2020年 社長年頭 社員向けメッセージ

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2020年01月06日

皆さん、あけましておめでとうございます。
年頭にあたり、世界各地の豊田通商グループ社員、そしてご家族の皆さんに謹んで新年のお慶びを申し上げます。新しい年、そして2020年代を迎えるにあたり、昨年の振り返りと今年皆さんにお願いしたいことについてお話をさせていただきます。

まず、昨年の振り返りです。
昨年、日本は平成から令和へと変わり、新しい時代の幕開けとなりました。この節目に、われわれを取り巻く環境は著しく変化をしています。長期化する米中貿易摩擦、ブレグジット、欧州経済の混乱や、新興国経済の混迷、中東情勢の先行き不安などの、さまざまなリスクが拡大しわれわれのビジネスへの影響が顕在化しはじめた一年でした。世界的な景気後退の懸念も経済指標に表れはじめており、例えばIMFが昨年10月16日に公表した2019年の世界経済成長率の見通しは前回 (7月) から0.2%下方修正され、リーマンショック以降では最低となる3.0%と予測されています。

このような不透明な経済情勢の中でも、当社の今期 (2020年3月期) 業績目標は4期連続での最高益となる、純利益1,500億円を目指しています。その過程において、皆さんには「着実に稼ぐ」、「経費を賢く使う」、「無駄な支出を未然に防ぐ」ことに注力いただいており、日々の尽力に改めて感謝申し上げます。
しかし、われわれを取り巻く環境変化のなか、当社の状況は決して楽観視できるものではありませんので、新たな年を迎え、より一層気を引き締め、共に目標達成を目指しましょう。

次に、今年皆さんにお願いしたいことです。
当社ビジネスの大きな柱である自動車業界は言うに及ばず、産業界ではIT、デジタル技術の進化により、人間の働き方そのものに影響するような変化が急速に進んでおり、2020年代の終わり、われわれの社会は分野によっては現在とは全く異なる姿になっている可能性があります。また、社会課題への関心や環境意識、SDGs達成に向けて世界的に取り組む機運も急速に高まってきており、新たな文明社会を目指したパラダイムシフトが始まりつつあります。このような環境変化の大きな渦の中を生き抜き、持続的な成長を続けるためにわれわれは、"Be the Right ONE"でなくてはなりません。

われわれが目指すべき"Be the Right ONE"とは「一人一人が社会課題の解決を意識しながら業務に取り組み、当社"ならでは"の価値を提供し、お客さまやパートナーさま、そして社会にとってかけがえのない存在になっている状態」のことです。その状態に至るには、われわれ一人一人がプロとして「強い個」になり、さらに個の力を結集しチームパワーで、一つひとつのビジネスを"Be the Right ONE"にしていく必要があります。

われわれ一人一人が平時より常に「健全な危機感」を持ってください。利益を生み、成長しているときであればこそ、ビジネスが陳腐化するリスクや、競合に対する感度を高め既存ビジネスでは改善を重ねて、モデルチェンジを行なっていくことが必要です。同時に、新たな技術・サービス・ビジネスモデルへの感度を高め、イノベーションを起こし、新たなビジネスを創出していきましょう。「強い個」になるために、われわれ一人一人が「プロフェッショナル」として自身の仕事において誰にも負けないくらいの専門性を高めていく。また、人としての幅・魅力を広げ・深めていくことも必要です。例えばリベラルアーツなど、一見仕事に関わりがないことにも興味を持って、生涯学び続ける姿勢が大切だと思います。皆さんの新たなチャレンジを支援する為に、会社としてもさまざまな取り組みを行なっていきます。

例えば、デジタル技術の進化に対応するため、本年、デジタル・トランスフォーメーション (DX) の専任組織を立ち上げ、それを核に全社横断で「デジタル変革」を加速していきます。しかし、この変革は、専任組織のアクションだけで実現できるものではありません。一人一人の日々の仕事全てが、変革の大きな渦の中にあるという当事者意識を持って、役職員全員で取り組んでいきたいと思います。

また、新たな技術やサービス、ビジネスモデルの変化にスピードをもって対応する仕組みとして、昨年新たに60億円規模のネクストテクノロジーファンドの「2号ファンド」を立ち上げました。アフリカはモビリティ関連スタートアップ企業への出資・融資に特化した投資会社「Mobility 54 Investment SAS」を50億円規模で設立しました。さらに、国内では社内起業 (イントラプレナーシップ) のサポート制度である、「Toyotsu Inno-Ventures Project」を本格始動し、当社発の、新たなビジネスの種の発掘・創出の加速にも取り組んでいます。ぜひ、こういった制度や仕組みを最大限活用いただき、激しい環境変化の先回り・先読みをして、新たなビジネスの創出に果敢に挑戦していってください。

最後に、社員の皆さんとご家族の心身の健康は会社の一番の財産です。2020年も皆さんとご家族が健康で笑顔と幸せの多い一年となるよう祈念し、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。

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