2021年 社長年頭 社員向けメッセージ

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2021年01月05日

皆さん、あけましておめでとうございます。

年頭に当たり、世界各地の豊田通商グループ社員、そしてご家族の皆さんに謹んで新年のお慶びを申し上げます。新しい年、2021年を迎えるに当たり、昨年の振り返りと当社の持続的な成長のために取り組むべきことについてお話をさせていただきます。

まずは、昨年の振り返りです。
新型コロナウイルスが猛威を振るいはじめ、約1年が経過しました。感染者はいまだ増加し続けており、私たちの日々の生活へ甚大な影響をもたらしています。世界中の都市・地域で、さらなる感染者の増加を抑えるため「緊急事態宣言」「非常事態宣言」の発令、「ロックダウン」が繰り返されており、我々は忍び寄るウイルスから身を守るために、外出や移動を極力制限した、不自由な生活が続いています。昨年、豊田通商グループの仲間においても、ご本人、或いはそのご家族の尊い命が奪われました。ここに、亡くなられた仲間への哀悼の意を表するとともに、そのご家族、ご友人に心よりお見舞いを申し上げます。

また昨年は、社会、経済のさまざまな場面で「分断」と「連帯」を意識させられる一年ともなりました。米国の大統領選挙、欧州のBrexit(ブレグジット)、米中貿易摩擦、世界各地での暴動・武力衝突など、これまでの対立構造が深刻化し、一定の価値観を共有していたはずの関係においても「分断」が進んだ出来事がありました。その一方で、コロナウイルスに打ち勝つための国際的な連携や支援、地球温暖化への取り組みの加速など、新たな「連帯」も進展しました。

さて、昨年5月1日に開催した先期(2020年3月期)決算の社内報告会で、私から皆さんに「今年は、我々を含め世界中の全ての企業が ポスト・コロナ時代の「成長」と「衰退」を明確に二分する分岐点に直面するだろう」と申し上げました。コロナ禍の厳しい環境下でのビジネス活動を通じ、我々が「成長」するために必要なものは何か、あるいは、今後当社として強化すべきことは何かを考えていくに当たり、さまざまな気付きがありました。

まず、サプライチェーンを守り抜く当社の強い意志と、それを実現する確かなBCPの仕組みです。影響を予見し、先回り対応をすることで、お客さまの生産への影響を最小限に抑えることができました。まさに"豊田通商らしさ"である「縁の下の力持ち」を体現したものでした。今後もサプライチェーンの弾力性確保や代替案の準備など、さらなる進化を遂げていきましょう。次に、電力・エネルギー、インフラ、物流、IT、保険、食料、ヘルスケアなど、人々の生活・社会の基盤をなす領域、いわゆる「エコノミー・オブ・ライフ」に関わるビジネスが、経済環境変化への耐性が強いということがわかりました。そして、新しい「働き方」への対応です。出社制限がかけられ、移動制限で出張や赴任が滞る中でも、デジタルツールの活用により、リモート下でも一定のレベルで業務の継続が可能であることがわかりました。その中で、出張や赴任に頼らず、ビジネスを現地・現物で完結させることの必要性、そのために現地人材の育成、登用が待ったなし、ということも再認識させられました。

これらの気付きを踏まえ、ウィズコロナ・ポストコロナの世界で当社が持続的に成長するために取り組むべきことが3つあります。

1つ目は、我々自身が日々の現場で磨き上げ、"豊田通商らしさ"に昇華させてきたオペレーショナル・エクセレンスをさらに高め、ビジネスの付加価値の最大化を「徹底」することです。特に、デジタル技術は日進月歩で進化し、優位性がある技術を容易に利活用できる環境になってきており、それら技術を既存ビジネスの変革や、異次元のオペレーションコスト見直しのためのツールとして活用することで、お客さま・パートナーと共に成長する機会としていきましょう。「デジタル元年」を宣言した2019年から2年が経過しました。結果を出す段階に来ています。一部の専任組織任せではなく、一人一人が一人称で、デジタル技術の活用に真剣に取り組んでいってください。

2つ目は、マテリアリティへの取り組みを「加速」することです。マテリアリティにつながる4つの分野、「ネクストモビリティ」「再生可能エネルギー」「循環型静脈事業」「アフリカ」への取り組みに、経営資源を集中していきます。我々が4つの分野でこれまで取り組み、積み上げてきたものを信じ、積極果敢にチャレンジしましょう。また、この4つの分野以外のビジネスについても、"豊田通商らしさ"と圧倒的な強み、すなわち"Be the Right ONE"が発揮できるよう磨きをかけ、しっかりと育てていきましょう。当社の今期、2021年3月期上半期決算は、売上総利益が16%減益となりましたが、先ほど述べた「エコノミー・オブ・ライフ」に関わる領域は4%の増益となり、全社業績の下支えとなりました。今後も意志を持って、環境変化に適応する事業ポートフォリオを作り込んでいきたいと思います。

3つ目は、これら取り組みを実行するのは「人」であり、またその集合体である「組織」です。お伝えしているとおり、我々一人一人が「プロフェッショナル」として誰にも負けないくらいの専門性を高め、人としての幅・魅力を広げ・深め、「強い個」を目指す必要があります。そのためには、時間の使い方や働く場所の最適化などの「働き方」も重要となってきます。会社としては、多様な働き方をサポートする制度や、働きやすい快適なオフィス、創造性を促進する環境を整備していきます。そして、「強い個」をチームパワーで結集し「強い組織」に「変化」させるべく、各組織でチームパワーを最大限発揮できる仕事の進め方、最適なコミュニケーション方法を追求していってください。

最後に、新型コロナウイルスの影響は今後も続くと思いますが、2021年は、当社の今後の持続的な成長に向け、「豊田通商グループ一丸となって突き進む」一年としましょう。戦略を実行する皆さんがベストを尽くしチャレンジできるよう、また、安心して仕事に邁進できるよう、会社は全面的にサポートします。本年も皆さんとご家族が健康で笑顔と幸せの多い一年となるよう祈念し、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

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