環境マネジメント
豊田通商グループ環境方針
豊田通商グループは、企業理念 「人・社会・地球との共存共栄」に基づき、「豊田通商グループ環境方針」を設定し、気候変動への対応、森林および生物多様性の保全、省資源、省エネルギー、水の有効活用と水ストレス地域での水使用量削減などを推進しています。
未来の子供たちへより良い地球環境を届けるため、良き企業市民として地球環境に配慮した事業活動を推進し、環境課題の解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献します。
1. 法令遵守
1-1. 法規制等の遵守
豊田通商グループは、環境保全に関する国際的な宣言、規約、条約、および事業展開をしている国や地域の法規制、その他業界基準などを遵守します。また、M&Aなどによる事業拡大の際は、潜在的な環境リスクを把握し適切に対応するため、デューデリジェンスを実施します。
2. 環境課題への取組み
2-1. 気候変動への対応
豊田通商グループは、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車や工場・プラントの温室効果ガス排出を削減することで脱炭素社会への移行に貢献します。また、自らの事業活動を通じた排出削減に留まらず、サプライチェーン全体における排出削減を推進することで、パリ協定に整合したカーボンニュートラル社会の実現を目指します。
- カーボンニュートラルの実現
2030年までに温室効果ガス排出量(Scope1,2)を2019年比50%削減、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、「カーボンニュートラルロードマップ2030」に則り取組みを進めていきます。
- 化石燃料関連事業、グリーン・エネルギー事業への投資スタンス
化石燃料拡大につながる新規投資は行わないとともに、既存の石炭・重油・ガス火力発電事業からの撤退を進め、グリーン・エネルギーへの投資を強化します。
- 気候変動への適応
将来の気候変動に適応する技術を活用することで、事業の継続性確保に努めます。
2-2. 水資源の管理
豊田通商グループは、持続可能な水資源の確保のため、直接操業および上流・下流のバリューチェーンにおいて、以下の管理を行います。
- 渇水リスクが高い地域での直接操業における取水量および水消費量の削減
- 適切な排水処理および水の循環利用
- 水の使用量が少ない製品やサービスの設計と提供
- 安全な水と衛生的なトイレの提供
2-3. 生物多様性への対応
豊田通商グループは、生物多様性が企業活動存続の前提であるとの認識に基づき、目標期日を定めて森林減少、自然生態系の転換、泥炭地開発ゼロに向けた取組みを進めていきます。また、グローバルかつ長期的な視野に立ち、ステークホルダーと協働して陸上および水中の生物多様性保全に取り組みます。さらに、事業創出や事業活動を通じてリスク評価を実施し、トレーサビリティを確保することで、昆明・モントリオール生物多様性枠組みに整合した生物多様性保全と事業活動の両立を目指します。
2-4. 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染の抑制・削減・撲滅
豊田通商グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染に関わる影響、リスク、機会の特定を進め、これらの防止および管理に努めます。また、環境関連法規や条例で定められた基準値を下回る80%以内を目安に独自基準を設け、日々の管理を通じてこれを実現し、内部監査を通じて遵守状況を確認します。
さらに、事業活動に起因する排水の適正処理や、水質汚濁物質の使用量削減等に取り組むことで、水汚染の影響を予防し緩和に努めます。バリューチェーン全体についても、その実施状況を確認します。事故や緊急事態を未然に防ぐとともに、万が一発生した場合には、人々と環境への影響を迅速に管理し、最小限に抑える対応を行います。
2-5. 化学物質の対応
工業製品に使用される物質の中には、環境汚染や人体への健康被害を引き起こす可能性があるものも含まれます。豊田通商グループは、これらの有害物質の使用・管理に関する各種規制を遵守し、有害物質の代替や使用を最小限に抑え、段階的な使用廃止を進めます。
2-6. 資源循環と廃棄物管理
豊田通商グループは、資源の有効活用と廃棄物の削減を通じて循環経済の実現に貢献します。廃車や工場から発生するスクラップのリサイクル、都市鉱山からの資源確保、中古車や中古部品の再利用など、廃棄物を資源として再活用する循環型ビジネスを推進します。取引先や関係会社と協力し環境配慮型ビジネスを積極的に推進することで、持続可能な社会づくりに貢献します。
自社の事業活動においても天然資源の使用削減に努め、リサイクル資源への代替に努めます。また、資源を循環させることで廃棄物の発生を抑制します。
3. 社内外での取組み
3-1. 環境マネジメントシステムの構築
豊田通商グループは、環境マネジメントシステムの構築により環境保全活動を実施し、見直し、創造性を発揮することにより継続的改善を目指します。
3-2. 環境教育
豊田通商グループは、説明会などの環境教育を通じて環境方針を全役職員および社外ステークホルダーに周知します。また、事業活動が環境に与える影響やエネルギー使用に関する課題と対策を共有することで、環境への意識向上を図ります。
3-3. 社会との連携・協力
豊田通商グループは、近隣住民や先住民、機関投資家、NPOとの対話を通じて理解を促進し、イニシアチブへの賛同および連携を深めることで、環境課題に関するステークホルダーエンゲージメントとキャパシティビルディングを強化します。また、気候変動を否定する活動や気候変動に関する規則に反対するロビー活動への資金提供を行いません。
3-4. 情報開示
豊田通商グループは、環境パフォーマンスや環境課題に関する情報を定期的に開示し、広く社会と共有します。
3-5. 環境課題の多面性を考慮した対応
豊田通商グループは、環境課題への取組みにおいて期待されるシナジー効果やトレードオフを慎重に評価し、環境課題の多面性を考慮した上で取組みを進めます。
環境マネジメント推進体制
当社グループの環境マネジメントシステムは、国内においてはISO14001規格に準拠し、海外では環境管理ルールブック(自主基準)に基づき管理しており、国内外いずれも、定期的な内部監査を実施することにより、環境管理レベルの向上に努めています。
当社グループ内での環境保全活動の報告、法令改正の案内等の連絡および情報共有を目的とし、役員が出席する「安全・環境会議」を定期的に開催しています。環境ヒヤリが発生した場合、当会議で事例報告と対策を共有し、未然防止に努めています。
なお、当社グループは2023年にISO14001:2015認証の定期審査を受けました。同認証の有効期間は2024年12月31日までです。事業子会社のISO14001取得社数は、国内70社、海外139社です。(取得比率*27%)
また、認証未取得で当社が必要と判断する会社においては、環境管理ルールブック(自主基準)により環境管理を実践しています。(導入比率*29%)
*連結子会社のうち
環境負荷低減の取り組み
既存の事業体については、設備ごとの環境汚染リスク度と、作業現場の管理レベルを定量評価し、環境汚染リスクの低減に取り組んでいます。また、環境法令の遵守評価を半年ごとに実施し、さらに内部監査、外部審査で重点課題の法令遵守状況をダブルチェックしています。
新規の投資案件に対しては、その事案が環境に及ぼす影響を事前に調査・評価し、環境保全・負荷低減に努めています。
当社では下記データを把握・開示しております。
内部監査・第三者監査実績(2024年3月期)
豊田通商(単体) | 国内グループ会社 | |
---|---|---|
第一者監査(内部監査) | 33部署 | 21社 |
第二者監査(内部監査) | ― | ― |
第三者監査(外部審査) | 33部署 | 24社 |
環境教育・啓発活動
1. 従業員の環境意識向上
e-learningや環境月間を通じて、当社及びグループ各社の全従業員の環境意識を高める取り組みを進めています。当社グループ内イントラネットにISO14001規格や環境に関するe-learning(当社グループ環境方針、生物多様性ガイドライン、省エネの徹底)を開設し、従業員が環境課題(問題)について学べるようにしています。
環境e-learning受講者数(2024年3月期)
内容 | 実施期間 | 受講者数 |
---|---|---|
省エネ推進の心得 | 2023年4月〜2024年3月(年6回実施) | 平均3,800人(延べ23,000人) |
2. 環境マネジメント推進のための人材育成
国内当社グループでは、ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを通じて環境管理活動を推進しており、国内の当社グループの従業員を対象に各種e-learningを実施しています。
セミナー開催実績(2024年3月期)
内容 | 受講者数 |
---|---|
ISO役職者向けセミナー | 326人 |
海外赴任前研修(環境保全) | 53人 |