英国イミンガム港で水素を活用した港湾の脱炭素化プロジェクトを開始

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2021年10月05日

Toyota Tsusho UK Ltd.(豊田通商U.K、以下:TTUK)は、欧州ガス・電力事業最大手のUniper(本社:ドイツ、以下:ユニパー社)、エネルギー事業大手のSiemens Energy UK&I(本社:ドイツ、以下:シーメンス・エナジー社)、港湾の管理・運営などを手掛けるAssociated British Ports(本社:英国、以下:ABP社)と共同で、英国政府の補助金事業「Clean Maritime Demonstration Competition」に採択された英国イミンガム港(Immingham港)で水素を活用した脱炭素化プロジェクト(名称:プロジェクトメイフラワー、以下:本プロジェクト)を、2021年9月より開始しました。

1. 背景

G7で初めてCO2排出ゼロを法制化した英国では、2035年までに温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下:GHG)を1990年比で78%削減、2050年までにネット排出量ゼロ実現を掲げています。事業分野別のGHG排出量では、Transport(港湾を含む輸送分野)が30%※1で最も大きな割合を占めています。今年11月には同国で第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が開催されることも見据え、補助金事業の推進なども含め産業界とも連携しながら積極的にGHG削減に取り組んでいます。

2. 本プロジェクトについて

水素を活用した港湾での脱炭素モデルの構築に向けて、英国最大の貨物量を扱うイミンガム港で、水素の製造、供給、利用における技術的および経済的な実現可能性を検証し、将来の事業化に向けた計画の策定を目指します。具体的には、ディーゼルや重油を動力源とする港湾荷役機材の水素燃料電池化(以下:FC化)に向けて、水素の製造、輸送、貯蔵の可能性を検証します。

本プロジェクトは、ユニパー社、シーメンス・エナジー社、ABP社、TTUKの4社のコンソーシアムで推進します。ユニパー社は、再生可能エネルギーを電力として活用し、シーメンス・エナジー社が手掛ける最先端の電気分解装置で、グリーン水素※2の製造に向けて、本プロジェクトの技術評価をリードします。また、ABP社は、イミンガム港を含む英国内21の港を運営している知見を生かし、港湾での水素活用をサポートします。

豊田通商グループは、2020年9月より、米国LA港でFC化に向けた地産地消モデルの調査※3に取り組んでおり、港湾の脱炭素化のノウハウを最大限発揮しながら港湾設備や水素充填などのインフラの整備やGHG削減量などの評価を行う予定です。

2021年9月から2022年3月まで実現可能性の調査を実施し、2022年以降に、資金面の確保を含めた事業化の検討を行い、2025年までにイミンガム港で使用するグリーン水素 20MWの製造を含む商用化を目指して本プロジェクトを進めていく計画です。

豊田通商グループは、産業ライフサイクルを通じてGHG削減に貢献する事業を加速し、カーボンニュートラルへの取り組みを推進することで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。

[イミンガム港 地図]
[英国 最大の貨物量を扱うイミンガム港]

■本件に関連する当社サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

<社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題>



※1 英国統計局による2020年のGHG排出データを参照

※2 グリーン水素
再生可能エネルギーの電力で、水電解(水を分解して、水素と酸素を製造する方法)し、水素を製造する方法。
再生可能エネルギーの電力を使うことから、GHGが排出されない。

※3 米国LA港でFC化に向けた地産地消モデルの調査
・2020年10月14日発表:米国LA港で、大型港湾機材のFC化に向けた水素の地産地消モデルの実現可能性調査を開始
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/201014_004695.html

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