ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

豊田スチールセンターによる鋼材加工事業豊田通商における鋼材加工事業が本格化したのは1960年代以降である。トヨタ自動車工業は「ジャスト・イン・タイム」方式による自動車生産を確立するのに伴い、鋼材などの調達にも合理化、生産の平準化などを必要としていた。当社ではそれに応えていくには一カ所集中型の大規模なスチールセンターの建設が必要との判断を下し、当時の資本金である20億円をはるかに上回る42億円を投じることとした。こ母材コイルうして誕生したのが、鋼材加工事業を通してトヨタ自動車およびトヨタグループ各社を支援することを目的としたグループ会社の豊田スチールセンターであった。1968(昭和43)年3月のことである。出資者には当社のほかトヨタ自動車工業、豊田自動織機、愛知製鋼、豊田工機、トヨタ車体、アイシン精機、日本電装、トヨタ自動車販売といったトヨタグループ各社が名を連ね、当社グループの鋼材加工事業に対する期待の大きさをうかがわせた。名古屋港南部臨海工業地帯に8万3,400m2の敷地を確保し、直ちに工場および倉庫、埠頭の建設を開始した。1969年1月には第一期工事として鋼板加工工場と埠頭を完成させ、営業を開始した。加工工場はわが国でも最大級(1万8,000m2)の規模を持ち、フル稼働で月間に2万3,700トンの冷間圧延コイルを加工処理する能力を有していた。埠頭も3,000トン級の鉄鋼専用船が2隻接岸できる規模を備えた。その後も施設の拡充を進め、1969年9月に鋼板倉庫、1970年12月には条鋼倉庫を完成させた。加工事業の海外展開1980年代からは豊田スチールセンターを通じて海外への技術指導を開始した。また海外展開として、1983(昭和58)年5月には当社と三菱商事との合弁によってPTスチールセンター・インドネシア(SCI)を設立した。1990年代以降も1993(平成5)年に同じく当社と三菱商事との合弁によりSIAM HI-TECH STEEL CENTER CO., LTD.(STC)を設立した。1995年には中国天津に天津豊田鋼材加工を設立した。さらにトヨタ自動車が北米での戦略を本格化させるのに伴い、1988年には豊田通商アメリカ-ジョージタウンサービスセンター(TAI-GSC)を建設し、倉庫事業を開始した。こうした支援はトヨタ自動車が海外での現地生産を本格化していくのに伴って増加していった。2000年代に入ると豊田スチールセンターを中心に従来の基幹事業、すなわち埠頭、保管、加工、運輸に加えて業容の拡大を図った。物流システムのコンテナ・バンニング・テクノロジー(CVT)や、板厚・材質の異テーマ編185