資源有効活用

方針

豊田通商グループは、環境方針に基づき、廃棄物の有効活用と資源保護関連ビジネスを積極的に推進することで、省資源化の実現に寄与します。

限りある資源の有効活用を目指し、廃車や市中・工場内で発生するスクラップから再生可能な資源を回収・加工するなどの循環型ビジネスの構築や、都市鉱山からの資源確保や中古車・中古部品のリユースなどの廃棄物を「資源化」による、循環型社会の形成に貢献します。

循環型社会への取り組み

日本貿易会は、循環型社会構築に向けた経団連の取り組みに賛同し、1998年から環境自主行動計画(循環型社会形成編)に参加しており、主なオフィスビルから排出される事業系一般廃棄物を対象として、2025年度再資源化率83%以上を目標としています。当社はこの目標に従い、再資源化率向上に取り組み2022年実績は90.24%となっています。

上記に加え、豊田通商グループ(国内)独自の追加目標として、最終的に埋め立て処分となる廃棄物0.5%未満を目標に、ゼロ・エミッションに取り組んでおり、2022年実績は0.28%となっています。

豊田通商では、東京本社・名古屋本社で排出される事業系一般廃棄物の排出量削減に取組んでおります。事業所から排出される紙の使用量削減や社員食堂から排出される生ごみのコンポスト化、ペットボトルのリサイクルなど実施し、2022年は2021年比1%削減(0.9トン削減)の目標に対して、9%(8.8トン)の増加となりました。理由は、出社率が回復した為それに伴い事業系一般廃棄物の排出量が増加したと考えられます。

また、紙は業務上の主要原材料と位置づけ、大型モニター、パソコン、タブレット端末利用によるペーパーレス会議を推奨、電子捺印システム導入やFAX電子受信化などを推進することにより、紙使用量の削減に取り組んでいます。2022年度実績は2019年度(活動開始年)比38%削減を達成しました。

国内2か所で事業化しているバイオマス発電では、燃焼した木材チップから排出されるばいじん・燃え殻の成分分析を行い、中間処理業者と協業のもと路盤材などへの再資源化に取り組んでおります。

事例

豊田通商の連結子会社であるTBユニファッション株式会社は、使用済みの企業ユニフォームを回収し、再び原料の段階まで戻し、自動車内装材に再製品化するリサイクル事業を実施しています。循環型社会への対応として企業のCSR向上(産廃の適正処理)、社名入りユニフォームの流出悪用防止、CO2排出量削減および省資源化に貢献します。尚、2010年7月23日付で環境省広域認定※第188号を取得しています。

※環境省広域認定:ライフサイクルアプローチを実現するために、製品の性状や構造を熟知している製造事業者が広域に廃棄物を処理することで高度な再生処理が期待でき、廃棄物の減量、適正処理に繋がります。

豊田通商の繊維事業においては、仕入先・顧客と共に、バリューチェーンを通じたGHG(CO2)排出量の削減に向け、具体的な取組みを推進しています。衣料品の原材料調達から製品化までのサプライチェーンにおいては、独自のリサイクル原材料販売を実施しており、LCA(ライフサイクルアセスメント)を活用し、CO2排出量の削減効果を定量的に評価しています。また、ユニフォームだけではなく、一般衣料品のリサイクル事業も開発しており、原材料から製造、輸送、使用、廃棄あるいは再使用されるまでの衣料品ライフサイクルの全段階において、LCA手法を活用した環境影響調査を実施するプログラムに取組み、資源の削減とCO2排出量の削減を実現しています。

衣料品は、原材料調達から製造、使用、廃棄までのプロセスにおいて、エネルギー、水、農薬を多く使用しており、省資源・省エネルギーや資源の有効利用を考慮した生産プロセスは非常に重要な要素であり、このアセスメントに重要な意味があります。製品の企画、開発段階からLCAを活用し、最適な素材開発や加工方法、使用済み衣料の回収・リサイクルといった多角的な環境負荷削減のソリューション開発を推進してまいります。

豊田通商グループはモノづくりに関わる商社として、地球環境に配慮しながら、資源の確保や安定的な供給を支えていくことが大切な使命であると考え、事業として廃棄物を資源化することで、モノづくりを支え、循環型社会に貢献しています。

汚染・廃棄物削減への取組み(外部との協働)

豊田通商では、自動車社会からの産業廃棄物の削減を重要なテーマとして取り組んでおり他社との協業や、研究開発を推進しております。

事例①

従来は廃車となると、エアバッグ類やフロン類、ドア、エンジンなどの部品を取り外し、破砕(シュレッディング)して有用金属を回収した後に残ったASR※は埋立処分されていました。豊田通商グループで廃車からの資源リサイクルを行う豊田メタル(株)では、ASRをさらに溶融固化物、樹脂類、金属、ガラスに分別。従来、溶融固化物、樹脂類はどうしても有価売却できなかったが、鉄鋼メーカーと協業し、電炉原燃料として再資源化商品として100%のリサイクル達成に成功しました。

  • “Automobile Shredder Residue”

事例②

豊田通商では(株)矢野経済研究所、いその(株)と協業で、自動車に使われている樹脂素材のCar to Carリサイクル※1の可能性を探る実証実験を公益社団法人自動車リサイクル高度化財団より受託し、実証事業を開始しております。また、豊田通商はNEDOが公募した「アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業」のテーマの1つとして「タイ王国で発生する使用済み自動車の効率的かつ適正な資源循環システム構築」も正式に受託し、実証事業を行います。

  • 使用済み自動車から回収される資源を再び自動車製造の原料として使用するリサイクル。

パフォーマンスデータ

当社は下記データを把握・開示しております。

  • 産業廃棄物排出量(含:特別管理産業廃棄物、特定有害産業廃棄物)
  • 廃棄物の埋立率
  • 廃棄物の再資源化率(リサイクル率)
  • 社内印刷枚数
  • 産業廃棄物のリサイクル量・非リサイクル量
産業廃棄物排出量
産業廃棄物排出量
集計範囲:豊田通商(本社・支店・営業所・出張所)および国内連結子会社
※有価売却除く
埋立率(実績値/目標値)
埋立率(実績値/目標値)
集計範囲:豊田通商(本社・支店・営業所・出張所)および国内連結子会社
(当社グループの廃棄物中間処理場で発生する廃棄物および元請となる建設廃棄物を除く)
再資源化率(実績値/目標値)
再資源化率(実績値/目標値)
集計範囲:豊田通商((東京本社、名古屋本社(センチュリー豊田ビル)の事業系一般廃棄物))
廃棄物排出量(目標・実績)
2021年実績 2022年 2023年目標
目標 実績
廃棄物の排出量(トン) 94 93
(2021年実績比▲1.0%)
103(2021年実績比+1.1%) 102(2022年実績比▲1.0%)
※廃棄物の排出量:名古屋本社・東京本社の事業系一般廃棄物
原材料(紙)使用量(目標・実績)
2021年度実績 2022年度 2023年度目標
目標 実績
原材料の使用量(万面枚) 991 1,509(2019年度実績比▲30%) 1,336(2019年度実績比▲38%) 1,336以下(2019年度実績比▲38%)を維持
※原材料の使用量:本社及び各拠点の印刷・コピー用紙使用量(面数)
産業廃棄物のリサイクル量、非リサイクル量
(単位:トン)
2020年 2021年 2022年
リサイクル量 182 173 133
非リサイクル量 34 22 130
合計 216 195 263
集計範囲:豊田通商(有価売却、当社元請となる建設廃棄物除く)
第三者認証

上記のパフォーマンスデータの一部はLRQAリミテッドによる第三者認証を受けています。