ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

設立70周年を祝してトヨタ自動車株式会社名誉会長豊田章一郎豊田通商株式会社が社業隆盛の内に設立70周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。歴代経営幹部の方々、並びに従業員の皆さまのこれまでの並々ならぬご尽力に改めて敬意を表する次第でございます。貴社は1948(昭和23)年に日新通商株式会社として設立されました。その前身である、トヨタ金融株式会社は自動車の割賦販売を手掛けるために1936年に設立され、その後、1942年に豐田産業株式会社と改称され、トヨタ系の持株会社として機能されましたが、戦後、集中排除法により、解散命令を受けました。社長の豊田利三郎さんや副社長の岡本藤次郎さんのGHQに対して発揮された卓越した交渉力とご尽力で、商事部門が分離独立し、トヨタグループの商社機能を担い、新たなスタートを切ったわけでございます。戦後の産業経済の混乱期の中では、様々な困難に直面されましたが、貴社は、取扱品目の拡大や国内外の営業、情報拠点の充実強化を精力的に進められ、トヨタグループの総合商社としての基盤を確固たるものにされました。とりわけ自動車事業では、私どもと一体となり、輸出や現地生産支援、さらに販売・サービス網の拡充などの面では、現地目線、現地貢献の視点に立ち、汗を惜しまず取り組んで頂きました。私どもの今日のグローバルな成長発展は貴社のご尽力なしにはあり得なかったわけであり、改めて感謝申し上げます。21世紀に入り、加商、トーメンとの合併をはじめ、将来のアフリカ地域の発展をにらみ仏商社・CFAOへの資本参加による協業など一層の業容の拡大をはかられるとともに、自動車関連事業を基軸に、ライフ&コミュニティー事業、リソース&環境事業も世界中で展開され着実な前進をはかっておられ、頼もしく思っている次第でございます。ご承知のように、これまでの車社会からモビリティー社会に向けて、今、私ども自動車産業は、100年に一度の大変革期とも言われております。私どもはこうした危機意識に立って、将来のモビリティー社会は我々の手で創っていく気概と情熱を持って、大胆な発想と行動で新たな課題に挑戦していくことが求められております。設立70周年を迎えられた豊田通商の皆さまには、先人の方々のこれまでのご苦労に思いを致しつつ、私どもとの固い絆のもとに、新しいモビリティー社会と豊かな社会の実現に向けて私どもと一体となって挑戦していただきたいと思います。2019年2月4