ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

によりこれまで以上に顧客に対して幅広い商材を組み合わせた提案が可能となり、専門性と機能のさらなる強化を推し進めた。生産体制を実現し、世界的に需要が拡大しているヨードにおいて、原料の供給から川下の製品分野までを貫くバリューチェーンを構築した。4無機化学品の輸入販売および医薬分野の事業開拓2002(平成14)年12月、豪州の珪砂採掘・精製会社であるAustsand Mining Pty Ltdに出資し、2008(平成20)年9月には、同国のKemerton Silica Sand PtyLtdに出資した。さらに、2013年3月には、マレーシアの珪砂採掘・精製会社であるTerengganu SilicaConsortium Sdn. Bhd.に出資した。当社は、珪砂に加え、ヨード、黄リンの3製品軸とした無機化学品の輸出入・販売を行い、取扱量は商社でナンバーワンを誇る。また、医薬分野では糖尿病の予備軍となる食後高血糖の判定に使われる診断薬の米国での商権を獲得し、豊田通商アメリカ(TTAI)が販売を開始したほか、2008年に日本化薬、TTAI、当社が合弁でGlycoMark Inc.を設立し、米国以外に欧州や東南アジア、南米、中東での拡販を進めた。5チリのヨード開発・生産会社への出資2010(平成22)年にチリのヨードメーカーであるACF Minera S.Aと共同でヨード開発・生産会社Argorta Norte S.A.に出資し、2011年からチリ・アントファガス州に建設した工場でヨード生産を開始した。2012年3月の初出荷以来、中国やインド、欧州、北米への輸出を拡大し、順調に売り上げを伸ばした。同社への出資により、日本・北米・チリの3極での6衛生材料事業の拡大2010年代、紙おむつや生理用品に使われる高吸水性樹脂SAP(Super Absorbent Polymer)事業を拡大した。SAPの商業生産に世界で初めて成功した三洋化成工業と2013(平成25)年9月合弁契約を結び、SAP生産を行うSDPグローバルを設立し、日本(名古屋工場、大垣工場)および中国(三大雅精細化学品(南通)有限公司)での生産を開始した。人口増が続く中国や東南アジアで紙おむつの需要は拡大しており、日本と中国に加え、マレーシアでも新しい生産拠点(SDP Global(Malaysia)Sdn.Bhd.)の建設を決定し、2018年から生産を開始した。中国をはじめとする新興国で紙おむつ向けSAP需要の急速な伸びに応えることでSDPグローバルの世界シェアは約12%を占め、世界第4位となった。7豊通エレクトロニクスの設立2003(平成15)年4月、カーエレクトロニクス分野を強化するため豊通エレクトロニクスが設立された。「カーエレクトロニクスをリードするハイブリッドカンパニー」をビジョンとして半導体、開発ツール、ソフトウェア、テレマティックスという四つの分野での事業拡大を図った。2004年9月には車載電子制御システムのソフトウェアやネットワークの共同開発、標準化および共通利用を目的とした有限豪州珪砂チリのヨード開発・生産会社への出資142