生物多様性

方針

豊田通商は持続可能な事業活動を推進しております。持続可能性の基準として生物多様性の保全を重視します。
事業サイト周辺における絶滅危惧種の生息状況や保護区域特定情報を把握するなど事業が与える影響の把握に努め、生態系への負の影響が有る場合は、その影響を相殺する対策を講じます。

生物多様性ガイドライン

豊田通商は、2015年12月に「豊田通商グループ生物多様性ガイドライン」を制定しました。(2019年12月改定)

豊田通商グループ生物多様性ガイドライン
  • 取組みの基本的な考え方
    私たちは生物多様性の重要性を認識し、グローバル且つ、長期的視野に立ち、生物多様性の保全に取組みます。
  • 事業創出による貢献
    私たちは事業を創出する中で、リスク評価を行い、トレーサビリティを明確にすることで、生物多様性と事業活動との両立を目指します。
  • 社会との連携・協力
    私たちは政府・国際機関・NPO・サプライヤー・顧客等、生物多様性に関係する社会の幅広い層との連携・協力関係構築を目指します。
  • 情報開示
    私たちは企業活動と両立する生物多様性に関する自主的取組みやモニタリングの結果を開示することにより広く社会と共有し、もって持続可能な社会の発展への寄与を目指します。

具体的な事業活動

当社グループの事業体は、環境方針および生物多様性ガイドラインに基づいて事業を展開しています。

<新規事業>
新規の投資案件に対しては、その事案が森林および生物多様性の保全、資源、エネルギー、水の有効活用など環境全般に及ぼす影響を事前に調査・評価し、環境保全、負荷低減に努めており、生物多様性と事業活動の両立を目指します。【間伐材を使用したバイオマス発電】参照

<既存の事業>
既存の事業体については、設備ごとの環境汚染リスク度と、作業現場の管理レベルを定量評価し、環境汚染リスクの低減に取り組んでいます。また、当社のISO14001活動の一環である環境マネジメントシステム内部監査により、既存事業の生物多様性を含むリスク評価を実施しています。さらに、環境法令の順守評価を半年ごとに実施し、さらに 内部監査、外部審査で重点課題の法令順守状況をダブルチェックしています。

1. 間伐材を使用したバイオマス発電

事例①バイオマス発電

豊田通商グループの(株)エネ・ビジョンにより設立された(同)えひめ森林発電が建設した木質バイオマス発電所「松山バイオマス発電所」が2018年1月4日に営業運転を開始しました。同発電所は愛媛県松山市の約30,000m2の土地に建設した、愛媛県初となる木質バイオマス発電所で、木質バイオマスのみを燃料として、12.5MWの発電を行い、小売電気事業者に売電します。地元の森林組合と協力し、健全な森林育成のため発生した間伐材などから原料を調達し、トレーサビリティが明確な地産地消型エネルギーを使用することで、安定供給に加え、生物多様性に対する負の影響を緩和し、正の影響をもたらしています。また、(同)しまね森林発電による島根県江津市において稼働中の「江津バイオマス発電所」と合わせると総出力は25.2MWになります。

松山バイオマス発電所

2. 生物多様性関連の認証制度への参加

豊田通商グループはISO14001環境マネジメントシステムまたは環境管理ルールブックを通じて体系的に生物多様性リスクを評価し、特定したリスクに対してリスク低減活動を実施しています。
またその一環として生物多様性に対応する認証制度への参加を実施しています。

事例②ツナドリーム五島「SCSA認証」

近年の世界経済成長により、クロマグロの需要が急増し、乱獲が進んだことでレッドリスト入りが検討されております。
豊田通商は、クロマグロ完全養殖を世界初で成功させた近畿大学とパートナーシップを組み、世界初、完全養殖事業に特化したツナドリーム五島を設立し、事業を推進しています。
またNPO「持続可能な水産養殖のための種苗認証協議会」の種苗認証制度(SCSA)の認証も取得いたしました。
SCSAでは、現地確認の上、学識経験者によるピアビュー、審査報告書のパブリックコメントが行われ最終報告書が完成、認証の合否判定が決定されます。
SCSA認証制度により、養殖用の種苗として人工種苗を利用し天然魚(天然資源)の保全が図られた魚であることを消費者に伝えることができるとともに、親魚から卵、仔魚、稚魚、成魚までの履歴が完全に記録され、製品までのトレーサビリティと安全性を保つことを可能としております。
また、合わせて豊田通商はツナドリーム五島のクロマグロの流通業者として、SCSAの流通加工小売業者に対する認証(COC認証)を取得しております。

3. 生物多様性の損失軽減

豊田通商は持続可能な事業活動を推進しております。持続可能性の基準として生物多様性の保全を重視します。
事業サイト周辺における絶滅危惧種の生息状況や保護区域特定情報を把握するなど事業が与える影響の把握し、リスクの低減を考慮した上で事業化を進めております。生物多様性の維持が正、損失を負と考え、損失を軽減するために、環境リスク調査を実施し、生態系への負の影響が有る場合は、その影響を相殺する対策を講じます。

事例③ユーラスエナジーホールディングス
「風力発電事業における生物多様性リスクへの対応」

当社と東京電力ホールディングスの合弁会社で、再生可能エネルギーの発電事業を行う、ユーラスエナジーホールディングスが展開する風力発電では、

  • 環境リスク評価による、生物多様性の損失可能性の抽出
  • 発電設備の設置場所の選定
  • バードストライク(風車への鳥の衝突)を回避するための、餌場・巣箱の設置による誘導
  • 稼働後の継続した監視体制

などの実施により、事業サイト周辺における絶滅危惧種の生息状況を継続的に調査し、国内では北海道地区ウィンドファームにてオジロワシなどその他含め、各種保護活動を展開しています。

事例④ブラジルでの植林活動

当社グループ会社のOleos Menu Ind. e Com. Ltda.は、2007年より自社での植林活動に取り組んでおり、2020年3月期は地元ガララペス市との共同取り組みとして活動を広げ、1,620本の苗木を提供し市所有地に植林しました。
活動当日は市長はじめ市役所職員、地区住民、当社社員合わせて約50名が植林に参加し、ガララペス市の自然環境整備に取り組みました。

鉱山事業における対応

豊田通商では、参画する鉱山事業において地域の環境・社会への影響を軽減する事が重要と考えています。事業活動を行う国・地域の法律や国際的な取り決めに定められた内容に沿って、事業検討段階、操業期間中から環境影響評価を実施し、将来的な閉山計画の策定や、必要なリハビリテーション等に取り組み、地域の環境、社会への影響の最小化に努めます。

外部との協働

豊田通商並びにグループ会社では、地元行政と協力して生物多様性の損失を軽減する様々な活動を実施しております。

事例①

Toyota Adria d.o.o.では、スロベニア及びセルビアにてトヨタ自動車の販売店と協力してそれぞれ昨年3回のイベントを開催しました。各販売店の地域にある小学校と提携しエコスクール活動を実施しました。また、スロベニアではハイブリッド車が売れるごとに、緑を必要としている地域に1本の木を植樹。3回のイベントで約50万本を植樹。スタッフ50名と共に児童も延べ約200名が参加しました。(クロアチア、セルビア、ボスニアでも同様の活動を実施)
また、スロベニアのマリボル大学の物流学部と連携し「Zero Emission Corridor(ゼロ・エミッション・コリドー)」プログラムの一環として、H2Student教育プログラムを開始しました。スロベニアの高校の教育クラスでは、学生たちが、水素レゴカーを設計し自ら組み立て走行させることで、循環型経済や未来のグリーン技術(電気自動車、CO2排出量低減、水素技術)の重要性を学習しました。

事例②
ラムサール条約登録地藤前干潟におけるクリーン大作戦に参加

当社は、名古屋市港区藤前地区の地先に広がる干潟であり、ラムサール条約の登録地となっている藤前干潟の環境保全活動として、「藤前干潟クリーン大作戦」に参加しています。
2020年3月期は、当社やグループ企業の社員・家族合計16名が参加しました。
藤前干潟は多数の渡り鳥が飛来する重要な中継地で、名古屋本社からも近く、都市に残された生き物のオアシスを感じることができます。藤前干潟には毎年定期的に60種程度の水鳥がみられ、カモ類が約1万羽、ハマシギ約3千羽程度が渡来しています。

しかし、藤前干潟とその周辺の岸辺は、上流などから運ばれたペットボトル、ビニール袋、発泡スチロールなどの石油原料の製品ゴミで覆われています。この貴重な環境及び生態系を保護するべく、「エコストック実行委員会」「土岐川・庄内川流通ネットワーク」特定非営利活動法人 藤前干潟を守る会」「リバーサイドヒーローズ多治見魚の会」等の市民団体と愛知県と名古屋市及び企業が協働して保全活動に取り組んでいます。