ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

Gas E&P Trefoil Pty Ltd(TTGEPT)を通じ、タスマニア沖ガス精製・生産・販売プロジェクト(BassGasProject)権益の一部およびBassGas Projectに隣接するガス探鉱・開発鉱区の権益の一部をAWE Limitedから取得し、豪州国内へのガス供給とともに将来的なガスや原油の開発を視野に入れた。合わせて英国BG Group plcの100%子会社であるWalloonsCoal Seam Gas Company Pty Ltd.とBG Groupが豪州で進めるQueensland Curtis LNGプロジェクトに対し、LNG原料ガスとなる炭層メタンガス(CBM)を20年以上にわたって供給するCBM長期販売契約を締結した。穀物インフラの拡充2012(平成24)年4月、豪州の穀物集荷・輸出事業会社であるペンタグ・ニデラ社(PentAGNIDERA Pty Ltd.)に10%の出資を行い、豪州での集荷・物流・輸出事業への本格参入を果たした。従来、同国を穀物調達の重要国として位置づけ、ペンタグ・ニデラ社が本拠地を置く東豪州の農家とは長年の取引実績があったが、出資により穀物トレーディングに加え、ペンタグ・ニデラ社を通じた豪州国内での穀物プール運営の強化も可能となり、穀物集荷能力が大幅に向上することが期待された。しかし、日本の政府入札制度の自由化が進まないなどにより販売が伸ばせなかったことから、最終的には撤退の判断を下すこととなった。第4節欧州地域での動き1堅実な欧州事業北米の1,200兆円を超え、1,300兆円に達する世界最大の経済圏となった欧州で、当社は、1従来取引・自動車で培ったビジネスモデルの域内を含む他市場への横展開、2欧州内企業との連携によるトルコへの進出を重点課題として取引を拡大した。1987(昭和62)年にToyoda Europe S.A.より改称しToyota Tsusho Europe S.A.となった現地法人が多面的に事業を展開した結果、英国、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、トルコ、ロシアで金属、機械、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、化学品、食料、繊維などの事業を進めた。1990年代までは日本製品の輸入販売や、欧州製品の日本向け輸出が主体だったが、2000年代以降、“Tobe the No.1 GLOBAL VALUE INTEGRATOR”をスローガンとして、欧州での自動車生産に対する鋼鈑加工、アルミ溶湯、自動車部品組付け、物流事業など付加価値の高い事業体への転換を進め、業容の拡大を図った。2010年代、金融危機やイギリスのEU離脱問題、テロの多発といった問題はあるものの、経済的には堅調な動きを見せており、当社も自動車を中心に着実に事業を進めた。2主要国での事業展開英国ではロンドンを中心に11店舗のトヨタ・レクサスディーラーを展開したほか、2003(平成15)年6月、グロースター市に本社を構える当社100%出資のトヨタフォークリフト販売店Toyota TsushoMaterial Handling U.K. Ltd.(TTMHUK)がバーミンガムに出店するなどサービス体制の強化を図った。一方、Toyota Tsusho U.K. Ltd.は2007年4月、ダービー市郊外に新しいサービスセンターを開設し、付加価値の高いサービスの提供を開始した。北欧では国産メーカーのないフィンランドでトヨタディーラー網を展開し、トヨタ車の拡販を図った。自動車分野以外への事業拡大の一つとしては、2011(平成23)年5月、欧州に拠点を持つナッツ・ドライフルーツ類の大手専門商社であるヴォイスヴェール社(Voicevale Limited)の発行済み株式を取得し、20%の資本参加を行った。166