労働安全衛生

豊田通商グループ「安全衛生方針」

豊田通商グループは、グループ社員のみならず、契約社員、取引先、投資先、その他関係者の労働安全衛生の確保が最重要である、という認識のもと、以下で掲げる「グループ安全衛生方針」に基づき活動します。また、労働安全衛生環境の不備により社内外ステークホルダーの活動が影響を受ける場合は、関係者に対し本方針に基づくカイゼンを働きかけていきます。

豊田通商グループ安全衛生方針
  1. 1.安全と健康の確保を図るには良好なコミュニケーションが必要と認識し、トップは社員との協議を尊重する。
  2. 2.安全衛生関係法令、客先構内作業業務要領などを尊重するとともに、必要な自主基準を設け安全衛生管理のレベル向上を図る。
  3. 3.労働安全衛生マネジメントシステムを利用し、継続的な改善ならびに維持に努め安全衛生水準の向上を目指す。
  4. 4.グループ全社的な安全衛生活動の推進のため、組織体制の整備、責任所在の明確化を図る。
  5. 5.快適かつ健康的な職場の形成を進めるため、全社員に対し安全衛生確保に必要かつ充分な教育・訓練を実施する。

安全衛生管理推進体制

豊田通商グループ安全管理体制
豊田通商グループ安全管理体制(2019年3月期)

安全衛生各種会議

〇「安全週間連絡会」「安全管理強化会議」を中心に、安全情報の共有と安全意識の向上に努めています。
豊田通商では週1回、各本部のゼロ災推進メンバーを中心に、関係者が出席する「安全週間連絡会」を開催しています。
また、全社を横断する会議として、代表取締役副社長が議長を務め、本部役員(各本部CEOおよびゼロ災担当役員)が出席する「安全管理強化会議」を毎月開催し、情報の共有とトップの安全意識の高揚を図っています。

〇安全衛生担当であるCHRO(Chief Human Resources Officer)を議長として「安全衛生委員会」を月一回開催し、社員の安全衛生環境に関する協議を行っており、健康と安全に関するリスクについて、その重要性に基づき取締役会に報告する制度をとっています。「安全衛生委員会」には労働組合役員も従業員代表として参加し、従業員の健康推進や働きやすい環境について議論しています。

豊田通商グループ・仕入先での推進活動

豊田通商では、1985年に安全管理室、2001年に環境安全推進部を設置し、2010年に現在の安全・環境推進部になってからも災害の撲滅・未然防止と安全文化の構築に取り組んできました。工場安全診断、労働安全衛生マネジメントシステム、リスクアセスメントなどの活動を通して、国内外のグループ会社の安全管理活動を推進しております。また全世界共通の安全ルールである「TOYOTA TSUSHO GLOBAL SAFETY STANDARD」のグローバル展開にも力を入れております。
安全衛生管理対象会社の364社のうち、約4%に当たる15社が労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格である「OHSAS18001」「ISO45001」の認証を受けております。(2020年10月現在)

※安全衛生管理対象会社:出資比率50%以上の製造及び物流の会社

国内では「豊田通商グループ安全・環境推進連絡会」を設置し、豊田通商と国内グループ会社の労働安全衛生活動を推進しています。同委員会は、豊田通商代表取締役副社長が議長を務め、グループ会社56社の代表取締役が参加します。
また、豊田通商では、国内外の事業拠点に対し、経営トップや事業本部のトップが自ら安全を点検する「工場巡視」や「安全パトロール」を実施しています。さらに管理体制や安全衛生委員会の活動状況、年間活動計画の推進状況など21項目を審査する「工場安全診断」や、災害を未然に防止するための「リスクアセスメント」を実施しています。これらの結果を基に、課題の抽出と対策の実施を進めています。
工場安全診断はグループ会社において実施し、安全管理や現場での安全指導を徹底しました。また、これらグループ会社における災害の未然防止活動として、各社の危険源を抽出し対策を検討するリスクアセスメントも実施しました。

海外グループ会社についても、安全の方針・理念(ANZEN-FIRST)を共有した上で、各国の法規に対応した安全衛生活動を推進しています。また、2012年度から「全世界共通の安全文化の構築」を目指して「GLOBAL SAFETY MEETING」を開催しており、第8回目となる2019年度は17カ国18社の28名が安全活動好事例についての横展や当部「2025年ビジョン・ロードマップ」に基づいて新たな安全衛生管理の仕組みや教育体系に向けて活発な討議と勉強会を3日間実施し、今後のアクションプランを共有しました。

アフリカで活動する約150社の事業体においてトヨタグループの企業文化である「カイゼン」と「安全」活動を根付かせる活動をしております。

仕入れ先については、工事関係の「豊田通商豊田安全衛生協力会」と納品関係の「豊田通商納品安全衛生協力会」で、協力会社各社の安全管理向上および客先構内作業での無事故無災害を推進しております。会員会社は約550社で総会・安全大会・研修会などを通して安全意識の向上に努めています。
具体的には、工事関係ではロックアウト分科会を中心にロックアウトマスター教育を実施し、客先構内請負工事での安全管理を強化しています。
納品関係では、「ドライバー研修会」を開催して、会員会社のトラックドライバーに安全運転教育を実施しています。

労働災害発生件数・休業災害度数率

豊田通商では、グループ内で発生した労働災害は、「豊田通商グループ労働災害報告基準」に従い遅滞なく報告されており、災害発生の真因分析・再発防止対策は、全ての部署に展開され、類似災害発生の未然防止に役立てております。「ゼロ災害・ゼロ疾病」を究極の目標(理念)として努力を続けておりますが、「日々の弛まぬ安全活動の結果がゼロ災害に結び付く」との考えのもと、毎年の労働災害発生件数を前年実績の半減に抑える体制づくり、安全衛生文化の構築に取り組んでいます。(2020年度の目標は77としています。※今年度よりCFAO社傘下のアフリカの連結子会社の管理を追加するため、アフリカの連結子会社での件数を合計した実績値からの半減としています。)

2019年度(2019年4月~2020年3月)は2件の障害災害と61件の休業災害が発生しました。災害が発生するたびに労働災害報告基準に従って災害発生の真因分析と再発防止対策の実施を行っています。2件の障害災害はともに挟まれに起因しており、作業手順書の不遵守によるものでした。そのため作業手順書の見直しと従業員への教育で再発防止を講じています。
また休業災害の全体の50%を占める切創、転倒、挟まれについては、「転倒予防体操の紹介」等、個々の対策に取り組んでいます。

過去3年のグループ労働災害発生状況

  2017年度 2018年度 2019年度
目標 実績 目標 実績 目標 実績
国内 海外 合計 国内 海外 合計 国内 海外 合計
労働災害件数
(休業以上)
24 8 46 54 26 10 60 70 26 19 44 63
内 正規社員 6 41 47 3 56 59 13 43 56
内 非正規社員 2 5 7 7 4 11 6 1 7
休業災害度数率 0.23 0.82 - 0.28 1.05 - 0.6 0.62 -
  • 休業災害度数率:災害発生の頻度を表す指標。100万延べ実労働時間あたりの労働災害による死傷者数で算出
  • 2019年度労働災害休業度数率(厚生労働省 2019労働災害動向調査の概況より)
    ・全国平均値:1.80%
    ・業界平均値(事業規模100人以上の卸売業・小売業対象):2.09%
  • アフリカの連結子会社は除く

第三者認証

上記のパフォーマンスデータの一部はLloyd’s Register Quality Assurance(LRQA)による第三者認証を受けています。

LR 独立保証声明書(日本語版)[PDF形式:552KB]

LR 独立保証声明書(英語版)[PDF形式:615KB]

労働安全衛生に関するデュー・デリジェンス

投資事業工事の労働安全衛生審査を計画段階で実施しています。

工事が付帯する投資事業のうち、出資率が50%以上のものについては、新規・既存事業のリスク評価に労働安全衛生基準を明記し、計画段階から工事施工サイクルを監査することで安全管理体制を構築しているかを確認し、労働安全衛生リスクの低減に努めています。

安全推進室は、無事故・無災害で工事を完了するために、5つの安全施工サイクルが順調に機能するよう、発注者としての「安全配慮義務」に努めています。

5つの安全施工サイクル
  1. 1.新規入場者教育
  2. 2.作業指示の実施とKY(危険予知)の実施
  3. 3.安全パトロール
  4. 4.安全ミーティング
  5. 5.4S(整理・整頓・清潔・清掃)

安全衛生教育

安全管理の原点は「人づくり」であるとの考えに基づき、グループ社員はもちろん、仕入先さまをも対象として「豊田通商グループ安全衛生方針」に従った各種安全衛生教育を実施しています。下記の表にある4つの研修が労働安全衛生研修が、豊田通商における代表的な労働安全衛生です。

各営業本部の安全衛生意識向上と自立化につなげるべく各種教育を実施しています。各本部で安全活動を主導しているゼロ災害活動推進メンバーに対しては、「安全管理者選任時研修」を義務付け、安全意識の向上に努めており、2019年度は年3回開催、計45名が受講し、これまでの累計受講者数は1,300名以上に上ります。

また、新入社員、中堅社員、管理職、経営者のそれぞれに、階層別の安全衛生研修を実施し2019年度は延べ585名の方に受講頂きました。
仕入先さまにも安全体感道場で安全衛生教育を実施させて頂いております。

これら安全衛生教育を指導する講師は、豊田通商グループの事情を理解し、現場に即した対応ができるよう社内で育成されており、厚生労働省が認定する安全衛生教育の講師資格である「RSTトレーナー」や、トヨタグループの安全衛生責任者教育講師資格である職長教育講師資格「全豊田作業責任者専門講師」の資格を保有しています。

安全衛生関連の代表的な研修と受講者数(2019年度)

研修名 研修内容 受講者数
安全管理者選任時研修 安全管理者になるための法定教育 45名
階層別安全教育 豊田通商グループ安全衛生方針の説明と安全衛生管理の基本 585名
安全体感道場 危険体感設備を用いた危険感受性向上の教育(豊田通商・グループ会社・仕入先社員対象) 734名
トップ層安全衛生研修会 外部講師による安全衛生講話、勉強会(グループ会社・仕入先経営層) 300名

1.安全体感道場

水蒸気爆発の実演
水蒸気爆発の実演

危険への感受性を高めてもらうことを目的に、2010年度、豊田スチールセンター内に「安全体感道場」を設置しました。「挟まれ体感」「重量物体感」など55種の危険体感をシミュレーションでき、豊田通商、グループ会社の社員のほか、「安全衛生協力会」に参加している仕入先さまにも開放しています。

2019年度は取引先含め734名が利用しました。

2.オフィス安全体感教室

実例で学ぶオフィスのリスク
実例で学ぶオフィスのリスク

商社として事務所内での業務が多いことも鑑み、2016年度より「オフィス安全体感教室」を開講し、事務所で働く上での社員の安全意識向上にも取り組みを始めています。2019年度は、年15回開講、計143名が受講し、これまでグループ会社社員も含め、650名以上が受講しています。

3.安全情報の発信

豊田通商では、独自の電子掲示板で全社員に安全衛生情報を発信しています。
2009年3月に開設した電子掲示板「OSH※-NET」にて、安全衛生管理資料や災害事例、各種関係会議の議事録などの情報を一元化して発信していましたが、2017年「ANZEN-NET」に名称変更し、デザインの一新や随時情報を追加するなど更に使いやすさと内容の充実を図っています。
また、名古屋本社内に「ゼロ災コーナー」を設置し、豊田通商の安全管理の取組みや災害事例、教育内容など展示しています。同施設は、豊田通商・グループ各社に加え、お客様・仕入先の方々にも自由にご利用いただいています。

安全衛生へのさまざまな取り組みの情報を全社員が共有・理解し、全社を挙げた安全意識向上が図れるよう努めています。

  • OSH:Occupational Safety and Health(労働安全衛生)の略

豊田通商グループ「健康宣言」

健康経営優良法人2020

豊田通商は2021年、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「健康経営銘柄2021」に選定されました。2017年10月に経営トップより「豊田通商グループ健康宣言」を行い、社内外に当社の健康経営を推進する決意を発信しています。

豊田通商グループ 健康宣言

2017年10月

従業員の心身の健康は、会社の一番の財産です。
豊田通商グループは、従業員の多様性を尊重し、受容しながら、
誰もが安心して働ける職場環境の中、一人ひとりがいきいきと活躍し、
より良い仕事で社会に貢献することで、企業理念を実現し、価値創造企業となることを宣言します。

取締役社長 貸谷 伊知郎

健康経営のための3つの指針

従業員の健康

豊田通商グループは、従業員が、健康への意識と知識を持ち、自立的に自身の健康の保持・増進ができるようサポートします。

職場の活力の向上

豊田通商グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の尊重と受容)に基づき、多様な人材が、ひとり一人の働き方を尊重し合い、元気にいきいきと活躍できる職場環境づくりをサポートし、働き方改革等の実践を通じて、組織の活力とパフォーマンスの最大化をしていきます。

社会への貢献

豊田通商グループは、心身ともに健康な従業員ひとり一人の活躍により、世界各地での健全なビジネスや企業活動を通じて、かけがえのない未来のため、豊かな社会づくりに永続的に貢献していきます。

健康経営 推進体制

豊田通商グループは、国内および世界各国で活躍する従業員とその家族の安全と健康を第一と考え、健康経営を重要な経営課題ととらえています。従業員一人一人が生涯にわたり社会に貢献していくためには、自立的に自身の健康保持・増進を行えることが大切と考えています。そのため「ヘルスリテラシー向上」を最重要課題と設定し、最高責任者を取締役社長とし、推進責任者にCHROを任命し、人事部、健康管理室(産業医・保健師・看護師)、健康保険組合が協働し下記の体制で健康経営を推進します。

安全衛生担当であるCHRO(Chief Human Resources Officer)を議長として「安全衛生委員会」を月一回開催し、社員の安全衛生環境に関する協議を行っており、健康と安全に関するリスクについて、その重要性に基づき取締役会に報告する制度をとっています。「安全衛生委員会」には労働組合役員も従業員代表として参加し、従業員の健康推進や働きやすい環境について議論しています。

健康経営取り組みによる各種数値

2016
年度
2017
年度
2018
年度
2019
年度
2020
年度目標
定期健康診断受診率 100% 100% 100% 100% 100%
精密検査受診率 71.5% 67.1% 86.5% 94.9% 95%
ガン検診
受診率
ABC検診 - - 100% 100% 100%
便潜血 - - - 92.0% 100%
治療率 ※1 血圧 88.8% 87.6% 87.2% 90.2% 95%
血糖値 80.2% 75.9% 71.2% 78.3% 80%
肥満者率 BMI25
以上
全年代 21.3% 22.5% 23.2% 23.4% 23%
40歳未満 13.3% 13.9% 15.4% 17.3% 17%
喫煙率 合計 21.4% 20.8% 20.4% 20.8% 20%
30.9% 30.0% 29.8% 29.9% 29%
3.3% 3.5% 3.1% 3.1% 3%
運動習慣者比率 ※2 41.4% 46.2% 45.4% 46.2% 50%
「睡眠により十分休養が取れている」者の割合 63.4% 64.3% 67.0% 66.5% 70%
朝食摂取率 ※3 72.3% 73.4% 75.5% 74.9% 80%
ストレスチェック受診率 69.4% 79.7% 84.2% 88.4% 100%
高ストレス者率 7.4% 6.8% 8.2% 8.4% 8%
長時間労働 50Hを超える時間外労働勤務の発生率 4.3% 2.7% 2.8% 2.5% 2.3%
過重労働者産業医面談対象者の面談実施率 76.8% 88.7% 90.0% 93.5% 95%
年次有給休暇取得率 51.2% 55.6% 58.1% 60.6% 60%
感染症セミナー(累積人数) 1621人 2232人 2432人 2523人 2693人
アブセンティーズム(連続して7日以上私傷病で休んだ者の損失割合) 身体 0.34% 0.38% 0.24% 0.21% 0.2%
メンタル 0.36% 0.44% 0.40% 0.33% 0.3%
プレゼンティーズム(WHO-HPQ) - - - 35.4% 30%
医療費(1人当たり)国内 169,269円 166,975円 151,703円 151,361円 150,000円
  1. ※1治療対象者のうち治療を受けている者の割合
  2. ※2「1回30分以上の軽く汗のかく運動を週2日以上1年以上実施」または「日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施」に「はい」と回答した者の割合
  3. ※3「朝食を抜くことが週に3回以上ある」に「いいえ」と回答した者の割合

(総評)2017年度より、医療費、アブセンティーズム(身体・メンタルとも)が減少傾向。近年、従業員の平均年齢の上昇に伴い、生活習慣病予防に特に注力して活動してきた成果が出てきていると考えている。今後、医療費が上がる可能性も考えられるため、医療費の分析を適切に行い、投資を検討していく予定である。

健康促進施策

1. 従業員の健康

個別の保健指導、セミナー、検診機会の提供等を通し、従業員のヘルスリテラシー向上に努めています。

定期健診

2014年度より定期健診受診率100%を維持しています。従業員の平均年齢の上昇に伴い、2018年度より生活習慣病ハイリスク者に対する産業医面談、産業保健スタッフによる事後フォローを強化しました。精密検査受診率は年々向上し2019年度は94.9%、要治療者の治療率も上昇(血圧*190.2%、血糖*278.3%)しました。また、東京本社・大阪支店の社内診療所に加え、2020年度に、名古屋本社の提携診療所として名古屋ステーションクリニックに従業員専用時間を設け、受診アクセスの向上を図っています。

  • *1収縮期血圧160mmHgまたは拡張期血圧100mmHg以上の者。
  • *2HbA1c6.5以上かつ空腹時血糖126mg/dl以上の者。

生活習慣病対策

健康管理室では、新入社員研修による集合研修に加え、2018年度より健康セミナー、2019年度より毎年ウォーキングイベントを開催しています。個々のヘルスリテラシー向上を課題ととらえ、入社1,2年目面談に加え、2018年度より節目面談を開始し、個々のライフスタイルに合わせた生活習慣改善指導を行っています。結果、「運動習慣者率」「朝食欠食率」「就寝前非喫食率」は改善傾向、医療費も減少しつつあります。40歳未満の肥満者が増加傾向にあるため、2021年度より、40歳未満のハイリスク肥満者に対し、保健指導を開始予定です。

喫煙対策

男性喫煙率が高いことを課題ととらえ、2009年度より、禁煙外来の紹介など、喫煙対策を開始ました。2015年より段階的に喫煙室閉鎖を開始し、2020年4月より屋内喫煙室をすべて閉鎖しました。2019年度に喫煙セミナーを開催し、118名(喫煙者68%)が参加し、喫煙者の50%が禁煙したいと回答しました。また、2019年度より禁煙外来補助を開始し、21名が利用、76%の方が禁煙に成功しています。

がん対策

近年、がん罹患者が増加傾向にあり、がん予防に対する正しい知識の共有のため、2018年度より健康セミナーおよび産業医講話を行っています。健康保険組合と連携し、人間ドックによるがん検診の推奨に加え、2018年度定期健康診断時に全社員対象に胃がんリスク検診(ABC検診)、2019年度より40歳以上の全社員を対象に大腸がん検診(便潜血検査)を導入しました。ABC検診486名、大腸がん検診74名が要精密検査となり、それぞれ53%、69%が精密検査を受診しました。また、毎年10月は女性特有がん検診啓発月間として、がん検診の受診を推奨しています。

メンタルヘルス

2015年12月にストレスチェックの義務化に先立ち、2008年より「こころの健康診断」を実施し、高ストレス者への産業医面談を行ってきました。ストレスチェックは海外勤務者にも実施し、高ストレス者に対しては産業医面談に加え、社員及びご家族も利用できる外部相談窓口を設けています。また、職場へのフィードバックを行うとともに、メンタルヘルスマネジメント研修、傾聴力研修を実施しています。
当社の高ストレス者率は、2008年開始以降一貫して全国平均値、また同業社内平均値からも低い数値を保っています。しかし、近年その高ストレス者率が漸増傾向にあり、高ストレス者のプレゼンティーズム値が高い(高ストレス者48.5、非高ストレス者35.3)結果でした。高ストレス者率の改善が課題であり、2020年度より全管理職向にラインケア、全従業員にセルフケアを目的とした動画学習を実施しています。

2. 職場活力の向上

いきワク活動

この活動は、室・グループという小さな組織単位で行い、組織の成長のためにメンバー自身がテーマを考え、そこで決めたアクションに全員で取り組むものです。全員が意見を出し合い、メンバーのそれぞれの異なる価値観を受け止めながらの合意形成を大切にすることで自立的・自発的に物事に取り組む意識・風土を醸成することを目指しています。この活動の中から、新しい働き方への取り組みや、新規事業を考えるための勉強会など様々な取り組みが生まれ、職場の活力向上につながっています。またこの活動は関連会社への展開も開始しております。

タイムマネジメント

2017年より、朝型勤務を推奨する「Morning Win!」や早期退社を促す20時の社内一斉消灯、36協定上限の段階的な引き下げや従業員向けの労務管理知識向上、意識醸成を図ることで、長時間労働者の低減、残業削減に一定の効果を出しています。
また2020年度よりコアタイムの短縮を行い、また2020年10月より新在宅制度を制定することで、全社的にテレワークを推奨し、通勤時間・残業時間の削減によるワークライフバランスの実現や従業員がより柔軟に働ける環境整備を進めています。

3. 社会への貢献

当社では、海外勤務者が世界各地で安心して活躍し、業務を通じて社会貢献できるよう、従業員およびその家族に対し、感染症対策、医療サポートを行っています。

感染症対策

海外勤務者およびその家族に対して、赴任前セミナー、配偶者セミナーを開催し、感染症や現地での健康管理に対する知識を深めています。2017年度より海外勤務・出張の可能性のある従業員を対象に感染症セミナーを開始し、海外勤務者だけでなく帯同家族、海外出張者へも感染症予防ワクチンの積極的な接種を推奨しており、感染症による死亡者ゼロを維持しています。また、外務省、International-SOS社、Control Risk社等の情報をもとに、国内外の感染症の発生状況について最新情報を出張者や海外赴任者に知らせ、渡航先で必要となる予防接種など健康管理のサポートを行っています。

医療サポート

海外赴任前に産業医による赴任前面談を実施し、渡航可否判断および渡航前の体調管理を行うとともに、年1回の人間ドックを義務付け、人間ドック結果を受けて産業医から体調確認を行っています。健康管理室に相談窓口を置くとともに、本社および現地での医療アシスタント会社との連携や、EAPによる健康相談など、海外での医療サポートを行っております。例えば、サブサハラ・アフリカで深刻な社会問題となっているHIV/AIDSに対する取り組みを行っております。その脅威を取り除くために、同地域で働く従業員・家族向けにHIVやマラリアに対する予防、検査、治療を実施しています。
アフリカ全54カ国で事業を行うCFAO社では、「Health by CFAO」として、開発途上国での有病率が高いHIV、糖尿病、マラリア、高血圧、結核などの慢性疾患を対象として、啓発、予防、検査、ガイダンスなどの効果的な方法でこれらの疾患の解決に取り組んでいます。2019年には慢性疾患のキャンペーンを121回(内訳:HIV63回、糖尿病58回)主催し、12,115名にスクリーニング検査を実施しました。

新型コロナウイルス感染対策

当社では対策本部を設置し、移動管理と支援、物資対応、感染状況把握・個別対応、制度対応の4つのカテゴリーに分けて、単体約3,500名、国内外連結約66,000名の感染対策を行っています。
国内では、在宅勤務対応・出張制限を行うと同時に、産業医による正しい感染症知識の提供、単体各本部及び関連会社へのマスクやアルコール消毒液等の必要物資の調達と配布を行うことで、従業員を感染から守っています。感染者発生時の対応マニュアルも展開し、個別感染者対応をすることにより適切に感染拡大防止が図れる体制にしています。また安否確認システムを活用し、全社員に対して毎朝の健康状態確認を実施し、体調不良者に対して産業医から体調確認を行うことで従業員の不安を取り除く対応もしています。単体及び関連会社に対して健康管理室に相談窓口を開設し、健康相談がいつでもできる体制にもしています。

グローバルでは、退避ガイドライン等を整備し、各極と連携し海外勤務者の退避判断、再渡航管理等移動管理を徹底することで感染リスクからの回避を図っています。また海外の物資調達が厳しい地域・事業体にはマスク等に加え、食料等の緊急物資の送付も行うことで、現地従業員及び現地にステイせざるを得ない海外勤務者及び家族の支援をしています。また各国の感染状況を踏まえ、改めて産業医との面談機会を設定し不安や懸念点解消に努めています。

地域社会への貢献

豊田通商グループはビジネスを展開する活動場所のコミュニティへの貢献は、ともに持続可能な発展を目指す中で必要不可欠な要素であると考えています。
世界三大感染症の発生リスクが高い地域で事業を行っている企業として、地域住民の方も含めた予防に関する様々な活動を行っています。

例)
・世界三大感染症に関する啓発活動や予防活動を実施。予防と治療に関する情報を提供(避妊具の無料配布等)。
・保健機関の支援やHIVで孤児となった子どもたちの支援。

〈CFAOグループ DT DOBIEでの取り組み〉

サハラ以南のアフリカでは、2016年には一日1,000人以上がエイズで亡くなっていると言われています。ケニアで事業を展開するCFAOグループのDT DOBIE(ナイロビ、ケニア)では従業員と地域社会を対象にした健康プログラム(HIV、糖尿病、肥満、高血圧、癌のスクリーニングなど)を長年にわたって実施しています。
また、DT DOBIEでは2006年以来「Upendo village」を支援しています。「Upendo village」は学校に通う子供たちにHIVやエイズの知識を広める活動や母子感染リスクの低下、HIV&AIDSのパンデミックに対応する医療機関の能力強化など様々な活動を行っています。
2020年にはCFAO グループと共同でHIV&AIDSの脅威に晒されている地域であるナイバシャの貧困家庭に高耐水性の水タンクと雨水貯留システムを寄贈しました。