豊田通商株式会社（以下、豊田通商）は、エジプトの電機大手Elsewedy Electric S.A.E.と共同で、エジプト電力・再生可能エネルギー省傘下のエジプト電力持株会社（Egyptian Electricity Holding Company）および北カイロ配電公社（North Cairo Electricity Distribution Company）より、配電システムの高度化事業を受注しました。受注額は約100億円で、日本政府が国際協力機構（JICA）を通じて実施する有償資金協力によって資金供与されます。2023年半ばに本システムの稼働を予定しています。

エジプトでは、近年の経済成長に伴い増加する電力需要を賄うため、この4年で発電設備容量を35GWから58GWへ増強しています。一方で、旺盛な電力需要に対して、安定的に電力供給を行うための送配電設備の増強が急務であり、配電システムの更新・高度化によるエネルギーの効率化が求められています。

本事業は、北カイロ配電公社が管轄する地域において配電システムの整備を行います。主要設備として日立ABBパワーグリッド社製の高度配電管理システムを導入するほか、老朽化した既設の配電設備の更新、および約50万台の電力量計をスマートメーター化します。これにより遠隔での制御・監視が可能となり、大規模停電の軽減と盗電を含む配電ロスの削減効果が期待され、電力供給の安定化と効率化に寄与します。

豊田通商は、エジプトを重要市場のひとつと位置づけ、今後もエジプトのインフラ整備に積極的に取り組み、 同国の経済発展に貢献していきます。

当社は、合併前の旧トーメンが1922年にエジプトからの綿花輸入を開始して以来、100年近くにわたり、様々なビジネスを展開してきました。特に、電力分野においては、1983年に発電所機材納入事業を受注して以来、日本企業としては最大の2800億円を超える電力事業に携わってきました。近年では、同国の再生可能エネルギーシフトに応えるべく、262.5MWの風力発電所の商業運転を2019年10月に開始しました。