ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第3節豪亜地域での動き1タイでの事業展開成長する東南アジア経済1998(平成10)年のアジア通貨危機を脱した東南アジアはその後、急速に立ち直り、各国とも高い経済成長を遂げ、トヨタ自動車やトヨタグループ、その他の日系企業は域内での生産・販売活動を拡大していった。タイでは2011年に発生した大洪水の影響を受けたが、ほぼ一貫して経済成長という基調は変わらなかった。2013年から2014年にかけ、一時的な停滞はあったが、2017年には回復傾向が鮮明となった。2015年11月にはASEAN首脳会議で決定されたASEAN経済共同体(AEC:ASEAN EconomicCommunity)が発足した。ASEAN加盟10カ国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス)を一つの経済圏として域内の関税の撤廃、モノ・人・サービスを自由化させようというもので、これは東南アジアでの事業機会が増えることを意味した。この動きを受け、当社は多角的な事業を進め、タイでの事業リスクの低減を目指す「タイプラスワン」の動きに対応した取り組みを強化した。日本の政府開発援助によるインフラ整備にも積極的に関わることとした。IMVプロジェクトを支援トヨタ自動車が進めた世界戦略車のIMVプロジェクトに対し、当社はさまざまな支援を行った。現地法人スタッフを中心に日本を介さない海外間のグローバルVtoVの展開を通じ、効率的な部品流通システムを構築し、迅速な立ち上げを支援した。IMVでは生産拠点が11カ国に及んだが、当社ではIMVチームを結成し、各国を巡りながら、トヨタ自動車の品質管理や物流改善の指導を受け、部品の物流・供給の仕組みを構築していった。2002(平成14)年11月にはIMVプロジェクトの後方支援の一環としてTT Techno Park Co., Ltd.を設立し、海外進出の経験のない中小部品メーカーのタイ進出を支援した。誘致先はタイの首都バンコクから南東へ120km離れたタイでも最大規模と言われる工業団地イースタンシーボード、「モノづくり以外のすべてをサポートする」をコンセプトに多彩なサービスを提供した。2004年4月、IMVプロジェクト向けタイヤ組付け会社としてTT Assembly(Thailand)Co., Ltd.を設立した。2009年4月にはTT Assembly East Co., Ltd.を設立し、当社にとって初となるマツダとフォード向けのタイヤ組付け事業を開始した。2005年12月には当社21%出資によるThai AutoConversion Co., Ltd.が設立され、タイで多様化するニーズに対し、短工期で高品質な架装・特装を開始するとともに、タイから世界各地へ輸出されるIMVの架装・特装も請け負った。タイでのタイヤ組付け事業沿革編157