ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

進するための基本方針および諸施策の検討に着手した。その結果、当社は21世紀に向けたビジョンとして「総合商社から総合企業へ」を掲げることになった。単なる総合商社にとどまらず、力強い衛星企業を保有する「総合企業」への脱皮を目指すことを表明した。5武山体制のスタート1995(平成7)年6月、経営体制の刷新を行い、野上啓二社長が会長に、武山栄造専務が社長に就任する人事を発表した。当時、わが国経済はバブル崩壊後の後遺症に苦しみ、厳しい経営環境にさらされていた。そうした中で新社長となった武山は総合企業への脱皮に向け、従来のトレーディングや商社金融といった伝統的な商社機能から抜け出し、新しい機能を創造していこうと呼びかけた。そのための課題として提示したのは、「経営効率化と管理能力の向上による体質の強化」と「新規事業の構築」の2点であった。6中期経営計画の策定武山社長のもと、新しい中期経営計画を発表したのは1997(平成9)年1月であった。同年度からの3カ年の目標を明示したもので、「21世紀への飛躍」とのタイトルのもと、内外の経営環境については「構造的な部分で流れが変化しつつあり、自動車産業の国内外の成熟、生産・物流のグローバルなシフト、高度情報化の進展による流通形態や業務形態の変貌など、当社のこれまでコアビジネスとしてきた「『トレーディング』という事業形態は大きな転換期に至っている」との認識が示された。そのため「創造」「スピード」「実行」の三つをスローガンとして、トレーディング機能を転換、差別化しながら、衛星企業群との連携のもと総合力を発揮していくことを求めた。中期方針としては以下が提示された。(1)収益構造の転換1新収益源の創造・主体的な新事業の創造・新商品および新市場の開発2既存事業の強化、拡大・国内外トレーディング事業の変化に対応した取引機能の創造(2)ネットワーク機能の強化・各部の拠点・衛星企業群との商品戦略を軸としたグローバルな連携強化(3)創造的で活力のある環境づくり1自由な発想を生かす職場づくり2情報活用能力の活用武山社長豊田通商衛星企業群沿革編89