日本産生鮮品の輸出拡大に向けた革新的鮮度維持技術による日本産生鮮品輸出実証プロジェクトを開始
- (旧)食料・生活産業
2018年11月02日
【概要】
株式会社エバートロン(以下、エバートロン)、株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント、国立大学法人大阪大学産業科学研究所、国立大学法人三重大学 、全国農業協同組合連合会 、凸版印刷株式会社、豊田通商株式会社 、パナソニック株式会社アプライアンス社(五十音順)は、共同で、日本産生鮮品の輸出拡大に向けた革新的鮮度維持技術による日本産生鮮食品輸出実証プロジェクトを開始します。
【背景】
昨今、海外における和食ブームに伴い、日本の食材への注目が高まっています。日本政府は、農林水産物・食品の輸出額を2019年に1兆円とする目標※1を掲げており、国産生鮮食品においても、今後さらなる輸出拡大が見込まれます。
しかしながら、従来のコールドチェーン※2技術では、日本から輸出した生鮮食品が海外の消費者へ届くまでに鮮度劣化を起こし、品質が低下することが課題となっています。この課題解決に向け、エバートロンが開発した鮮度維持の効果を食材内部にまで発揮する鮮度維持装置「Freshtron(フレッシュトロン)」、大阪大学産業科学研究所川上茂樹特任准教授らが開発した食材の表面を殺菌する「超酸素水」、食材の保管環境を最適に管理する「鮮度維持袋」を駆使し、生産から消費までのバリューチェーンに適用できる革新的鮮度維持技術を開発しました。同技術を用いて国産生鮮食品を海外の消費者へ、鮮度を維持した状態で輸出する実証実験を行うことといたしました。
<Freshtronの特長>
エバートロン社が開発した、水分の分子結合構造を変化させることで鮮度を維持する電波evertronWAVE(エバートロン ウェーブ)を採用した鮮度維持装置。食材を数十分、装置内に入れておくだけで、食材自身が鮮度を維持する体質に変わります。同装置で生産地にて食材を処理すると、通常の冷蔵車による輸送でも鮮度維持の効果が発揮されます。また同効果は約1か月維持できるため、鮮度を維持した状態での船便輸送も可能になります。
<超酸素水の特長>
空気中に噴霧することで、超微小なナノミストが食材全ての表面をカバーする高酸素濃度の純水。成分は水と酸素のみであるにも関わらず、世界で唯一、芽胞菌※3と休眠胞子※4まで殺菌が可能となります。集荷場の環境を超酸素水で殺菌することで、菌数が非常に低い状態で農作物の出荷が実現します。
<鮮度維持袋の特長>
従来の鮮度維持袋は食材の呼吸量を減らすことで鮮度維持を保存しています。今回の鮮度維持袋は、食材から排出されるエチレンガスを二酸化炭素と水に分解することで、食材の呼吸量を減らすと同時に鮮度維持に必要な空中湿度を保持して水分の蒸散を防ぎます。これにより、野菜・果物の鮮度保持期間を延長することが可能となります。
※1 出典: | 農林水産省ホームページ(http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h23_h/trend/part1/chap3/c3_2_03.html) |
※2 コールドチェーン : | 生鮮食料品等を生産段階から消費段階まで、所定の低温に保ちながら流通を図る低温流通機構。 |
※3 芽胞菌(がほうきん): | 一部の細菌が増殖に適さない環境で形成する耐久性の高い特殊な細胞構造(芽胞)を形成する菌体。熱・薬剤・乾燥などに強い抵抗力を示し、長期の休眠状態を維持することが可能。増殖に適した環境になると発芽して菌体に戻る。 |
※4 休眠胞子: | 胞子が生成されてから、一定の休眠期間を経て発芽する胞子。 |
【実証実験の内容】
■実証実施期間 2018年11月2日~2019年3月(予定)
■生鮮食品輸送先 オランダ他、ホテルオークラグループ 日本料理「山里」(予定)
■役割分担 (五十音順)
株式会社エバートロン | 鮮度維持装置の提供 |
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株式会社オークラ ニッコーホテルマネジメント | 海外のホテルオークラ「山里」の料理長による鮮度の官能評価 |
国立大学法人大阪大学 産業科学研究所 | 超酸素水・鮮度維持袋技術の提供・生鮮品の分析・評価 |
国立大学法人三重大学 | 生鮮品の分析・評価 |
全国農業協同組合連合会 | 青果物の提供 及び 鮮度維持効果の評価 |
凸版印刷株式会社 | 輸送用梱包資材、冷却材の提供 |
豊田通商株式会社 | 同社100%子会社の総合物流企業である豊通物流株式会社と国内外における生鮮品の物流業務 |
パナソニック株式会社アプライアンス社 | 温度・湿度・振動など輸送環境に関するトレーサビリティ情報の取得 |
ご参考
具体的な役割と取り組み
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