ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

事業参画をするため、2012(平成24)年8月、アフリカで160年の歴史を持つフランス最大の商社CFAO社を傘下に収めるべくTOBを実施した。同社は北西アフリカを中心に33カ国で展開している自動車販売をはじめに医薬品卸事業や清涼飲料やビールの生産販売など多彩な事業を展開していた。さらに北西アフリカ全域にわたってネットワークを保有しており、東南部に強い事業基盤を持つ当社にとって理想的な地域補完関係が期待できた。自動車分野以外の事業にも注力し、拡大を図るという当社TRY1戦略と事業ポートフォリオ・事業戦略が合致していたこと、多くのアフリカプロ人材を保有していたことも買収の大きな理由となった。2,345億円という金額は当社にとって最大の投資案件となったが、中間層人口の急増、資源分野だけでなく内需拡大を期待した外国投資の増大という大きな成長の可能性を秘めた最後のフロンティアといわれるアフリカでプレゼンスNo.1企業に向けた挑戦が始まった。4 TICADⅤへの参画CFAO社との資本提携によりアフリカでのビジネス展開を加速した当社は2013(平成25)年6月、横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICADⅤ)においてアフリカ諸国との関係において日本を代表する企業の一社に選ばれ、多くの場面でパネリストとして参加した。シンポジウムでは当社がアフリカを最重点取り組み地域の一つと位置づけていることを表明し、多様な分野で積極的に事業投資を進め、「慈善型の援助ではなく、事業を通じてアフリカの経済発展、人々の生活レベルの向上、将来を担う人材の育成に貢献することが当社の使命」と当社の基本的な理念も説明した。さまざまな成果を生み出した。それを受け、2015(平成27)年に当社グループのアフリカでの持続的成長のため、第5の極としてアフリカ極を立ち上げ、アフリカ現地法人、CFAO社、各商品本部のアフリカ事業を「ONE AFRICA」として一つの長期方針のもと戦略的に推進することとした。2016年12月には当社の戦略的重点地域となったアフリカでの活動をより一体化し、スピード感を持って推進するため、CFAO社を完全子会社とした。さらに2017年4月、当社初の地域を軸とした営業本部「アフリカ本部」を立ち上げ、理念として「WithAfrica, For Africa」を掲げた。重点事業領域として自動車、ヘルスケア・化学品、食品・生活産業、機械・テクノロジー・新規事業の四つを定め、シナジーの最大化を追求しながら長期的視点で新たな事業を創出し、現地社会の発展に貢献していくとの姿勢を鮮明にした。その後、2017年4月には、ハイネケン社と2カ国目となるビール製造合弁会社をコートジボワールに設立、2018年にはサノフィ社とモロッコで医薬品の製造販売を開始するなど、CFAO社を通じて急速に事業を拡大している。5地域を軸とした営業本部CFAO社との協業はモビリティ事業のみならず、カルフール社との連携やヤマハ発動機との合弁による二輪車の製造販売、ロレアル商品の製造卸売などリテールや消費財事業、医薬品卸事業にも広がり、ケニア2030年VISION覚書締結150