ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第6節食料・生活産業本部1多様化する食料・生活産業本部2000年代、日本国内では人口減少により市場が縮小傾向にあるものの、海外では新興国を中心とした人口増、経済成長により事業機会は拡大していった。食糧資源の確保や安定供給のニーズは高まるばかりであり、新興国での人々の豊かなライフスタイルへの変化に伴い、市場は一貫して拡大基調であった。それに対応するため当社は穀物、食品、保険、ライフスタイルの4分野で多様な事業を展開し、グローバルなバリューチェーン構築により、国内および海外において安全で快適なモノ・サービスの提供に努めた。2002(平成14)年8月には生活関連部門の事業ポートフォリオ再構築プロジェクトをスタートさせ、事業環境が大きく流動する中、事業の選択と集中に向けた議論を重ねた。2ブラジルでの穀物事業の拡大2015(平成27)年5月、ブラジル中・北東部で穀物倉庫や鉄道積み替え施設、輸出ターミナル運営などを展開するノバアグリ社(NovaAgri Infra-Estrutura de Armazenagem e Escoamento Agricola S.A.)を子会社化し、ブラジルでの穀物インフラ事業、穀物集荷・輸出事業に参入した。ノバアグリは穀物生産が盛んなマトグロッソ州を含むブラジルの中・北東部を中心に自社倉庫を持ち、鉄道積み替え、輸出施設の運用事業、サンルイスにあるイタキ港でのターミナル事業を行っている。当社はノバアグリ買収により穀物生産の拡大が見込まれるブラジル中・北東部で自社倉庫を起点とした集荷事業を開始し、主要穀物の安定供給体制の確立・強化を図った。3農業生産法人設立によるパプリカ栽培1990年代から生鮮野菜事業を推進してきた豊通食料は2008(平成20)年7月、宮城県栗原市に農業生産法人ベジ・ドリーム栗原を設立し、パプリカの生産・販売に乗り出した。パプリカの場合、需要の90%以上を輸入に頼っており、安全・安心な国産野菜の提供に貢献したいとの思いから農業生産法人の設立となった。「新鮮・おいしい」「安心・安全」「地域社会振興・地域社会貢献」を目的に地域社会や自治体との連携の下、トヨタグループのモノづくりの知見を農業に生かす試みにも挑戦し、2009年6月にパプリカの初出荷にこぎ着けた。トーメン時代からの合弁会社である北海道網走市のクレードル食品では2009年5月からトヨタ生産方式の導入を進めた。環境・生産改善部の指導の下、生産効率の向上を目指すもので、地域の農業団体との連携を深めながら農業に関わるビジネスモデルの構築を進め、各種冷凍食品のOEM供給を行った。4国内企業との提携強化2009(平成21)年、原材料の売買などで取引のあった第一屋製パンと資本業務提携した。取引関係をさノバアグリグレーンエレベーターパプリカ144