豪州での準天頂衛星システムを活用した自動運転車の実証実験開始へ
~経済産業省 平成30年度「衛星データ統合活用実証事業」採択案件~

豊田通商株式会社(以下「豊田通商」)は、豪州における準天頂衛星システムを活用した自運転実証事業(以下「本事業」)につき、12月に実証実験を開始しました。本事業は、経済産業省 平成30年度「衛星データ統合活用実証事業」採択案件です。

1.背景

日本版GPSといわれる準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」*1は、本年11月1日、4機体制の本格運用を開始しました。高精度な衛星測位が可能になり、産業用、民生用共に高精度測位の需要が拡大することが期待されています。また、衛星から得られるデータを活用する宇宙利用産業は、転換期を迎えており、世界全体で競争が進んでいます。このような環境下、衛星データと地上データを組み合わせて活用することで、さまざまな課題へのソリューションや産業競争力強化につながる、将来的なビジネスを見据えたアプリケーションを創出することが重要とされています。

2.実証事業の目的

本事業では、日本のインフラである「みちびき」と「MADOCA」*2や、地上データである「高精度3D地図」などをオールジャパン体制で活用します。準天頂衛星システムの軌道エリアに含まれるアジア・オセアニア地域が抱える物流などにおける課題を、現地企業と協力し解決を目指します。

3.実証事業概要

本事業の概要は以下の通りです。

衛星データである「みちびき」「MADOCA」と地上データである「高精度3D地図」を利用した、自動運転車への適用、ならびに走行車両のデータの収集・解析などを行う統合管制システムの検証
本事業を通じた、高精度衛星測位技術を活用した自動運転車の新たなビジネスモデルの構築

実証事業期間
2018年8月~2019年2月(予定)
現地実証実験期間
2018年12月
実証地
豪州ビクトリア州アルトナノース市(メルボルン市近郊)

実証システム構成概要

3.豊田通商の準天頂衛星システム「みちびき」を活用した取り組み

豊田通商は、「みちびき」を活用したセンチメートル級の「高精度衛星測位ビジネス」市場の拡大に

取り組んでいます。

2017年度には、JETRO「日ASEAN新産業創出実証事業」第二回公募採択案件として、車線単位の高精度ルートガイダンスシステムの実用化実証実験をタイ王国バンコク市で実施しました。

また、豊田通商は、高精度測位技術を活用した事業領域における協業を目的に、マゼランシステムズジャパン株式会社およびグローバル測位サービス株式会社に出資し、衛星測位を構成する3領域(衛星領域・地上領域・ユーザー領域)のうち地上領域とユーザー領域の二つの領域に参画しています。

豊田通商は、「高精度衛星測位ビジネス」市場の拡大を通して、安心・安全で経済的な道路交通社会の実現や、さまざまな産業における高齢化・労働力不足などの社会課題の解決に貢献します。

【ご参考】

主な参加団体と本実証事業における役割

団体名
役割
豊田通商グループ
(右)内容
豊田通商株式会社
実施主体
TT Logistics (Australasia) Pty. Ltd.
豪州企業統括、現地作業のサポート
株式会社ネクスティ エレクトロニクス
TOYOTA TSUSHO NEXTY ELECTRONICS (THAILAND) CO., LTD.
管制システムの開発
株式会社日本総合研究所 プロジェクト管理支援
準天頂衛星・自動運転に係るアドバイザリー
慶應義塾大学 SFC研究所 大前研究室 自動運転車の提供、高精度測位技術・高精度地図の適用
三菱電機株式会社 高精度3D地図作成の統括
高精度3D地図作製用機器の提供
ダイナミックマップ基盤株式会社 高精度3D地図の整備
マゼランシステムズジャパン株式会社 高精度マルチGNSS受信機提供
測位精度検証
グローバル測位サービス株式会社 補正データのインターネット配信サーバ構築・運用
補正データを利用する測位の技術検証


*1 みちびき:
準天頂衛星システムQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)。準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システム(衛星からの電波によって位置情報を計算するシステム)。
*2 MADOCA (Multi-GNSS Advanced Demonstration tool for Orbit and Clock Analysis):
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した衛星信号補正データ生成システム。複数GNSS*3対応の精密軌道クロック推定ソフトウエア。

戻る