水稲生産技術研究所がハイブリッドライス採種方法の特許を取得
~画期的な採種方法により、種子収量増加と採種農家の工数を削減~
- (旧)食料・生活産業
2020年01月08日
豊田通商株式会社(以下、豊田通商)が出資する水稲種子開発企業「株式会社水稲生産技術研究所」(以下、水稲研)が、ハイブリッドライスの効率的な採種法に関する特許を11月1日に取得しました。
ハイブリッドライスの特徴と課題
二つの系統を交配させて生まれるハイブリッドライスは、従来型の品種に比べて食味や収量の向上など有用な性質を持たせることができます。しかしながら二つの親系統を交配させて採種するため、種子の収量低下や、ハイブリッドライスにならない花粉親系統の種子が混ざりやすい、という課題がありました。
水稲研では、これらの課題解決につながる効率的な採種方法を発明し、ハイブリッドライスの種子収量を増やすことに成功しました。またこれにより、採種工程の工数削減も期待できます。
特許の概要
・発明の名称
ハイブリッドライス採種のための栽培方法
・発明のポイント
従来ハイブリッドライスの採種方法では、二つの親系統の苗を交互に植えていました(下記図、①列植栽培を参照)。この手法では、花粉親系統の種子が混ざりにくくなる反面、両系統間の距離が遠い箇所ができ、受粉効率が低下するという課題がありました。
今回の発明は、二つの親系統を混ぜて植えることで両系統間の距離を短くし、受粉効率を上げることで収量を増加させます(下記図、②混植栽培を参照)。
列植栽培(従来の採種法)と混植栽培(特許取得方法)の違い
これまで混植栽培ができなかった理由は、収穫後に、ハイブリッドライス種子と花粉親種子を分けることができなかったためですが、今回特殊な選別機を利用することで、選別が可能となり、高純度な種子の生産が可能となりました。
また列植栽培では、栽培管理や稲刈りなどの作業を系統別に行う必要があるため、工数がかかりました。これに対し混植栽培では、栽培管理や稲刈りを系統別に行う必要がなく、通常のコメ生産と実質同じ手法で作業できるため、生産農家の負担が大幅に少なくなります。
豊田通商および水稲研は、当特許技術を用いることでハイブリッドライスの採種効率を上げ、自社ブランド米「しきゆたか」の普及をはじめ、日本のコメ農家の生産拡大に貢献していきます。
株式会社水稲生産技術研究所 概要
会社名
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株式会社 水稲生産技術研究所 |
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代表者
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代表取締役 地主 建志 |
所在地
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愛知県豊明市阿野町違井20-1 |
事業内容
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・水稲新品種の開発 ・水稲ハイブリッド品種種子の生産と販売 ・水稲自殖品種種子の生産と販売 |
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