2019年 社長年頭 社員向けメッセージ

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2019年01月07日

皆さん、あけましておめでとうございます。

年頭にあたり、世界各地の豊田通商グループ社員、そしてご家族の皆さんに謹んで新年のお慶びを申し上げます。
新しい年を迎えるにあたり、昨年の振り返りと、今年皆さんにお願いしたいことについて、お話をさせていただきます。

まず、昨年の振り返りです。私は昨年4月に社長のバトンを引き継いでから、できる限り多くの現場や国内外のお客さま、当社グループの社員の方と話をするように努めました。そして、おのおのの現場で、豊田通商らしい仕事、安全とサービス品質にこだわりながら、付加価値の高い仕事をされていることを改めて確認し、また皆さんから多くの質問や意見をいただくなど、前向きな姿勢に大変感心をいたしました。本年も引き続き、多くの現場に足を運び、多くの人と対話をさせていただきたいと考えています。

さて、我々を取り巻く環境ですが、日本は輸出拡大等で景気回復が継続し、先進国は米国と欧州の経済がおおむね堅調に推移しました。新興国は資源価格や一次産品価格の持ち直しなどにより景況感が改善し、回復基調は継続しました。一方で、自国主義、保護主義的な通商政策により貿易摩擦が激化し、世界経済への影響、米国の金融政策に伴う新興国通貨の不安定化などさまざまなリスクが拡大して、我々のビジネスへもマイナス影響の懸念が出始めた一年でした。

2019年においても米中貿易摩擦のさらなる激化、ブレグジットに伴う欧州経済の混乱、中東の政治リスク拡大など、大きな懸念要素は引き続き残っています。産業界に目を向けますと、AIやIoTといったテクノロジーの進化が全ての業種において加速度的に進展しています。昨年の世界の時価総額の上位10社の大半をGAFAに代表されるデジタル関連企業が占めるなど、世の中の潮流は大きく変化しています。

例えば、我々の主戦場の1つである自動車業界でも、デジタル関連企業との業界を跨ぐ新たなアライアンスが誕生しており、従来からの戦い方だけでは我々の今後の持続的な成長が極めて厳しいものになってくることを痛感した一年でもありました。他方、日本国内では企業による法令違反の疑いや品質データの改ざんによる不正などの報道が続きました。皆さんには常に「安全とコンプラインアンスがすべての仕事の入口」であることを心にとどめ、誠実・真摯に日々の業務にあたっていただきたいと思います。お客さまの期待に応えるためであっても、利益をもたらすためであっても、ルールを逸脱することは一切許されません。自らを律することのできる組織であるからこそ「豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業」という当社の理念を実現できるのだと、改めて皆さんとともに肝に銘じたいと思います。

次に、皆さんへお願いしたいことです。当社は3年前(2016年3月期)の大幅な赤字決算ののち、「着実に稼ぐ」、「経費を賢く使う」、「無駄な支出を未然に防ぐ」ことに注力して取り組んだ結果、V字回復を果たし、今期も純利益1,400億円の目標に対し好調な進捗を維持しており、3期連続の最高益の更新が見えてきています。しかし、今実現している利益は過去の投資と営業努力による結果です。もし、我々を取り巻く大きな環境変化にうまく対応できなければ、今後、成長が鈍化するにとどまらず、衰退すらしかねないとの『強い危機感』を持っています。

そのような中、皆さんにお願いしたいことの1つ目は『豊田通商らしさ』を大切にし、さらなる高みを追求していくことです。

これまで当社が積み上げてきた豊田通商らしさ、すなわち、「成長の過程で身に付けた豊田通商らしさ」、「グローバルカンパニーを目指し身に付けた豊田通商らしさ」、「トヨタグループの一員としての豊田通商らしさ」です。お客さまに寄り添い、自ら額に汗を流して、Be the Right ONE、唯一無二の存在になりたいという思いです。

2つ目のお願いは、「デジタル化」と「グローバル化」の推進です。

「デジタル化」においては、皆さん自身が新たなテクノロジーに好奇心を持ち、現場に行き勉強することで、皆さんの仕事にどう生かせるのかを考えていただきたいと思います。今年2019年が我々にとっての「デジタル変革元年」です。全役職員が全員参加で「デジタル化」を進めていきましょう。

「グローバル化」においては、極・地域を起点としてマーケットニーズを取り込み、現地のビジネス創出を加速させる必要があります。そのためには、極、現地で自らを律する『自律』と、自ら立つ『自立』の2つを進展させるとともに、多様な個性、能力、考え方を生かすこと、すなわちD&Iを推進することが極めて重要です。

「グローバル化」、「デジタル化」を進めるにあたり、マネジメントの皆さんは、率先してリーダーシップを発揮し、チームを引っ張っていってください。ミレニアル世代、中堅の皆さんは、中核を担い、仕事の付加価値を高めていってください。デジタルネイティブと言われる若手世代の皆さんは、自身の感覚や発想を生かし、大いに提案していってください。

次のビジネスを創り出すための小さなトライアルに勇気をもって挑戦していきましょう。

一人一人が直面するさまざまな変化をチャンスと捉え、「変化を恐れず」、「変化を楽しみ」、そして、「変化を創り出す」という気持ちで、豊田通商らしさの追求と、デジタル化、グローバル化に取り組んでいただきたいと思います。

皆さんとご家族にとって笑顔と幸せの多い一年となるよう祈念して、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

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