ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

も安全や環境に関する改善に終わりはない、継続していくしかないのです」(金属本部)。トヨタ環境プロジェクトの推進役として北京での実績を得て、金属本部は大連でもプロジェクトに乗り出している。2017(平成29)年10月、大連の現地企スクラップ・ブロック業に資本参加して自動車リサイクル事業に着手している。北京では諸事情から自然人を完全に排除することができず、自然人と法人との混在状態を余儀なくされたが、大連では自然人を入れない工場レイアウトにすることに成功した。目指すのは「これがスタンダードだ」と呼べるようなモデル工場である。こうした取り組みはトヨタ自動車も注たせたものになると思います。北京と大連はフルスペックの解体工場ですが、他では、たとえば技術指導だけして認定工場にするとか、あるいは設備だけ貸与するとかいった、進出先の状況や要望に合わせたものにする。拠点の場所や数も含め、法律や業界の状況、市場動向に合わせて推進していくことになると思います」(金属本部)。目するところとなった。同社が2015年10月に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」で掲げられた「TOYOTA Global 100Dismantlers Project」で、海外における第1号の解体モデル工場となったのが北京だった。豊田通商ならではの再生事業とは当社が目指すのは単なる解体事業ではなく自動車の適正処理事業である。利益も追求するが、それよりも社会貢献としての「大フレキシブルな事業展開へこうしてスタートした中国での使用済み自動車の適正処理事業だが、ただ一つ限界があって、エンジンやトランスミッションの再生利用が認められていないことである。法律上の制約からスクラップにするしかないのだ。いずれ中国でもエンジンやトランスミッションの再生が法律で認められる時が来るだろう。それを前提にELVの付加義ある仕事」であるという姿勢を堅持している。この分野はグレーで既得権が幅を利かせる世界だが、「安全とコンプライアンス」の追求こそ当社の使命であるとの信念に基づく適正処理業を進めていく。自動車生産やディーラーによる新車販売という動脈に加え、適正処理やリサイクルといった静脈にも関わることでトヨタグループの環境プロジェクトの推進役という役割の一端を担いつつ、「豊田通商ならではの使用済み自動車のリサイクル事業」を目指す。価値を高める取り組みを進めている。中国の他エリアへの展開はどうか。「その時の状況に合わせ、フレキシブル性を持テーマ編195