社外取締役メッセージ

河本 邦仁

「次の新しいステージ」はDX/AI技術を活用して 成長を促進しよう!

材料がなければ何もつくれず、何もできません。材料の機能を引き出すのは物理、材料をつくるのは化学、材料を組み立ててデバイス・システムをつくるのは工学、それらをつないで人間活動に役立てるのがIT技術(DX、AI、データサイエンス、IoT)だとすれば、材料・化学技術が経済・産業を根底から支えていることが理解できます。当社が重点的に進める事業や次のステージの新規事業が確固たる材料・化学技術に立脚しているかどうか、企業価値向上の観点から注視していきたいと思っています。

「次の新しいステージ」で飛躍的に成長していくためには、当社が強みを持つ分野の事業をさらに深化・拡張していくとともに、「寄らば大樹の陰」志向から脱却して、新たな事業開拓に果敢にチャレンジしていかなければなりません。そのためには、業務・事業の効率化、人財確保・最適配置、事業ポートフォリオの大胆な改革、先端技術をつないだ新奇*事業の創出を、DX/AI技術を活用してグローバルに行っていく必要があると考えています。

Didier Leroy

業務改革と人財育成の経験から、地球環境にふさわしい将来を 目指す豊田通商をサポートします

ここ数年、世界は多大なる不確実性に直面し、予想もできない危機に直面してきました。ただ、そのような不確実性や危機が終わるのを何もしないで待っているわけにはいきません。今問題になっているのは、次の危機は何か、いつ我々を襲ってくるかです。我々はそのような事態に対して日頃準備をし、未来を予測できるよう、俊敏(アジャイル)な動きが求められています。

一方で、不確実性は、アジャイルに動ける企業、特に地球の環境問題解決と共にビジネスを創造できる企業にとって機会を創出し続けます。この世界では、豊田通商が顧客、パートナー、地球環境、従業員にとってBe the Right ONEになることが、ことのほか重要になります。社会や地球に対して、最適なソリューションを提供できる豊田通商の力量が、将来にわたって競合他社との差別化につながる鍵になります。

私は、豊田通商の社外取締役であることを光栄に思います。この時代において、社外取締役としての重要性と責任を切に感じています。将来のビジネスモデルを構築するため、私のトヨタ自動車での業務改革や人財育成の経験を活かして、豊田通商がアジャイルに動けるよう、マネジメントに対して意見を述べていく所存です。将来のビジネスモデルにおいて、従業員は、今まで以上に将来へ向けて成長するための重要な戦力になると思います。

こうしたことを成し遂げるには強靭なリーダーシップが欠かせません。ENERGY、PASSION、FIGHTING SPIRITがあれば不可能はない、と一層主張したく思います。

井上 ゆかり

“Be the Right ONE”へのさらなる進化のために私が貢献できること

豊田通商の主な事業はBtoBですので、消費財メーカーでの経験を活かして企業価値の向上に貢献するのは容易いことではなく、常に模索しています。コロナ禍の行動制限もあり、現場に伺う機会は限られてはいますが、食料・生活産業本部や、アフリカ本部のコンシューマー分野の案件に関しては、私なりの知見を持って質問し意見を述べさせていただいています。その他部門の案件は、各々のカスタマーのその先の消費者・ユーザー起点に遡り、競合優位性があるのか、その優位性を持続的に担保することができるのかという視点で、質問し意見交換させていただいています。生活者のニーズが多様化し常に変化し続けていますので、BtoBであっても、カスタマーの声に対応するだけでは、他社に勝るソリューションを提案することはできません。社員一人ひとりが、外に出て、前に出て、エンドユーザーの流れを掴み、新しいアイデアを創造し続ける環境づくりができるようにサポートしていきます。

豊田通商は、ここ数年、経営陣のリーダーシップと、社員の皆さんのご尽力、そして、カスタマー・サプライヤーの皆様のご支援で、別次元の企業規模に成長しました。素晴らしいことです。今後のさらなる成長のために2点の考察を共有いたします。1点目は、現在の7営業本部の区分けが、重点戦略の推進に最適であるのかという検証の必要性。End to Endでカスタマー目線でシナジーが出る形に組み直す時期に来ているのではないでしょうか。2点目は、集中と拡散のバランスです。集中することでのメリットは確かに存在しますが、商社という特性上、カスタマーの要求に合わせて事業ポートフォリオを広げていくこともとても重要だと理解しています。豊田通商は企業規模の急速な拡大を梃子に、最適バランスを実現するプロセス・風土をつくる時期にきていると思うのです。社外取締役として、客観的かつ多様な視点を提供し、企業価値の向上に貢献していきます。

松田 千恵子

サステナブルな経営によって、ステークホルダーとの共有価値を創造し続けていくことを期待しています

これまでの社会人生活において、1/3を金融・資本市場において、1/3を企業経営支援の場で、残りの1/3を大学で過ごしてきました。現在では企業戦略、および企業経営と資本市場との間にある諸問題に深い関心を持って研究、実務に携わっています。

現在、企業を巡る環境は激変し、不確実性が一層高まる時代となっています。経営戦略も、競争優位性をいかに長く持続させるかという観点から、競争優位性をいかに俊敏に次々とつくり続ける能力があるか、という観点へと変わってきました。こうした能力のさらなる向上のために「Bethe Right ONE」という考え方は非常に重要なものだと考えています。企業理念、および中長期的な経営戦略を基本の軸とした骨太な経営に邁進し続けることを大いに期待するとともに、そのために貢献できるよう尽力していきます。

また、これらの全てに関わる要素として、サステナビリティは今や重要な経営課題となっています。単なる社会貢献ではなく、事業が社会に密接に関わり、企業価値向上にも資する共有価値創造の実現を目指していくことに強く期待しています。

こうした経営のあり方は、企業のみで完結するものではありません。株主をはじめとしたステークホルダーとの建設的な対話を進め、理解を深め、協働してもらうことが今の時代では不可欠です。さまざまな関係者にとってより魅力的な企業となることを願い、豊田通商の将来を一緒に考えていきたいと思っています。