ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第1章21世紀をにらんだ総合企業第1節総合企業への歩み1新しい経営体制の発足1989(平成元)年6月28日、当社は江崎誠三社長が会長に、野上啓二副社長が社長に就任する新しい経営体制を発表した。社長交代にあたり、新しい経営陣は経営方針として安定経営と収益性の重視を掲げた。長期的な安定経営に重点を置きながら、利益を伸ばすための市場の拡大とコストの削減という二つの戦略が定められた。市場の拡大では、既存事業の強化に加えて新規事業の開拓を進め、海外市場で新しいマーケットの開拓を図ることとした。コストの削減では、組織体制の改革により事業運営の効率化、コンサルティングのできる人材の育成に取り組み、経営体質の強化を図ることとした。バブル経済の崩壊とその後の不況という激動の時代、経営体制を刷新した当社はグループが一体となって国際企業への脱皮を目指した。江崎会長・野上社長2 21世紀経営計画の策定1989(平成元)年11月、12年後に迫った21世紀を展望した「21世紀経営計画」がまとめ上げられた。前年の12月の取締役会において「21世紀経営計画づくり」が提案され、役員で構成される「ビジョン検討グループ」により、策定の手法やスケジュールが検討された。それに基づき、若手課長クラスを中心としたワーキンググループが組織され、同グループによってまとめられたのが「21世紀経営計画」であった。その内容は刺激的であった。すなわち、「今、われわれは『活力』にあふれているか?」、「主体性を持って挑戦する意欲はあるか?」、「統一した意識のもとに総合力を発揮することができるか?」といった問いかけが掲げられ、21世紀に向かって自己革新と意識改革・事業構造改革の必要性を強く訴えかけていた。理念と経営方針では、人間尊重(活力)、次代の創造(独創)、共存共栄(調和)の重要性を説き、組織の活性化、組織改革の必要性を指摘していた。この案を受け、各層でのグループディスカッションによる検討、アクショ「イノベーション21世界へ飛躍」(1989年1月)第1回役員研修会(1991年11月)沿革編87