"棚卸の時間が従来の8分の1に短縮!"
RFIDを活用した自動車部品の入出庫・棚卸システム試験導入開始
~自動車部品のグローバルサプライチェーンマネジメント効率化を目指す~

  • グローバル部品・ロジスティクス

2019年05月30日

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)と当社100%子会社の豊通物流株式会社(以下、豊通物流)は、RFID(Radio Frequency Identification)タグを活用した入出庫・棚卸システムの試験導入を、日本国内で自動車部品物流を行う豊通物流・第2三好センター(愛知県みよし市)にて4月より開始し、海外の各物流拠点との連携を視野に、インドネシアの物流拠点 PT. TOYOTA TSUSHO LOGISTIC CENTERでも、RFID導入プロジェクトを立ち上げました。今後、グローバル展開における課題や改善点を実作業を通して洗い出し、本格導入に向けた検証を行います。

1. 導入の背景と目的

物流業界では、人手不足や働き手の高齢化が大きな課題となっています。また、災害時のBCPの観点から荷物の可視化やグローバルでのサプライチェーンマネジメントが課題となっています。豊田通商は、自動車メーカーの海外生産拡大とそれに伴う部品メーカーの海外進出を背景に、世界28カ国で事業展開し、部品の最適サプライチェーンを構築、安定供給・在庫管理運営を行っています。当社グループにおいても働き方改革を推進しており、業務効率化を目指したIT技術活用を進めています。

一般的に、自動車部品は材質・形状が多岐にわたり、特に金属製品が多いため、電波を利用したRFIDの利用は、電波の乱反射や金属による電波干渉により、RFIDの読取精度が低くなるなどの課題がありました。当社ではRFID導入に際して2年間検証を行い、このたび豊通物流の第2三好センターに、入出庫時のRFIDタグ読取りシステムと、AGV(Automatic Guided Vehicle/無人搬送車)とRFID読取装置が一体となった『棚卸用AGVシステム』を製作・試験導入しました。本システムの導入により、入出庫・棚卸業務の効率化、および精度の向上などが期待されます。

2. 導入システムの概要

倉庫への部品搬入時に各梱包箱にRFIDタグを貼付し、作業工程毎に入庫予定リスト、在庫リスト、出荷予定リストとRFIDタグの読取結果の照合を行うことで、作業の効率化と精度向上を図ります。特に棚卸業務においては、これまで倉庫棚の高い位置に保管されている商品の実査棚卸は、フォークリフトなどで床面に降ろして棚卸を実施、再度、棚に戻すといった作業が必要でしたが、『棚卸用AGVシステム』により、高さ6mの倉庫棚にあるタグまで自動で読み取ることができるため、在庫品を床面に降ろさずに棚卸作業を完了させることができます。本システムの利用により作業が効率化され、棚卸の実施頻度を増やすことが可能になります。

3. 今後の予定

豊田通商は、国内外の物流拠点をつなぎ、サプライチェーン上の自動車部品の在庫数の可視化と、受発注・在庫管理の高度化をすすめ、当社の物流機能およびサービス品質の向上を図り、顧客満足度のさらなる向上を目指します。またインドネシア物流拠点でのプロジェクト開始を皮切りに、今後複数の海外物流拠点でRFID導入プロジェクトを立ち上げる予定です。グローバル展開における課題や改善点を実作業を通して洗い出し、本格導入に向けた検証を行います。サプライチェーン上の物流をリアルタイムで可視化することで、物流の最適化、新たなサービス提供につなげてまいります。

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