世界初の高機能液晶調光フィルム製造技術を持つ 大分発ベンチャー企業に出資
~次世代モビリティへの活用を見据えた新技術の実用化を支援~

  • グローバル部品・ロジスティクス

2019年02月20日

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は、高機能液晶調光フィルム※1の開発、製造、販売を行う九州ナノテック光学株式会社(以下、九州ナノテック光学)の株式につき、大分ベンチャーキャピタル株式会社からの取得および、第三者割当増資を引き受け、同社に35.28%出資します。あわせて、豊田通商から取締役を3名派遣しました。

1.九州ナノテック光学について

九州ナノテック光学は、これまで国や大分県からの支援を受け、世界で初となるリバースモードフィルム※2の量産化技術をはじめとするさまざまな液晶調光フィルムの研究開発を行ってきました。

九州ナノテック光学は他社にない機能として、液晶調合から製造に至るまでの研究・開発リソースを保有しており、お客さまのニーズに合わせた液晶材料の開発および構成材料の選定を行っています。 クリアな視界の確保や、高温環境下での性能向上を図り自動車向けにも対応した高機能液晶調光フィルムの開発を進めてきました。また、経済産業省より平成30年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)にも認定されています。今後さらなる機能向上や用途開発を推進することで、自動車、新幹線などの輸送機器、建築用途など、2020年には1,500億円にも拡大すると言われている調光市場への展開を目指しています。

2.出資の背景と目的

高機能液晶調光フィルムは、会議室や商業施設など既にさまざまなところで使用されており、需要が高まっています。また、CASEと呼ばれる自動運転や電動化などの新技術、MaaSといった新たな移動サービスの台頭により、自動車の使い方、車内での過ごし方が変化することで、車内空間に対する考え方も変化していくことが考えられ、自動車への活用も期待できます。

豊田通商は、自動車の活用の変化に伴う需要を鑑み、豊田通商の持つ自動車部品に関するノウハウや量産体制の構築を支援するだけではなく、デジタルサイネージなどのディスプレイ関連分野への応用や、新たな活用方法の開拓を行い、本フィルムの社会実装を目指してまいります。

【ご参考】リバースモードフィルム製品活用例:壁面ガラス

 
非通電時:透明 通電時:不透明

※1 高機能液晶調光フィルム
液晶を使い通過する光を電気でコントロールし、「透明」と「不透明」を瞬時に切り替えられる厚さ0.1mmのフィルム。優れた遮光機能や赤外線カット・UVカット機能と、映像投影スクリーンとしての機能を併せ持つ。高機能液晶調光フィルムは会議室やショールームウィンドウのガラス建材と併用して活用されたり、プロジェクター用スクリーンとして利用されている。

※2 リバースモードフィルム
従来の高機能液晶調光フィルムと違い、非通電時は透明で、通電時に不透明になるタイプの高機能液晶調光フィルム。不透明にする時にだけ通電することから、プライベート空間を簡単に確保できるだけでなく、安全性や省エネルギーの観点から、自動車業界や航空業界で注目が高まっている。

会社概要

社名九州ナノテック光学株式会社豊田通商株式会社
所在地
大分県速見郡日出町大字藤原2393番地
愛知県名古屋市中村区名駅4丁目9番8号
設立
2004年8月
1948年7月1日
代表者
代表取締役  馬場 潤一
取締役社長 貸谷 伊知郎
資本金
1,000万円
649億3千6百万円
従業員数
27名(2019年2月1日時点)
連結  56,827名(2018年3月末時点)
事業内容
機能性液晶フィルムの研究開発・製造・販売
各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務等

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