航空機エンジン部品を手掛けるAeroEdge社に出資
~わが国の航空機エンジン業界の国際競争力向上に貢献~

  • グローバル部品・ロジスティクス

2018年03月27日

豊田通商株式会社(以下「豊田通商」)は航空機エンジン用部品の製造・販売メーカーであるAero Edge株式会社(本社:栃木県足利市、代表取締役:森西淳、以下 「AeroEdge(エアロエッジ)」)が実施する第三者割当増資により発行する株式を引き受ける形で出資しました。

今回の第三者割当増資は豊田通商を含む計6社を引受先とした総額約22億円で、世界の航空機需要拡大を背景とした航空機エンジン部品の生産需要増加にAeroEdgeが対応するため、生産体制をより強固にし、グローバル市場でのプレゼンス確立・向上を目指すものです。

1. 日本の航空機産業を取り巻く環境

世界の民間航空機市場は、新興国の旺盛な顧客需要や貨物輸送の増加などから、年率5%で成長しています。これにともない、航空機需要も年々増加する傾向にあり、今後20年間で約2倍の伸びが見込まれています。1機300万点ともいわれる部品から組み立てられる航空機は、航空機完成メーカーとエンジン完成メーカーの2つを頂点に、膨大なサプライヤーが世界中に存在していますが、このような市場拡大にあわせ、新規サプライヤーの参入が相次いでいます。(日本航空機開発協会調べ)

日系メーカーは、機体構造(胴体や主翼など)やエンジンを中心に、一定のプレゼンスを示しています。日本国内でも今後成長が見込まれる航空機産業への新規参入が期待されているところです。

2. AeroEdgeとは

AeroEdgeは歯車メーカーである菊地歯車株式会社の航空宇宙事業から開始し、2015年に分社化された航空機エンジン用部品の製造・販売メーカーで、近年、新素材として注目されている各種難削材(チタンアルミなど)の加工とその工程設計のノウハウを強みとしています。チタンアルミは軽量・高硬度であり、航空分野に限らず用途が拡大していますが、超難削材であるため、世界で切削できるメーカーは限られています。また、厳しい品質管理基準の確立・維持が求められる航空機業界の中で、AeroEdgeは開発~製造~品質保証まで一貫して請け負える体制を整えています。

AeroEdgeは、大手航空機エンジンメーカーであるSafran Aircraft Engines(フランス)と長期受給契約を締結し、新型民間航空機エンジン「LEAP*」に搭載されるチタンアルミ製の低圧タービン(LPT)ブレードを製造しています。この「LEAP」への搭載を皮切りに、グローバルな事業展開に取り組んでいます。

出所:SAFRAN AE. AeroEdge

* 中型機向け次世代航空機エンジン「LEAP」
 新型航空機A320neo(エアバス社製)、
 B737MAX(ボーイング社製)、
 C919(中国商用飛機製)に搭載

3. 出資の背景・意図

豊田通商は、2015年に航空機部品製造を手掛ける旭金属工業株式会社と航空機部品の表面処理加工を行う事業会社「Asahi Aero Malaysia SDN BHD.(AAM)」をマレーシア・クアラルンプールに設立するなど、航空部品製造事業に参入しています。またラオスのワッタイ国際空港や日本の仙台国際空港といった空港運営も手掛けており、航空関連事業の領域を拡大しています。

今後も自動車分野をはじめとした生産支援事業で培った生産・物流管理の知見および海外ネットワークを活用することで、今回のAeroEdgeを含む日系メーカーの航空機製造における海外受託製造やTier1メーカーとの取引を後押しし、日本の航空産業の活性化に貢献していきます。

■AeroEge株式会社 概要

社名
AeroEdge株式会社(英文名 AeroEdge Co., Ltd.)
本社所在地
栃木県足利市寺岡町482-6
設立年月日
2015年9月16日
代表者
代表取締役社長 森西淳
資本金
3,000万円
社員数
74名(2017年10月1日時点)
事業内容
航空機部品の製造、および販売
認証取得規格
JIS Q 9100:2009
ISO9001 :2008
ISO14001 :2004

リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
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