インド医薬品卸SKITES PHARMAへ出資
~病院周辺事業に進出し、医薬品流通の集約化・効率化を実現~

  • 食料・生活産業

2021年04月09日

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は、医薬品流通の集約化・効率化を進め、必要な医薬品をタイムリーに病院・薬局へ届ける仕組みを構築することを目的に、2021年3月26日にインド医薬品卸のSKITES PHARMA Private Limited(スカイツ ファーマ、以下、SKITES)へ出資しました。

1.背景

世界11位の医薬品市場を持つインドは、医薬品製造業が盛んであることに加え、昨今の医療水準の高まりの影響も受けて、さらなる市場の成長が期待されています。一方、インドの医薬品卸は、同族経営の中小企業が多く、その数は6万5000社を超えています。そのため、1社の医薬品卸からの購買では医薬品の種類、数量共に限界があり、病院側は多数の医薬品卸から購買しなければならず、発注工数の増加や在庫管理が複雑化するなどの課題があります。

2.出資先について

2017年に設立したSKITESは、自社倉庫、ITインフラ、コールドチェーンを完備した医薬品卸です。他の医薬品卸と異なり、約2万2000種類に及ぶ多数の医薬品を取り扱えることが強みで、薬局、病院など約6000の顧客に対して、医薬品を効率的に販売・提供しています。インドでは、2017年に、GST※が導入され、各州で異なる税体系が改善されたこともあり、SKITESのような大手医薬品卸が州を越えて顧客を獲得しやすくなり、市場シェアが集約化され、今後、医薬品卸業者の統廃合が予見されています。

3.出資の意義

豊田通商は、2014年にセコム医療システム株式会社と共に、インドでSAKRA WORLD HOSPITALを開業、病院運営事業に進出し、医薬品在庫管理などの病院運営改善ノウハウを蓄積してきました。

SKITESへの出資は、医薬品の買い手である病院側のニーズを把握した豊田通商が、売り手である医薬品卸と協業することにより、病院側の目線で医薬品流通の集約化・効率化を実現します。そして病院周辺事業に進出することで、従来培ってきた病院の運営改善ノウハウと、今回新しく手にする病院周辺事業の改善ノウハウをパッケージ化し、他の病院へ事業を展開することも検討しています。さらに、豊田通商グループが運営するアフリカの医薬品卸Eurapharmaへのインドからの医薬品輸出なども検討し、インド国内外での医薬品販売機会の創出を視野に入れています。

豊田通商は、病院運営および病院周辺事業への進出を通じて、病院事業の効率化を進め、一人でも多くの人に医療サービスを提供できる社会を創出することで、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献していきます。



※GST(Goods and Services Tax):
2017年7月に新しく導入された間接税。以前は、中央政府と州政府それぞれが複雑な間接税を課しており、州境において入境税も必要だったため、インドのサプライチェーンを非効率なものにする原因となっていた。

会社概要

会社名
SKITES PHARMA Private Limited
所在地
インド ムンバイ
代表者
Rohan Shah
設立
2017年
事業内容
医薬品卸業




SKITES倉庫


SKITESでの医薬品パッケージングの様子

リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
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