ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

3鋼板加工事業の展開金属本部では関係会社の豊田スチールセンターを主たる事業主体として1960年代から鋼板加工事業を進めてきた。自動車産業のバリューチェーンの中で、原材料供給という重要な役割を担うこととなった。国内はもちろん海外でもコイルセンターの建設や現地での技術指導を通じてトヨタ自動車の現地生産を支援してきた。1988(昭和63)年に豊田通商アメリカがケンタッキー州のジョージタウンにサービスセンター(TAIGeorgetown Steel Center)を開設し、トヨタ自動車のケンタッキー工場向けに鋼材供給を開始した。さらに2000年代以降は鋼板加工事業の実績とノウハウを生かし、海外でブランキング事業を推進していった。米国で構築され、トヨタ自動車をはじめとする納入先から高い評価を獲得したブランキング事業はその後、中国天津、チェコ、トルコ、豪州(のちに閉鎖)、中国広州、米国テキサス、タイ、南アフリカ、インド、ブラジル、インドネシア、米国ミシシッピ、マレーシア、メキシコといった欧州やアジアなどにも順次横展開され、金属本部における重要な収益事業となった。4アルミ溶湯事業の開始1997(平成9)年5月、大紀アルミニウム工業所と合弁でアルミ溶湯・再生塊生産会社のMOST社を設立し、翌年12月から米国での事業を開始した。そのノウハウを生かし、2003年1月にポーランドで当社と大紀アルミニウム工業所、豊田通商ヨーロッパが合弁会社Poland Smelting Technologies Sp.zo.oを設立し、2004年2月より稼働を開始した。2004年7月には中国第一汽車グループとの合弁会社であるアルミ溶湯会社・長春通利アルミ合金科技有限公司(CAST)で工場建設を開始し、合わせて広州汽車グループ、大紀アルミニウム工業所との合弁による広州捷士多アルミ合金有限公司(GAST)を設立し、隣接するトヨタ自動車のエンジン工場にアルミ溶湯の供給を行った。2007年3月には当社が70%を出資した長春通利アルミ合金科技有限公司が一汽トヨタ(長春)エンジン(FTCE)から品質優良賞を受賞し、供給するアルミ溶湯の品質の高さを証明した。国内では2005年3月に福岡県および苅田町と立地協定を結び、当社65%、大紀アルミニウム工業所35%の出資比率の九州スメルティングテクノロジー(Q-ST)を設立した。2006年にT-ST田原工場を完成させ、当社で初めてトヨタ自動車本体へのアルミ溶湯の供給を開始した。その後、北海道スメルティングテクノロジーを設立したが、リーマン・ショックによる販売量の大幅減少などを受け、2011年3月に3社を統合した。その後、この統合会社T-STをマザー工場とし、中国、インド、米国、メキシコに新たな工場を建設し、現在計17拠点を運営している。5グリーンメタルズ事業の展開1993年5月米国にて、生産工場で発生する廃棄物を適正に回収・処理する廃棄物マネジメントを提供Poland Smelting Technologiesグリーンメタルズ事業(フランス)132