世界初のVehicle to Grid(V2G)商業運転を行う米国ベンチャー企業へ出資
~電気自動車を活用したVPP事業の推進とEV所有の付加価値向上へ~

  • 機械・エネルギー・プラントプロジェクト

2017年12月15日

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は、欧米で電気自動車(EV)の車載蓄電池を活用したVehicle to Grid(V2G)電力事業を展開する米国のベンチャー企業、Nuvve Corporation(ヌービーコーポレーション:以下、ヌービー社)に出資参画します。本件は、今年4月に設立したネクストテクノロジーファンドを通じた出資です。今後、当社からは取締役を派遣し、ヌービー社と共に日本を含むEVの普及が見込まれる国や地域で、EV・PHVを活用したバーチャルパワープラント (VPP)※1事業の構築・普及を推進してまいります。

ヌービー社は、充電ステーションに接続されている駐車中のEVの車載蓄電池から、電力系統※2の電力需給バランスに応じて電気を充放電するV2G(Vehicle to Grid)システムのベンチャー企業です。また同社システムは複数台の駐車中EVの充放電を同時に制御してVPPを構築することが出来ます。

ヌービー社のV2Gの仕組みは、気象条件の変化に伴う再生可能エネルギーの出力変動を補うだけでなく、EVを使用していない間に車載蓄電池を活用して対価を生み出すことで、EVの購入・維持費の負担軽減にもつなげることが出来ます。ヌービー社は、米国においてはV2Gの基本技術に関する特許を取得、デンマークでは既に世界初のV2G商業運転に成功しています。

VPP技術は、発電所を新設することなく電力需給バランス調整を行うことが出来るため、複数の国でその活用が検討されており、日本においても経済産業省によるVPP技術の実証実験や事業化支援が行われています。米国カリフォルニア州や欧州をはじめ、世界各国でEV普及に向けた動きが加速しているなか、そのEVを活用したヌービー社のV2Gシステムは世界各国のVPP進展にも寄与すると考えます。

豊田通商は、本件を通じて再生可能エネルギーの更なる普及とEVの付加価値向上に貢献してまいります。

なお、当社と同時に、仏大手電力の関連会社のEDF Renewable Energy, Inc.(再生可能エネルギー発電事業会社)もヌービー社に出資する予定です。

※1 VPP(バーチャルパワープラント・仮想発電所)...家庭や工場などに点在する太陽光発電等の再生可能エネルギー発電、蓄電池などをネットワークでつなぎ、あたかも1つの発電所のように機能させるしくみ。
※2 電力系統...発電設備、送電設備、変電設備、配電設備、需要家設備といった電力の生産から消費までを行う設備全体を指す。

ヌービー社概要

会社名
Nuvve Corporation (ヌービーコーポレーション)
所在地
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ
設立年
2010年
代表者
Gregory Poilasne (グレゴリー・ポイラスン)
事業概要
デラウエア大学が開発した充放電制御技術を使ったV2Gサービスプロバイダー

リリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
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