ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

しておく必要があると考えられた。これは日本政府の意向とも一致していた。また、アフリカ地域を視野に入れた場合、地政学的にも重要性が高いと判断され、2008年以降、積極的な事業展開が図られるようになった。Toyota Tsusho India Pvt. Ltd.(TTIPL)を中心にテクノパーク事業に加え、TRY1に向けた自動車以外の事業である病院経営をはじめとしてレアアース事業などで積極的な投資を続けた結果、同国における出資対象は40社近くに及んだ。テクノパーク事業の拡大1998(平成10)年にインド・バンガロールでテクノパーク事業を開始し、日本企業の同国進出を支援してきたが、2008年にトヨタ自動車が第2工場を建設するのに合わせ、隣接する約22万m2の土地を取得して第2期のテクノパーク事業を開始し、2010年からブランキング事業や物流倉庫、グリーンメタルズ事業などを通じた操業支援を行った。ここにはアイシンをはじめとするトヨタグループ各社の誘致を図った。こうした経験から蓄積したノウハウを生かし、2012年にはヤマハおよびヤマハTier1向けにチェンナイ近郊で給食サービス、送迎サービス、経理サービスなどを提供するTT Techno ParkManagement Service India Pvt. Ltd.を設立し、2014年より操業を開始した。さらに2015年2月にはインド西部・グジャラート州において経済産業省と日本貿易振興機構(JETRO)が同州政府と共同で企業誘致を進めたマンダル日本企業専用工業団地への進出を決定した。同団地内において約20万m2の工業用地を確保し、2016年10月よりスズキをはじめとする日本企業向けにプラグ&プレイ型貸工場の運営やブランキング事業、グリーンメタルズ事業、物流事業のほか、総務・経理などのアドミニストレーション、給食提供や通勤バスの運行といったインフラサービスの提供を開始した。その一環として地元の人材育成を目的とした日印両政府との官民連携による日本式ものづくり学校(JIM:Japan-India Institute for Manufacturing)もスタートした。2017年12月、テクノパーク運営会社TechnoTrends AutoPark Pvt. Ltd.は国際協力銀行(JBIC)から出資を受けた。病院経営事業に進出人口の急増とともに医療サービスの不足が深刻化しているインドで、豊田通商インディアと当社の新規事業開発部、生活産業本部は医療分野の事業化を模索していた。トヨタグループとモビリティ分野で協業しているキルロスカグループと当社の企画に、日本国内で病院やクリニックと提携し高品質な医療サービスを提供しているセコムグループが参画し、2012(平成24)年6月に3社合同出資による合弁会社を設立した。政府の許認可、土地買収、医師の確保はキルロスカ、病院経営のノウハウ提供はセコムグループ、事業の効率化と業務改善は当社というモデル構築によりバンガロールのSakra World Hospitalで病院経営を開始した。これは日本企業として初の取り組みであり、2014年6月には日本の国際協力銀行(JBIC)の出資を受け、現在は、当社とセコムTechnoTrends AutoPark(グジャラート)インドサクラ病院164