ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第2節東アジア地域での動き1中国での事業展開3現地法人体制から豊田通商(中国)有限公司へ1990年代以降、大きな経済発展を遂げた中国では、1995(平成7)年に豊田通商(上海)有限公司、1997年に豊田通商(天津)、豊田通商(広州)を設立し、本格的なモータリゼーションの勃興に備えた。2000年代の事業拡大に伴い、2005年には豊田通商(中国)商貿有限公司を設立し、2010年には投資会社の豊田通商(中国)有限公司(TT CHINA)を設立し、既存の3現地法人からの現物出資を含めて、TTCHINAが中心となって一体経営を進めていく運営体制を構築した。経済成長の続く中国ではこの体制の下、自動車分野事業のさらなる拡充と自動車以外の分野の拡大を図っていくこととなった。中国政府の「自動車工業産業政策」1994(平成6)年に中国政府は「自動車工業産業政策」を発表し、部品産業を含む基幹産業として自動車産業の育成を目指す姿勢を明らかにした。完成車メーカーが進出する前に部品メーカーの進出を強く促したこの政策により、トヨタグループの部品メーカーが次々と中国に進出するのに合わせ、当社も合弁会社設立交渉などの支援を行った。そうした部品産業の環境整備を受け、トヨタ自動車は、天津一汽とのエンジン合弁に続き、当社も5%を出資(のちに売却)した四川一汽豊田汽車有限公司を設立し、2004年には広汽豊田汽車有限公司を設立、現地生産を本格化させていった。特に広汽豊田汽車はグリーンフィールドでの工場立ち上げとなり、当社は部品メーカー進出の取りまとめなど全面的な支援を行った。2010年代は尖閣諸島問題に代表される政治問題の影響を受けたが、当社は部品メーカーの現地生産を通し、トヨタ自動車の中国戦略を支援していった。中国においては一貫して自動車が事業の中心であったが、TRY1を受け、吸湿性樹脂などの衛生材料分野事業や食料・生活事業をはじめとする自動車分野以外の産業育成にも努めた。材料供給から完成車輸送までの多様な支援トヨタ自動車およびトヨタグループ各社がトヨタ生産方式(TPS)に基づくジャスト・イン・タイムによる生産を可能にするためさまざまな支援を行った。鋼材の調達から鋼材加工センターによる加工・物流、特殊鋼の調達・二次加工・検査、アルミ溶湯、タイヤ組付け事業に代表されるパーツアッセンブリー事業、部品の最適一貫物流のためのミルクラン、そして完成車の輸送まで中国だけでなく国際的なサプライチェーンマネジメント(SCM)システムを構築してトータルにサポートした。ことに完成車の輸送は当社にとって初の試みであった。中国内外のサプライヤーを巻き込んだ中国の自動車部品事業のバリューチェーンを通し、トヨタ自動車の中国戦略の一翼を担ってきたのが2010年代以降の当社の中四川一汽豊田汽車有限公司、CKDラインオフ式典四川一汽豊田汽車有限公司定礎式152