次世代オートモーティブ社会における車載ソフトウエア領域のサービス開発を目的としたキャッツ株式会社への資本参加について
- (旧)化学品・エレクトロニクス
2018年04月03日
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)および株式会社ネクスティ エレクトロニクス(以下:ネクスティ エレクトロニクス)は、次世代オートモーティブ社会における車載ソフトウエア領域のサービス開発を目的に、2018年4月2日にキャッツ株式会社(以下:キャッツ)へ資本参加しました。
本資本参加により、キャッツが有する車載組込開発ツールの強化に加え、自動車業界向けに次世代技術を用いたソリューションを共同で開発・提供することで、CASE(注1)を中心とする次世代オートモーティブ社会の実現に向けた取り組みを加速していきます。
本提携の背景、目的
近年、ADAS(注2)、HMI(注3)をはじめとする自動車の機能高度化に伴い、車載ソフトウエアの大規模化・複雑化が進んでいます。今後もコネクティッドカーや自動運転車の次世代車開発に向けてAI、エッジコンピューティング等、車載ソフトウエアに対してさらに高度な技術力だけでなく、機能安全や短期開発への対応といった開発支援、開発管理も重要となっていきます。
NTTデータは、これまで手掛けた大規模社会基盤システム構築での知見、NTTグループの先進技術を活用し、主にクラウドでの「大規模データ処理」「AI」「セキュリティー」等の技術を含め、次世代オートモーティブ社会実現に向けた研究開発と実証実験、サービス企画を行っています。また、株式会社NTTデータMSE(以下:NTTデータMSE)は、強みである通信技術・車載インフォテインメント開発経験を生かし、コネクティッドカーの普及に向けた要素技術の実用化、車載プラットフォームの標準化などにも取り組んでいます。
ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループにおけるエレクトロニクス事業の中核企業として2002年に本格的に車載ソフトウエア事業に参入し、大規模オフショア拠点設立、および拠点での開発を通じ、プロジェクトマネジメント力の強化や深く広い顧客ネットワークを構築してきました。また、自動運転やコネクティッドカー等、次世代オートモーティブ社会の実現に向けた先行/量産組込ソフトウエア開発に取り組んでおり、標準化団体 JASPAR運営等、車載ソフトウエア標準化への取り組みにも貢献しています。
本提携により、NTTデータグループとネクスティ エレクトロニクスは、これらの双方の強みを生かしてキャッツの既存車載ソフトウエア開発ツール(ZIPC® TERAS(注4)、ZIPCシリーズ(注5))の機能強化を図るとともに、キャッツへ開発人材、開発マネジメント、要素技術サポート等のバックアップ支援を実施します。さらに、次世代技術を用いたソリューションとして、モデルベース開発における開発管理や自動運転ソフトウエア検証、OTA(注6)サービス実現に向けても共同で事業開発に取り組み、次世代オートモーティブ社会の実現に向けて新たなビジネスやサービスの創出に取り組んでいきます。
本株式譲渡の概要
NTTデータMSEが保有するキャッツ株式のうち、72,000株(出資比率51.5%)をNTTデータに、28,000株(20.0%)をネクスティ エレクトロニクスに譲渡しました。
本株式譲渡以前 | 本株式譲渡後 | |
---|---|---|
株主構成
|
株式会社NTTデータMSE 87.8%
その他 12.2% |
株式会社NTTデータ 51.5%
株式会社ネクスティ エレクトロニクス 20.0% 株式会社NTTデータMSE 16.4% その他 12.2% |
キャッツの概要
所在地
|
神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目1番地9 アリーナタワー |
---|---|
代表取締役社長
|
中井 章文 |
取締役副社長
|
渡辺 政彦 |
取締役
|
古賀 篤、松山 喜典、中野 圭祐 |
監査役
|
解田 康起 |
設立年月
|
1973年11月14日 |
従業員数
|
71名 |
事業内容
|
・ソフトウエア開発支援ツールの開発・販売、カスタマイズ ・コンサルティング ・システム開発(ハードウエア・ソフトウエア) |
(注1) CASEとは、Connectivity(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared mobility (共有サービス)、Electric mobility(電動化技術)の頭文字をとったものです。
(注2) ADASとは、Advanced Driving Assistant Systemの略で、障害物検出警報や車線逸脱警報など、自動車事故の可能性を検知し、事故を未然に防ぐことや、事故の影響軽減を実現する先進運転システムのことです。
(注3) HMIとは、Human Machine Interfaceの略で、ドライバーと自動車の接点となるカーナビ、メーター、アクセル、ブレーキなどの、人への情報提供、機械への指令をやりとりする部分のことです。
(注4) ZIPC TERASとは、キャッツが提供する、主に車載ソフトウエア開発における、すべての成果物間のトレーサビリティー(紐付け)を確保するためのトレーサビリティー管理ツールのことです。
(注5) ZIPCシリーズとは、キャッツが提供する、状態遷移表からのプログラム自動生成ツール、テスト効率化ツールなどの車載ソフトウエア開発支援ツールのことです。
(注6) OTAとは、Over the Airの略で、車載ソフトウエアに対して、無線ネットワークを通じてアップデートを実現する技術のことです。
*「ZIPC」は日本国内におけるキャッツ株式会社の登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。