ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

コラム当社のみならずトヨタグループに半生を捧げた初代社長・岡本藤次郎当社の歴史を語る上で最初に指を折らなくてはいけない人物は初代社長を務めた岡本藤次郎だろう。旧尾張藩士の家に生まれ、名古屋商業を卒業後、米国のイーストマンカレッジで学び、東洋棉花に入社。その後、縁あって豊田紡織に移り、当社の前身のトヨタ金融が設立された際には監査役に就任、豐田産業では常務となった。戦後、豐田産業が持株会社の指定を受けると、得意の英語を駆使してGHQと交渉し、日新通商の設立に奔走した。先見性に優れ、20社以上の関連会社の設立に関わった。西川秋次、石田退三とともに“豊田の三傑”と呼ばれるなど、当社のみならずトヨタグループ全体の躍進に貢献した存在であった。1965(昭和40)年11月、勲三等石田退三瑞宝章を受章。1983年12月19日に94歳で逝去した。岡本は生前、「(戦後新しく誕生した商社である)日新通商に対する私の理想は、名古屋に於ける総合商社たらしむること」と語ったというが、その岡本にとって設立時から大きく成長し、名古屋という枠を超えた存在となっていた豊田通商はどう映っていただろうか。岡本藤次郎沿革編81