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アフリカと共に歩み、共に未来を創る
豊田通商の挑戦

豊田通商グループは、「WITH AFRICA FOR AFRICA」の本部Visionのもと、170年以上にわたり事業を通じてアフリカの持続可能な社会の実現を目指し、アフリカの人々と共に歩んできました。
2025年8月20日~22日、アフリカの開発をテーマとする国際会議「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」が横浜で開催されます。私たち豊田通商は、このTICADをアフリカとの歩みを加速させる重要な機会と捉えています。アフリカの子供たちの未来のために、アフリカと共に挑み続ける、豊田通商の取り組みをご紹介します。

2025年8月1日

21世紀最大のフロンティア―アフリカの可能性

「21世紀最大のフロンティア」と称されるアフリカ。現在14億人の人口は2050年には25億人に達すると予測※1されています。平均年齢は2025年で19歳、2050年でも約25歳と若年層が中心であり、将来的に大きな生産力・消費力が見込まれると期待されています。

経済成長においては、IMF(国際通貨基金)が2026年のサブサハラ・アフリカの実質GDP成長率を4.2%と予測※2。当社グループが強みを持つモビリティ市場では、自動車販売台数が2030年には2023年比で1.6倍に、発電量に占める再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)比率も2018年の20%から2030年には50%に拡大する※3と見込まれています。

この可能性に満ちたアフリカの大地で、当社は未来に向けてアフリカと共に歩みを進めています。

アフリカ人口(54ヵ国)の推移(百万人)
アフリカの発電設備容量と将来予測
  1. ※1出典 総務省統計局「世界の統計2025」より
  2. ※2出典 IMF(国際通貨基金)「世界経済見通し」より
  3. ※3出典 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)「African Energy Data Book」より

豊田通商グループとアフリカの170年の歩み ― 「WITH AFRICA FOR AFRICA」への進化

当社は1922年、東部アフリカからの綿花輸入を皮切りにアフリカビジネスを開始。その後、自動車事業のバリューチェーン拡大、インフラ整備、再エネ事業の推進など、東南部アフリカを中心に事業基盤を築いてきました。2012年には、中・西部アフリカを中心に基盤を持つフランスのアフリカ専門商社CFAO(前身は1852年創業のエタブリスマン・ヴェルマンク社)に資本参加し、2016年に同社を完全子会社化。両社をあわせ、グループとして170年以上にわたりアフリカの人々との歩みを進めてきました。

2017年には、当社初の地域軸の営業本部「アフリカ本部」を設立。アフリカの人々と社会と共に成長することを目指す「WITH AFRICA FOR AFRICA」という想いを本部Visionに込めました。これは、アフリカの人々と当社の約束であり、現地の声に耳を傾け、共に肩を並べ、共に未来を築いていくという当社の決意を表しています。

豊田通商グループのアフリカにおける歴史

この本部Visionのもと、現在、当社は約23,000名の従業員とともにアフリカ全土にビジネスネットワークを展開しています。「モビリティ」「グリーンインフラ」「ヘルスケア」「コンシューマー」の4つの異なる事業領域と、アフリカ全54カ国でのビジネス展開を掛け合わせ、着実な成長を遂げています。また、輸入から生産、小売までのバリューチェーンを構築し、高品質な製品とサービスの提供を目指しています。

アフリカ全土をカバーするネットワーク

アフリカの未来の子供たちのために。TICAD9を機に加速させる3つの重点領域

2025年8月20日~22日、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が横浜で開催されます。1993年の初回開催以来、TICADは日本政府が主導し、国連や国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)と共同で、アフリカの持続可能な発展を目指す国際的な対話の場として開催されてきました。アフリカ各国の首脳級をはじめとする要人や関係者が集い未来のビジョンを語り合うこの会議は、当社にとっても大きな節目となります。
当社はTICADをアフリカにおける取り組みを加速するための重要なマイルストーンと位置づけ、アフリカでのビジネスの具現化・実現化に取り組んでいます。

TICAD9では、「WITH AFRICA FOR AFRICA」の本部Visionと“for the future children of Africa”というキーメッセージのもと、「サステナビリティ」をテーマに掲げ、重点領域「グリーンエコノミー」「グローバルヘルス」「人材開発」を軸にアフリカ事業をさらに加速させていきます。

グリーンエコノミー:「つくる」「はこぶ」「つかう」-クリーンエネルギーの循環で持続可能な社会へ

アフリカでは急速な人口増加に伴い、モータリゼーションやデジタル化が進展し電力需要の増加が予想されています。安価で安定した持続可能なエネルギーへのアクセスが不可欠となる中、豊かな自然を活かした再エネによる電力供給が重要な役割を担っています。

当社グループは、日本国内No.1の再エネ事業会社ユーラスエナジーホールディングスとCFAOとの合弁により、2024年3月にアフリカで再エネ事業を行う新会社AEOLUS(エオラス社)を設立しました。
2024年8月には、エオラス社初の出資案件として、チュニジアにおける大規模IPPスキームに基づく太陽光発電所の建設・運営・所有に参画。エジプトの風力発電事業と合わせて合計1GWの出力を実現し、アフリカの経済成長と共にCO2削減にも貢献していきます。さらに、ハイブリッド車(HEV)など環境に配慮した車両の普及を促進するなど、エネルギーを「つくる」だけでなく、「はこぶ」「つかう」までつなぐグリーン・エネルギー・バリューチェーンの構築を進めていきます。

当社は、地球に優しいグリーンな事業展開を通じて、アフリカの持続可能な社会の実現に貢献します。

スエズ湾風力発電所Ⅱ
環境車の普及推進© Franck DUNOUAU

グローバルヘルス:高品質な医療アクセスへの向上を使命に

アフリカでは、医療体制の強化が重要なテーマとなっています。国によって状況は異なりますが、医療従事者の拡充、医療インフラ整備、安全な医薬品の流通ネットワークの構築など、地域の健康課題に向き合う取り組みが求められています。

当社は地域の医療ニーズに寄り添いながら、医薬品の供給や医療サービスの充実に取り組んできました。
アフリカの24カ国の薬局や病院に医薬品を毎日届けており、モロッコやアルジェリアではライセンス供与を受けた医薬品の現地生産も行っています。2022年にはケニアの大手薬局チェーンGoodlife Pharmacy(Goodlife社)に出資し、医薬品の小売分野にも初めて参画しました。
また、アフリカは世界的にも妊産婦死亡率や5歳未満の乳幼児死亡率が高く、重要な課題となっています。当社は、WHOの医療機材品質認証(PQS)を世界で初めて取得したワクチン専用保冷輸送車を活用し、ワクチンの安定供給にも貢献しています。また、JICA(国際協力機構)を通じて、妊産婦や乳幼児の継続的なケアを支援するツールである母子健康手帳の普及にも取り組んでおり、アンゴラ保健省に累計約81万部の母子健康手帳を寄贈しています。さらに、CFAOを通じて白書「Securing the medicine distribution network in Africa(アフリカにおける医薬品流通ネットワークの確保)」を発表。医薬品を主に海外から輸入するアフリカでは、流通の管理・規制の未整備から偽薬が流通し、多くの命が奪われています。白書を通じて、意識啓発や公式医薬品供給チェーンの安全確保、違法ネットワーク撲滅に向けた協力強化を呼びかけています。

当社は、アフリカの人々の健康に寄り添い、アフリカで高品質な医薬品へのアクセス確保を使命に、健康な社会の実現に資するグローバルヘルスに貢献します。

毎日約11,000の薬局・病院へ医薬品を配送© Franck DUNOUAU
Goodlife社を通じて医薬品の小売り事業を強化© Franck DUNOUAU

人材開発:現地主導の産業育成を目指して

若年層を中心とした人口増加が進むアフリカでは、若い世代が社会の活力となり、産業の発展を支える大きな可能性を秘めています。さまざまな分野で地域のニーズに応じた雇用創出が期待されています。

当社は、事業を通じた雇用創出と産業人材の育成を推進しています。特にモビリティ分野では、現地での安全で快適なモビリティ社会の構築に向けた取り組みに注力しています。ケニア(2014年)とアンゴラ(2020年)では、自動車整備士などの技術者を育成するアカデミーを設立し、これまでに約500名の整備士が学びました。トヨタケニアアカデミーでは、建設機械・農業機械などの自動車分野以外の技術者も養成。リーダーシップやマネジメントに関するプログラムも提供し、アフリカの未来を担う人材の育成にも取り組んでいます。

近年では、国連機関とも連携した人材育成も行っています。アフリカで最大規模の難民受け入れ国であるウガンダなどにおいて難民が自動車整備の技術を習得できるよう支援を行うなど、多様な背景を持つ人々に対してこれまでに約200名のトレーニングを実施しています。

当社は、事業を通じた、現地の人々の雇用創出や産業人材の育成に貢献します。

自動車のアフターサービス事業© Franck DUNOUAU
自動車整備士など技能者育成を支援© Franck DUNOUAU

for the future children of Africa

当社は、「WITH AFRICA FOR AFRICA」という本部Visionと情熱を持って、アフリカの人々や社会と共に成長しています。アフリカ現地の人々や地域社会からの理解と協働なくしては実現できません。投資やプロジェクトの完了がゴールではなく、現場に入り込み、現地に根ざした継続的かつ中長期的な取り組みこそが、アフリカと共に歩み続ける、アフリカの持続可能な未来への道だと考えています。
また、事業だけではなく、人材育成を通じてアフリカの自立的な経済成長を支援することも、当社の重要な使命です。
これからも豊田通商は、アフリカの未来の子供たちのために、より良い地球環境と持続可能な社会の実現に向けて共に歩み続けます。

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