コーポレート・ガバナンス

豊田通商グループは、監査役制度と執行役員制度の下、経営の効率化・透明化を図るとともにコンプライアンスの徹底、財務体質の健全化を推進しています。

基本的な考え方

当社は、グループ基本理念において、「人、社会、地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」ことを企業理念として掲げ、良き企業市民としてこの理念を適法・適正に実現するための原則的な行動規範として「行動指針」を定めています。

この基本理念にのっとり、「会社の業務の適正を確保する体制」を整備することによって、経営の効率化・透明化、コンプライアンスの徹底、財務体質の健全化を積極的に推進しています。また、コーポレート・ガバナンスの充実が、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために不可欠であるとする「コーポレートガバナンス・コード」の考え方に賛同し、真摯に対応していきます。

テークホルダーの皆さまに満足いただける付加価値の提供を行い、社会に貢献することが、豊田通商グループ自体の持続的な成長を加速させ、企業価値向上につながると考えています。

コーポレート・ガバナンスの体制(2017年4月現在)
コーポレート・ガバナンスの体制(2017年4月現在)
コーポレート・ガバナンス報告書
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推進体制

当社は、経営の透明性および健全性の観点から監査役会設置会社の形態を採用し、経営の効率化と内部統制の強化を目的に執行役員制度を導入しています。

また、本部制による連結経営を推進しており、現在営業7本部に、副社長直轄組織ならびにコーポレート部門を加えた組織編成になっています。

今期から執行役員の役位に、社長、副社長を加え、執行体制を強化するとともに、各営業本部長には原則執行役員がなることにより、取締役会をさらにスリム化し、現場に密着したスピード感のある経営を実践します。また、全社経営(取締役)と本部における職務執行(執行役員)のさらなる分離を目指すことによって、取締役会による職務の執行状況の監督機能を強化し、権限と責任の明確化、内部統制の強化を推進しています。

取締役会

取締役会は取締役12名(うち3名が社外取締役)で構成されており、議長は原則取締役会長があたり、経営上の重要事項について意思決定を行うとともに、取締役の業務執行を監督しています。さらに、定期的に営業本部の執行状況を本部長から報告し、モニタリングを行っています。社外取締役3名は金融商品取引所が定める独立性基準を満たした独立役員として届け出を行っています。取締役の任期は1年で、取締役会は原則月1回開催しています。社外取締役が経営・監督機能を十分に果たせるよう、取締役会事務局(経営企画部)が毎回事前説明を行っており、および必要に応じて営業本部からもが事前説明を行い、っています。社外取締役にはPC及びiPadを配布し事前に取締役会資料を閲覧頂いています。過去の取締役会資料・議事録はデータベースに格納し、いつでも再確認頂ける状態にし、継続案件についても過去からの情報の積み上げを可能にすることで社外取締役が事業の内容をしっかり理解した上で、取締役会での議論に臨めるようなサポ-ト体制を構築しています。

取締役会では、法令および定款の規定により取締役会の決議を要する事項、株主総会の決議により委任されている事項、別に定める「重要事項決裁規程」に取締役付議事項として記載されている事項を決議することとしております。特に株式・持分や固定資産の取得・処分、融資・保証を伴う投融資案件については、エクスポージャーをベースとした金額基準を定め、この金額基準を超える案件については、経営会議体の下部組織である「投融資委員会」・「投融資協議会」での審議を経た上で、取締役会にて審議・決定しています。但し、この金額基準についても、取締役会での議論を充実させる目的で、執行への権限委譲を意識した基準を適宜見直ししております。また、取締役会で審議された内容については、取締役会と同日に開催され、執行役員が全員参加する「役員会議」で速やかに共有され、経営の迅速化を図っています。

取締役会実効性評価

全ての社外取締役に対して、取締役会事務局が取締役会の実効性についてのヒアリング・分析・評価を行い、当該結果を取締役会議長ならびに社長に報告しました。取締役会で決議・議論すべき事項の見直しを行うことや社外役員からの有益な指摘に対し真摯に取り組むことなどにより、取締役会の議論・意見交換は活発化しており、取締役会の実効性は向上していると考えています。一方で、顕在化した課題に対しては、①全社中期計画に基づく各本部方針・取り組みを取締役会で報告、②社外取締役と監査役との情報共有を充実、③経営体制改編と付議事項見直しによるさらなる取締役会機能の充実、④自社を取り巻く環境変化と事業上のリスク・機会を捉えた会社の基本対応方針の議論、に取り組むことにより、さらなる取締役会の実効性の向上に努めていきます。

監査役会

監査役会は監査役5名(うち3名が社外監査役)で構成され、社外の視点からのチェック機能を確保しています。各監査役は、取締役、執行役員および会計監査人、さらには内部監査部門などと定期的に意見交換を行い、業務執行の適法化・適正化・効率化に努めています。監査役会は原則月1回開催しています。

委員会・会議体の機能と役割

当社は、コーポレート・ガバナンスの強化を目的に各種委員会・会議体を設置しています。全社横断的な検討課題については、全社横断会議体を設け、取締役および執行役員が経営課題ごとに対策を検討し、必要に応じて取締役会に諮っています。

役員報酬案策定会議・役員人事案策定会議

役員報酬案策定会議は取締役への報酬案に関する検討を行い、役員人事案策定会議は取締役の指名に関する検討を行う会議体です。両会議体とも社外取締役を構成メンバーに含み、その検討結果を参考に取締役会が決議しています。

経営会議体

副社長会

取締役会長、取締役社長、副社長執行役員、CSO/ CIO*、CFO*、CCO/CAO*で構成され、原則月2回、重要事項の協議、情報共有を行っています。

役員会議

社外取締役を除く取締役、執行役員で構成され、原則月1回、取締役会と同日に開催しています。取締役会での決議事項の報告、本部報告、全社経営課題報告を行っており、経営の迅速化を図るとともに、執行状況のモニタリングを行っています。

その他の経営会議体・下部組織

会議体 役割 開催頻度
方針会議 経営計画の協議を行っています。 年1回
投資戦略会議 各営業本部の投資戦略の協議を行っています。 月1回
投融資委員会
投融資協議会
投融資案件の協議を行っています。 月3回
月4回
ネクストテクノロジー
ファンド協議会
中長期視点で新しい技術、商品、サ-ビスなどで新市場を開発する案件の協議を行っています。 月1回
本部長共有会 営業本部横断の情報共有を行っています。 月1回

ERM委員会

担当する副社長、執行役員、CCOで構成され、原則年4回開催しています。豊田通商グル-プ経営に重大な影響を及ぼす重要リスクを明確化し、それらをコントロ-ルすることで企業価値の向上に資する体制を構築することを目的とし、個別のリスクに対する管理プロセスの監視や豊田通商グル-プのリスクの洗い出しとリスク許容限度の決定を行っています。

CSR推進委員会

CSRの取り組みの中心として、「CSR推進委員会」(委員長:社長)を原則年1回開催しています。当社のCSR活動の推進のための体制を構築し、推進状況についてモニタリングを行うことを目的とし、CSRに関する情報の共有、攻めと守りの両面からのCSR活動の進捗報告、実施計画などに関する討議を行っています。

2017年3月期のCSR推進委員会には、通常の構成メンバーに加えて、オブザーバーとして川口社外取締役、藤沢社外取締役、常勤監査役2名も出席しました。

全社横断会議体

複数本部の担当役員で横断的に協議する会議体で、全社に関わる経営戦略上重要な横断テ-マに関する協議および方針の決定を目的としています。

委員会 役割 開催頻度
グロ-バル人事委員会 将来の経営人材となりうるナショナル・スタッフについての情報共有と、育成強化策の協議を行っています。 年1回
人材育成強化会議 人材育成力の強化につなげるための、人材育成の各テ-マの協議を行っています。 月1回
海外地域戦略会議 海外極、新興国・資源国への戦略について企画・推進を行っています。 年1回
原価低減/改善推進会議 全社横断での原価低減の推進、改善事例の共有化・横展開を行っています。 年2回
IT戦略会議 全社IT戦略の方針の討議を行っています。 年2回
  1. ※1CEO: Chief Executive Officer CTO: Chief Technology Officer
  2. ※2CSO: Chief Strategy Officer CIO : Chief Information Officer
  3. ※3CFO: Chief Financial Officer CCO: Chief Compliance Officer
  4. ※3CAO: Chief Administrative Officer

社外役員の選任

ガバナンスや会計などの知識、リスク発見能力、さまざまな事業関連の見識、グロ-バルな経験見識、ダイバ-シティ推進への貢献などの要素を必須要素とし、豊富な知識と経験を備えていることを重視して選任しています。

社外取締役 重要な兼職の状況
(2017年7月1日現在)
選任理由 取締役会の出席状況
髙橋 治朗 名港海運株式会社代表取締役会長 名港海運株式会社において長年にわたり経営者として活躍し、また名古屋商工会議所会頭の経験を有しております。これらの経営全般にわたる豊富な経験と幅広い見識を当社の経営に反映いただくため、選任しています。 13回/15回
川口 順子 石油資源開発株式会社取締役 環境大臣、外務大臣などの要職を歴任し、またサントリー株式会社常務取締役(生活環境部担当)の経験を有しています。これらの環境問題や国際的な政治・経済動向に関する高度な専門的見識を当社の経営に反映いただくため、選任しています。 14回/15回
藤沢 久美 株式会社静岡銀行取締役
株式会社クリーク・アンド・リバー社取締役
投資信託評価会社を起業し代表取締役を務めたほか、株式会社ソフィアバンクの設立に参画し、現在その代表取締役を務めております。また経済産業省、金融庁など政府関係の多くの公職にも就いております。これらの豊富な経験と幅広い見識を当社の経営に反映いただくため、選任しています。 14回/15回
社外監査役 選任理由 取締役会の出席状況 監査役会の出席状況
豊田 鐵郎 事業上の重要な取引先の役員を兼ねており、当社事業に対する広い見識と深い理解および株主視点に立った適切な取締役の執行監視・牽制をいただくため、選任しています。 15回/15回 13回/14回
田島 和憲 公認会計士として会計および監査に精通されており、その分野における豊富な経験と専門知識から中立的・客観的な視点で適切な取締役の執行監査・牽制をいただくため、選任しています。 14回/15回 14回/14回
桑野 雄一郎 弁護士として長きにわたり活躍され、その分野における豊富な経験と専門知識から、中立的・客観的な視点で適切な取締役の執行審査・牽制をいただくため、選任しています。 11回/11回 10回/10回
  1. 2016年6月23日就任以降

役員報酬

取締役の報酬については、株主総会で決議された限度額の範囲内において、会社業績、会社を取り巻く経営環境などを総合的に勘案の上、「役員報酬案策定会議」の意見を参考に取締役会が決議しています。

監査役の報酬については、株主総会で決議された限度額の範囲内において一般情勢・責任などを勘案し、監査役会の協議によって決議しています。

役員区分 報酬などの
総額
(百万円)
報酬などの種類別の額(百万円) 対象となる役員の員数
(人)
基本報酬 ストック・オプション 賞与
取締役(社外取締役を除く) 990 532 - 458 15
監査役(社外監査役を除く) 82 82 - - 2
社外役員 75 75 - - 7
  1. ※1上記には、2016年6月23日開催の第95回定時株主総会終結をもって退任した取締役2名および監査役1名を含んでいます。
  2. ※22017年6月23日開催の第96回定時株主総会決議による取締役に対する報酬限度額は月額70百万円です。
  3. ※32014年6月20日開催の第93回定時株主総会決議による監査役に対する報酬限度額は月額16百万円です。

社外取締役からのメッセージ

髙橋 治朗 社外取締役

髙橋 治朗 社外取締役

目先のプラスマイナスに一喜一憂せず、信念を持って前に進みましょう

人生と同じで会社の成績も山あり谷ありですね。昨年度と比較して2017年3月期の成績は大幅に回復し、会長・社長はじめ皆さまの努力が数字になって表れた感じでご同慶の至りであります。今期より経理上の処理にIFRSが採用されたため、必ずしも正確な比較ができるかどうか分かりませんが、このマイナスからプラスに押し上げた皆さまのパワーは、団結する「気」、それぞれの分野で頑張ろうという「気」が相乗効果をもたらしたものと確信します。

団体スポーツでもよく見られますが個々の選手同士を比べてみてあまり差がなくとも、チームとして勝負すると、気合の入ったチームは、いわゆる「神ってる状態」になり、流れにうまく乗るということはよくあることではないでしょうか。ただ、この「気」を続けるためにはリーダーの力が大切だと思います。行って見せる、やって見せるという現地現物主義で若い力を結集させることができれば会社は非常に強いものになるでしょう。

川口 順子 社外取締役

川口 順子 社外取締役

豊田通商は、自己改革を不断に行いつつ前進する風土を持った企業です

前期は資源価格の値下がりなどの影響も大きく、豊田通商のみならず商社にはとても厳しい年でした。2017年3月期、豊田通商はV字の回復をすることができました。喜ばしい成果です。私としては、同時に、豊田通商のこのすばらしい底力を十分に認識・理解し、さらに底上げするような活動を社外取締役として行ってこられたのかという反省の材料ともなりました。

社外取締役の設置の実質的義務化、取締役の自己評価および取締役会の実効性評価導入など、日本の企業ガバナンス強化も進んできました。この変革は社外取締役の資質や果たすべき役割へのハードルが高くなったことも意味します。研鑽を積み、役割を果たして行かねばと責任の大きさを感じています。

豊田通商は、自己改革を不断に行いつつ前進する風土を持った企業です。他の取締役の方々と共に、取締役会のさらなる活性化を通じて、豊田通商の企業価値の向上に貢献ができることをうれしく思っています。

藤沢 久美 社外取締役

藤沢 久美 社外取締役

現場力が発揮できる組織・人事マネジメントを注視したい

社外取締役として3年間を振り返ると、豊田通商は社外役員の声に真摯に耳を傾けると同時に、社会環境の変化に敏感に対応し、取締役会を含め企業ガバナンスに対する取り組みを積極的に工夫・改善されてきました。

来期からは組織の意思決定のスピードを上げるための取締役構成や取締役会の改革も実施されます。

次なる課題としては、世界で活躍する商社として、世界各国の子会社はじめ関係会社に対してもESGに掲げられるテーマへの積極的な取り組みを推進し、より良い未来社会実現を牽引する職場環境の整備と事業開発を通じ、業績拡大を実現することであると考えています。そのためにも、現場で活躍する従業員の皆さんがより能力を発揮できるような組織および人事マネジメントが実施されているかを注視してまいりたいと考えています。