ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

3中南米へのトヨタ車輸出当社が初めて手がけたトヨタ車の輸出先は中米のドミニカであった。当時、中南米にはホンダの二輪車を輸出していたが、同国でトヨタ自動車販売と旧代理店の間で問題が発生していたため、当社が肩代わりをすることとし、1963(昭和38)年5月、新しい代理店に対してD/A決済(手形引受時書類渡し)での船積みを開始した。同国では外貨不足により輸入が制限されていたが、取扱台数は徐々に増加していった。ドミニカを足がかりに近隣諸国にも輸出を開始し、エクアドルやトリニダード・トバゴ、オランダ領キュラソー島、ガイアナ、スリナムへも輸出を行った。なかでもエクアドルは地域別に複数代理店制を採用し、1964年の70台から、65年の262台、67年の944台とシェア1位のフォードに次ぐ実績を上げた。エクアドル、キト駐在員事務所入居ビル4アジアへのトヨタ車輸出フィリピンでは自動車販売実績のなかった繊維商を代理店として育成し、トヨタ車の販売を開始したほか、香港、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア、ベトナム、カンボジアで代理店を開設し、トヨタ車の拡販に当たった。5アフリカへのトヨタ車輸出1964(昭和39)年、トヨタ車はアフリカへの初上陸を果たした。当時の東アフリカはプジョーやフォルクスワーゲンが市場を押さえており、日本車はホンダの二輪車が知られる程度であった。ケニア、タンザニア、ウガンダで紡織機械の輸出業務に従事していた当社の社員がトヨタ車の販売代理店づくりを進め、ケニアでガソリンスタンドを経営していた実業家とパートナーを組んでナイロビに出店し、クラウン12台を販売した。タンザニアでは主産品であるサイザル麻の輸入を条件にトラックの輸出にも成功し、その後、エチオピアやスーダン、アンゴラにも輸出した。トヨタツウショウマレーシア社1960年代のケニアでのトヨタティアラ(コロナ)沿革編67