BHP、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ、豊田通商がニッケルの供給で覚書を締結

  • 金属

2021年10月04日

世界的資源会社であるBHP、車載用リチウムイオン電池をリードするプライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社(以下:PPES)、トヨタグループの商社である豊田通商株式会社(以下:豊田通商)は、電池サプライチェーンのサステナビリティ、リサイクル、トレーサビリティの向上を目的とした「グリーンニッケルサプライチェーンおよび電動車エコシステム」について、9月28日に覚書を締結しました。

本覚書は、BHPが新しく硫酸ニッケル設備を導入したオーストラリア西部のNickel West Asset(以下:NiW)工場で生産される硫酸ニッケルを、PPESへ供給することをはじめとする協業戦略立案について、3社が合意し締結されたものです。これによりPPESは、トヨタ自動車を含む電動車メーカー向けの、より温暖化排出ガスを削減した電池の開発が可能となります。

BHP、PPES、豊田通商は、電池バリューチェーンにおける温暖化排出ガス削減により、よりサステナブルな電池サプライチェーンの構築を検討することで合意しました。また、原材料のトレーサビリティ、サプライチェーンにおける企業倫理および人権を尊重する企業の責任についても協議検討します。

加えて、3社は、電池スクラップおよび使用済み電池のリサイクルに関して、NiW工場での工程を活用する方法について検討します。

また、Toyota Motor Corporation Australia(以下:TMCA)とNiWは、2020年12月に、鉱山用電動車の試験納入を成功させており、今後も協働していく予定です。

BHPの Chief Commercial Officerである Vandita Pantは、「The Green EV Ecosystemの構築は、電池サプライチェーンに本当の変革をもたらす可能性があります。PPESとTTCと共に、新しい基準の提案、および排出ガスを削減することにより、サステナブルで透明性のある産業を創造する新しいステップを踏み出したと考えています。PPESへの硫酸ニッケル供給は、長期的で持続的な取り組みになると考えており、今回のパートナーシップを光栄に思います。」と語りました。


PPESの社長である好田博昭は、「同じ価値観を共有でき、"One Team"として、脱炭素社会に向けて業界を主導できることになり光栄です。重複のあるバリューチェーンを我々の関係者と共に、絶え間ない改善を実施することで最適化し、より競争力強化につなげます。これを実現するためにも、Kaizenの概念を紹介させていただき一緒にサプライチェーンスルーで活動したり、カーボンフットプリントの削減に取り組みたいと考えています。また、鉱山用電動車供給についても、同様に考えます。われわれのパートナーシップは唯一無二で強固なものであり、Win-Winの関係を構築した、環境に優しく、また、競争力のある取り組みになります。」と語りました。

豊田通商の金属本部COOである片山昌治は、「この覚書が強固なパートナーシップを築き、カーボンニュートラル社会に貢献できることを光栄に思います。このパートナーシップは、非常に大きな可能性を秘めており、未来の電動化社会へのシフトにおいて、競争力のある原材料確保ならびに使用済みバッテリーにおける資源循環の観点から、大きな意味を持つと考えています。未来の子供たちへより良い地球環境を届けるというわれわれのゴールを達成するために、共に働けることを楽しみにしています。」と語りました。

BHPのNiW Asset のPresidentであるJessica Farrellは、「車載用電池のニッケル需要は、電動化シフトにより、これからの10年間で500%を超える成長が見込まれます。われわれは、NiWの設備投資および電力供給契約により、世界有数のサステナブルかつ排出ガスが少ないニッケルを、お客さまにご提供することができます。事業を通じて電動車の使用を増やすことにより、われわれのサステナビリティに向けた取り組みをさらに前進できると考えており、協業できることを楽しみにしています。」と語りました。

ご参考

○BHP
1885年創立の鉱物、石油・ガスの採掘と加工を行う世界有数の資源会社。主にオーストラリアと北米・南米でグループ社員および関係者約80,000人が従事。世界中に販売を行っており、マーケティング及び販売はシンガポールとアメリカのヒューストンが基盤。

本社
メルボルン、オーストラリア
CEO
マイク・ヘンリー
ホームページ
www.bhp.com
(Nickel West Assetおよび気候変動に関するBHPの取り組みの詳細についてはこのホームページ内に記載)



○プライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社
トヨタ自動車株式会社とパナソニック株式会社による車載用角形電池の合弁会社として設立、2020年4月操業開始(出資比率トヨタ51%、パナソニック49%)。

主な事業内容
車載用角形リチウムイオン電池の開発・製造・販売、その他
本社
東京都中央区
代表取締役社長
好田 博昭
ホームページ
https://www.p2enesol.com



○豊田通商株式会社
1948年にトヨタグループの商社として設立、7つの営業本部(金属、グローバル部品・ロジスティクス、自動車、機械・エネルギー・プラントプロジェクト、化学品・エレクトロニクス、食料・生活産業、アフリカ)を有し、世界約120カ国で、グループ社員約64,000名が事業に従事。

主な事業内容
各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務 など
本社
愛知県名古屋市
代表取締役社長
貸谷 伊知郎
ホームページ
https://www.toyota-tsusho.com/

リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。