自社ビルを活用した再生可能エネルギーのマネジメント実証を実施

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2021年04月07日

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は、Goal connect株式会社(以下、GC社)、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東電PG)、NExT-e Solutions株式会社(以下、NExT-eS社)などと協業し、自社ビルの豊田支店において、太陽光発電、蓄電池、EMS※1を導入し、再生可能エネルギー(以下、再エネ)のマネジメント実証を実施しました。2020年12月から2021年3月までの約4ヶ月間の実証で、同支店の電気料金削減、使用電力の再エネ利用率の向上、災害発生時などの停電を想定したBCPの強化が見込まれることを確認しました。今後、追加の実証を実施するとともに、企業、ビル向けのエネルギーマネジメントのパッケージとして事業化を目指します。

背景

近年、世界的に、気候変動による影響が拡大し、地球環境保全のために、さらなる再エネの普及が求められています。国際イニシアチブ「RE100※2」に参加する企業や団体も年々増加しているほか、SDGsの取り組みへの関心も高まっています。また、日本政府は2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を発表し、国内においても、企業活動の中で、事業所や工場単位における再エネの利用率向上に向けた取り組みが増えています。

主な取り組みとして、①再エネ由来電力の調達、②非化石証書などのJ-クレジット※3の調達、③自社での設備導入による自家消費の3つの選択肢がある中、③においては、設備コストの課題や、最適なエネルギーマネジメント方法が確立されておらず、普及していないことが現状の課題となっています。

実証の概要・結果

豊田通商は、自社ビルである豊田支店を実証サイトとして、屋上および駐車場に設置した太陽光パネルで発電した電力を、使用済みの車載用電池を用いた蓄電システムに貯めて、最適に利用していくモデルの実証を実施しました。特に、蓄電システムは、東電PGとNExT-eS社の協力を得て、使用済みの車載用電池をリユースした蓄電池を導入し、種類や容量、新品・中古に関わらず組み合わせて利用できる蓄電システムを開発し、活用しました。また、エネルギーマネジメントのコアとなる、EMSにはGC社の予測・機械学習のソリューションを採用し、エネルギーの需給バランスのコントロールを行いました。

2020年12月から2021年3月までの実証で、豊田支店の消費電力を最大で 50kW抑制しつつ、再エネの利用率を最大で年間約20%※4まで向上させることが見込まれる結果となりました。また、蓄電池を導入することで、災害などの停電時の非常用電源として、最大で約1週間程度の電力を賄えられることも確認しました。さらに今回の実証を通して、再エネ由来電力の調達比率を高めるとともに、その自家消費分をJ-クレジットとして販売検討するなど、追加で「環境価値」の創出が可能であることも確認できました。

今回の取り組みは、事業所単位で必要な設備の導入による地産地消のモデルを提案する一例となります。今後、実証で得られた知見を生かし、再エネの利用率向上に向けたエネルギーマネジメントのソリューションを提供し、事業化を進めていきます。

豊田通商は、革新的な技術を活用し、再エネを最大限活用するモデルを構築し、普及に努めることで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。

[豊田支店エネルギーマネジメント実証モデル]


豊田支店外観 蓄電システム
(ESS:Energy Storage System)


1 EMSEnergy Management System:エネルギーマネジメントシステム)
   エネルギー使用状況を可視化し、管理、分析、制御などの全般的なエネルギーマネジメントを行うシステム

※2 RE100
企業活動によって生じる環境負荷を低減させるために設立された、国際的な環境イニシアチブ

※3 J-クレジット
再生可能エネルギーの活用などの取り組みによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を 「クレジット」として国が認証する制度

※4 約4ヶ月間の実証結果をもとに年間での再エネ利用率を算出

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