中国におけるリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)製造会社への出資
~電動車普及のキーとなるバッテリー領域事業の拡大へ~

  • 化学品・エレクトロニクス

2022年09月12日

豊田通商株式会社(以下:豊田通商)は、豊田通商(上海)有限公司(以下:豊通上海)を通して、湖南福邦新材料有限公司(以下:湖南福邦)へ株式会社日本触媒(以下:日本触媒)と共同で資本参画することに合意しました。

電気自動車をはじめとする電動車の普及が加速することに伴い、リチウムイオン電池の需要が高まっています。リチウムイオン電池の電解質として使用されるリチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI: リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)は、低温高温時の性能や寿命などの課題解決が可能であるため、需要が急拡大しています。

このたび豊田通商は、グローバルな販売網を生かして湖南福邦で生産されるLiFSIを中国のみならず、日本、アジア、欧州の電解液メーカーへの販売を進めていきます。今回の出資先である湖南福邦は、2022年下期から1,200t/年の生産能力でLiFSIの生産を開始しました。急拡大する市場の需要増に応えるため、今後段階的に生産能力を増強し、2025年に12,000t/年の生産を目指します。

豊田通商グループは、2021年7月、2030年までに2019年比で温室効果ガス(以下:GHG)排出量50%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を公表し、同年11月に、「カーボンニュートラルロードマップ2030」を策定しました。当社グループは、GHG削減に貢献する事業の推進を重要な戦略として位置付けています。その中で、車載用電池関連ビジネスを次世代に向けた成長の柱として捉え、川上であるリチウム資源開発事業から川下の電池製造事業、電池リユース・リビルト事業などリチウムイオン電池サプライチェーン全体でビジネスを展開しており、またグローバルでの販売網を保有することによって、カーボンニュートラルへの取り組みを推進し、脱炭素社会への移行に貢献していきます。

湖南福邦 概要

会社名
湖南福邦新材料有限公司 (Hunan Fluopont New Materials Co., Ltd.)
所在地
中華人民共和国 湖南省衡陽市
設立
2018年
株主

Capchem 51.19%、日本触媒38.0%、豊通上海 5.5%
長沙鑫聯華源新能源合伙企業(湖南福邦幹部社員による持株会)5.31%

代表者
周艾平
事業概要
リチウムイオン電池用電解質LiFSIの製造・販売


湖南福邦新材料有限公司は、世界第2位のリチウムイオン電池電解液メーカー大手の深圳新宙邦科技股份有限公司
(英名:Shenzhen CAPCHEM Technology Co. Ltd.)の子会社であり、リチウムイオン電池用電解質リチウム塩(LiFSI)を製造しています。今回の出資金(第三者割当増資)は、日本触媒:201,769,912人民元(40.4億円)、豊通上海:29,203,539人民元(5.8億円)です。 ※20円/人民元前提

日本触媒 概要

会社名
株式会社 日本触媒
所在地
大阪府大阪市中央区高麗橋4-1-1 興銀ビル
設立
1941年
代表者
野田和宏
資本金
25,038百万円 (2022年3月末)
事業概要
基礎化学品(アクリル酸、酸化エチレンなど)、機能性化学品(高吸水性樹脂、液晶ディスプレイ材料、コンクリート混和剤用ポリマーなど)、環境・触媒関連製品(燃料電池材料、自動車触媒など)の製造・販売

本件に関連する当社サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

<社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題>
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