ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第6節アフリカ地域での動き1アフリカ本部の発足当社のアフリカでの事業展開は、1960年代に自動車輸出販売を中心に市場開拓が進められてきた。その後、2000(平成12)年の南アフリカ共和国での現地法人豊田通商アフリカ(TTAF)社の設立、2001年の英国Lonrho社からの東南部アフリカのトヨタ自動車代理店5社買収、2012年の仏CFAO社の買収など、事業拡大を続けてきた結果、2017年4月、当社初となる地域を軸とした営業本部「アフリカ本部」が発足した。「With Africa, For Africa」の理念を掲げ、アフリカ本部は、CFAO社を事業主体として、自動車、ヘルスケア、消費財、テクノ・エネルギー事業の4分野で、長期的経営視点によるアフリカ全域での事業創出を進めている。2ケニアでの事業展開ケニア最大の地熱発電所の受注2011(平成23)年11月、東芝および韓国現代エンジニアリングと共同で、オルカリア地熱発電所建設プロジェクトを受注した。同地熱発電所の総発電量はアフリカ地域で最大となる28万kWに達し、ケニア国内の総発電量の20%に相当する大プロジェクトであった。当社のアフリカ地域における非自動車分野への事業展開への大きな弾みともなった。2015年2月にオルカリア地熱発電所は完工し、開所式にはケニアのケニヤッタ大統領をお招きした。ケニアにおけるインフラ事業の拡大2013(平成25)年12月、三井造船(現三井E&Sグループ)と共にケニア港湾局から東アフリカ最大の貿易港であるモンバサの港湾開発事業において、港湾クレーン6基の供給・据え付けを受注した。当社にとって初の東アフリカにおける港湾案件で、2015年12月に完工した。日本政府がアフリカ開発会議(TICAD)において支援表明した質の高いインフラ整備の一つでもあり、国際協力機構(JICA)を通じて供与される円借款にて資金を賄った。肥料生産・販売の開始2014(平成26)年9月、ケニア政府との肥料の国内生産に関する覚書を締結した後、2015年にToyotaTsusho Fertilizer Africa Ltd.(TTFA)を設立し、2016年8月にケニア西部エルドレッドにおいて同国で初となる本格的な肥料工場を完工させた。ケニアの土地・作物に適した肥料を、地元のモイ大学や肥料国際機関であるIFDCおよびAFAPと連携して開発し、“Baraka Fertilizer”ブランドでの生産・販売を行っている。またJICAと共同で水稲向け肥料や、小麦・水稲用にブレンドした配合肥料の開発・製造・販売を行っている。この取り組みは同国Mwea灌漑地区を中心に農業生産性向上に寄与している。モンバサ港湾クレーンTICAD VIでのケニヤッタ大統領と加留部社長172