医薬品事業(ヘルスケアSBU)

医薬品の生産や卸を行うヘルスケア事業はCFAOが手掛けてきた歴史ある事業で、アフリカ24カ国で展開しています。取扱商品は27,000種類にも及び、6,000カ所もある薬局や病院に毎日配送しています。医薬品の出荷、保管、在庫管理などは現地スタッフが担当。アルジェリアやモロッコでは、医薬品の受託生産を現地で行っています。今後は、サブサハラ諸国でも医薬品の現地受託生産を検討しています。

多目的工場で少量生産を支援(消費財・生活産業SBU)

消費財事業では、化粧品・ビール・ボールペンなどの消費財の生産や、ショッピングモール運営を行っています。コートジボワールにあるビールの製造工場は、グローバルブランドの商品に加えて、現地ブランドの商品も並行して製造するのが特徴。また、豊田通商のテクノパークのコンセプトを応用した少量でも収益事業として成立する多目的工場も建設しました。

エネルギー開発で産業発展を後押し(テクノロジー&エネルギーSBU))

テクノロジー・エネルギー事業は、再生可能エネルギー(風力、太陽光、地熱など)に注力し、アフリカ各国のポテンシャルとパートナー企業の強みも生かしたプロジェクト開拓を行っています。ケニアの地熱発電、ナイジェリアの太陽光発電、エジプト他東南アフリカ8カ国での風力発電プロジェクトは、いずれも国内産業の発展に不可欠なエネルギーを確保する手段となっています。また、豊田通商が発電の潜在力があるエリアを探り、プロジェクトを具現化することにより、現地におけるエネルギーの自給自足を促進しています。

現地の人材を積極的に育成・登用

アフリカ事業は、人の面でも「WITH AFRICA FOR AFRICA」の理念で、アフリカ出身者を中心とする経営体制の構築を目指しています。現地では目標達成に基づく成果主義報酬をベースとし、公正で透明性が高い人事評価制度を導入。中長期の戦略実行はミドルマネジメント層の育成が鍵となるという考えから、次世代リーダーの開発プログラムや、地域規模のジョブローテーションを通じ人材育成の強化を図っています。

トヨタグループの企業文化を浸透

アフリカで活動する全166社の生産現場では、トヨタグループの企業文化である「カイゼン」と「安全」活動を導入しています。

カイゼン活動は2S(整理、整頓)の徹底からスタートします。カイゼンの意識とプロセスを浸透させることにより、オペレーションを効率化し、現場の生産性を向上します。安全推進では、物流拠点や生産現場でリスクアセスメントを行い、全スタッフを対象として安全教育とトレーニングを実施しています。

SDGsにも通じる教育機会の提供

2014年、豊田通商はケニアのナイロビ市内にトヨタケニアアカデミーを設立。アカデミーは現地コミュニティに向けたオープン型の社会人教育の場で、自動車・建機・農機などの技術研修だけでなく、リーダーシップ研修も実施しています。また、モーリシャスにおいても同年、社会貢献型ベンチャー育成基金(Toyota Tsusho CSV Africa Pte. Ltd.)を設立し、地域経済の発展に貢献しています。社会人教育は能力開発分野、ベンチャー育成は技術革新分野での支援であり、いずれも国連の持続可能な開発目標(SDGs)に合致する取り組みです。

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