水資源

方針

気候変動や森林破壊、人口増加などに伴い、世界規模で深刻化している水不足、水質悪化、洪水は事業活動にも多大な影響を及ぼす環境リスクであり、水資源の持続可能な利用を重要な課題と認識の上、豊田通商グループ環境方針にも明記し、使用量削減、再利用を積極的に取り組みます。

そのため、ISO14001環境マネジメントシステムの中で水管理計画を策定しています。さらに水負荷が高い1社については目標設定し、負荷の削減に努めています。水の管理計画を策定しているのは569社1社で0.2%に該当します。

豊田通商グループでの水利用に関する取り組み

豊田通商グループでは、水資源の持続可能な利用を重要な課題と認識しており、グループ環境方針にも明記し、使用量の適切化、再利用を徹底することで、利用効率の改善と使用量削減への取り組みを進めています。名古屋本社に於いては水使用量の削減を目的とし、雨水を御手洗にて再利用することで、水使用量の削減に努めています。

WRI Aqueductの水リスク評価ツールを用いて、事業展開国の水リスクを評価し、インドなど深刻な 水不足や洪水などが懸念される地域(水ストレス地域)を特定し、リスクを認識の上で事業活動に取り組んでいます。国内事業所から排出する水については、排水処理施設を定期的に維持・管理し、自主基準に基づく、排水に含まれる汚濁物質度合の管理・監視を徹底しています。

日本の水ストレス地域における施設、資産、生産、収益はありません。また、各国・地域の水質、水量の許可基準、規制に対しての不適合(法令違反)もありません。

水ストレス地域における事業拠点での外部との協働

当社の関連会社である Toyotsu Bharat Integrated Services Pvt. Ltd.(South)では、インドにおける「テクノパーク事業」として、新興国に初めて進出する企業が生産活動に専念できる事業環境を提供しています。具体的には、総務・経理などのコーポレート機能や、生活排水処理サービスを行うことで、進出難易度を下げ、製造業のインド進出を後押ししています。

このテクノパークでは、外部との協働により水リスクの低減に向けた活動を推進しています。近隣で操業している輸送用機器関連工場と連携し、各工場からの生活排水をパイプラインでつなぎ収集し、自社排水処理設備を用いて、浄化処理を一元化することで効率的な水管理を実現しています。また、浄化処理後の処理水は各社に再分配のうえ、園芸用水や生活用水として再利用しています。こうした外部との協働により、水使用量の削減に努めるとともに、周辺住民の生活環境を守るため、敷地外への廃水排出を行わない仕組みを整備しています。

外部との協働

CDP(水セキュリティ)

豊田通商は企業の水リスクに関する世界的な情報公開プログラムCDP 水セキュリティの質問書に2017年から回答しています。

関連リンク

パフォーマンスデータ

取水量
(千㎥)
  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
取水量(国内事業所) 2,217 1,796 1,780 1,856 2,129 2,025 1,828
取水量(海外事業所) 9,575 9,370 8,509 9,508 9,874 9,026 8,878
取水量(合計) 11,792 11,166 10,289 11,364 12,003 11,051 10,707
上:集計範囲:豊田通商および国内連結子会社
下:集計範囲:海外連結子会社
工場施設における取水・排水量
(千㎥)
  2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
取水量 7,112 7,914 8,252 8,177 8,033
排水量 6,525 7,408 7,734 7,438 7,261
集計範囲:取水量が多い工場施設を持つ上位5社
豊田通商(株)オフィス 取水・排水量
(千㎥)
  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
取水量 32 28 35 41 53 56
排水量 32 28 35 41 52 55
集計範囲:豊田通商(名古屋本社、東京本社、大阪支店、豊田支店)
※ 当該集計範囲では、生活用水のみが対象となるため取水量と排水量は同量で算出
取水量(取水源別)
  2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
取水量 湖沼・自然池 18 22 313 346 354
井戸・掘削孔 6,984 7,727 8,099 7,675 7,544
採掘場での採取水 0 0 0 0 0
都市用水(上水) 3,245 3,570 3,549 2,985 2,765
外部排水 0 0 0 0 0
雨水 41 0 41 43 42
海洋からの採取水 0 0 1 2 1
合計 10,288 11,319 12,003 11,051 10,707
豊田通商・国内海外連結子会社
排水量
(千㎥)
  2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
排水量 海洋 8 9 33 73 68
地表水 1,551 743 1,629 2,143 1,946
地下・井戸 5,520 6,466 6,763 6,544 6,503
オフサイトの水処理施設 2,122 3,119 2,691 1,165 1,163
合計 9,201 10,337 11,116 9,925 9,680
豊田通商・国内海外連結子会社
水使用量
(千㎥)
  2021年 2022年 2023年 2024年 2024年度
水使用量 1,087 982 887 1,125 1,026
豊田通商・国内海外連結子会社
水使用量(重大なインパクトのある施設)
(千㎥)
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
国内計 0 0 0 0 0
海外計 14.0 8.0 4.0 5.2 6.2
集計範囲:「Aqueduct 3.0 Country Rankings」より「総合リスク」が"Extremely High (4-5)"の国において、Aqueduct Water Risk Altasを用い拠点ごとの評価を調査し、「総合リスク」が"Extremely High (4-5)"のエリアを「水ストレス下にある地域」としている。まとまった量の水=10メガリットル/年以上=の総取水量がある製造系施設(工場)を「重大なインパクトのある施設」と定義した 。
水リスク別拠点数
(単位:拠点)
  拠点数
Extremely High 83
High 58
Medium - High 90
Low - Medium 87
Low 36
・WRI AQUEDUCTにおけるOverall water riskによって確認
・住所が重複する拠点は一拠点とカウントし、事務所のみの拠点は除くものとする
・集計範囲:豊田通商および国内連結子会社、海外連結子会社
水ストレス地域における水目標
豊田通商グループでは、水ストレス地域の中でも渇水リスクが高い地域における水目標を設定しております。
事務所における従業員一人当たりの水使用量
  2023年度 2024年度
目標 38 リットル/人・日 38 リットル/人・日
実績 43 リットル/人・日
集計範囲:Toyotsu Bharat Integrated Services Pvt. Ltd.(所在地:インド)
水マネジメント関連コスト
  2023年度 2024年度
水関連リスクに関連するコスト
(雨水・汚水焼却処理費用、側溝修理費用、側溝清掃費用等、水関連リスクの対策費用を含む)
46,652千円 59,720千円
関連リスク軽減の為の投資
(小型減圧蒸留装置、光化学分解小型反応装置等)
414千円 2,787千円
水利用の効率性向上に向けた大学機関との研究開発関連費用 4,000千円 4,000千円

第三者認証

上記のうち「」を付したデータについては、LRQAリミテッドによる第三者認証を受けています。

(2024年)

(2024年度)