ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

らに緊密にし、当社の持つグローバルな原材料の調達力や情報網と同社の開発力と製造・販売チャネルとのシナジーを発揮することで穀物バリューチェーンの一層の強化を図る狙いであった。2013年11月には食品流通の国内最大手である国分グループ本社との業務提携を行った。併せて中部食糧の株式を国分に譲渡し、同社の子会社にすることで、中部食糧の業務用食材の販売に関するノウハウと国分グループが有する販売・調達ネットワーク、物流、システムインフラ機能を統合し、中部エリアにおけるサービスレベルのより一層の向上を図った。2014年3月には産業・学校保育・病院福祉の各分野における給食事業で実績のあるフジ産業の株式を取得(当社持分比率88.49%)し、フードサービス業界に進出した。5アジアでの食品事業展開2011(平成23)年10月、マレーシアの大手食品グループであるマライアンフラワーミルズ社(MFM社)と協力し、インドネシアの大手食品グループであるFKSキャピタル(FKS)系の製粉会社に出資を決定した。経済成長や人口増加に伴う消費拡大とともに中間層の拡大と都市化の進展により消費者ニーズが多様化しているインドネシアでも小麦粉の消費は着実に増加しており、将来的には、アジア最大の小麦輸入国となることが確実視されている中、当社はインドネシアの製粉市場に参入することとした。6近畿大学との提携による完全養殖クロマグロ育成事業2010(平成22)年、世界で初めてクロマグロの完全養殖を実現した近畿大学と業務提携を行い、完全養殖クロマグロの中間育成事業を開始した。長崎県五島列島に当社100%出資のツナドリーム五島種苗センターを設立し、稚魚を幼魚(ヨコワ)に育てる「中間育成」に取り組んだ。2014年7月には同大学と共同で「水産養殖事業の推進に関する覚書」を締結し、クロマグロの人工種苗の生産事業に乗り出した。2014年12月から「近大マグロ」の認定を受けて成魚の販売を開始した。さらに2015年9月にはツナドリーム沖縄を設立し、沖縄でのクロマグロ中間育成事業を開始した。クロマグロの資源が減少しつつある中、養殖魚から採卵し完全養殖のサイクルを確立することで、ヨコワを安定的に供給し、日本のマグロ文化を次世代に伝えていくことを目指している。7国内鶏卵最大手企業との提携2013(平成25)年8月、国内鶏卵最大手であるイセ食品と業務提携し、同年10月に茨城県結城郡八千代町に合弁企業のエッグドリーム八千代を設立した。120万羽規模の養鶏場とパッキング工場を建設し、鶏卵生産事業に進出した。国内の鶏卵業界は少子高齢化の影響で農家の後継者が減少する一方、大手小売業の求める品質を満たクロマグロ完全養殖生簀沿革編145