ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

第1章加商・トーメンとの合併第1節加商との合併1加商の歴史1923(大正12)年11月、名古屋を本拠として貿易業を営んでいた加藤商会の東京支店長であった石川昇一が、関東大震災で東京支店が焼失したのを機に独立し、東京・日本橋に設立した加藤商業を前身とする。設立の翌年には東南アジアにおける一大商業地区であったシンガポールに拠点を展開し、ゴムビジネスを展開するなど積極的な海外事業に取り組み、1928(昭和3)年には社名を加商に変更した。昭和恐慌や日中戦争、太平洋戦争といった苦難を切り抜けた後、東南アジアに加え、北米の西海岸や中国にも拠点網を拡充し、主に農水産物やゴム類、紅茶や菓子といった食品あるいは化成品などを取り扱った。その間、一貫して企業経営の近代化、合理化に取り組み、1977(昭和52)年には東証一部への上場を果たしたが、その後のバブルの株価狂乱に意図せず翻弄され、1990年代になると厳しい経営環境の中、新たな飛躍に向けた模索がなされていた。2加商との業務提携1999(平成11)年5月、当社は食品、ゴム、化成品、紙パルプなどを中心に取り扱う商社の加商との業務提携を発表した。商品、取引先ともほとんど競合がなく、仕入れや商圏の活用、情報交換を通じ、互いに補完することで一層の事業強化、拡大が図られることを期待しての提携であった。当時の当社は自動車や鉄鋼、機械、非鉄金属などが売上げの80%に達していた反面、食品やゴム、化成品、紙パルプといった生活関連分野が弱いという事業構造上の課題を抱えており、加商との業務提携は多角化、総合化を目指す当社にとって最適な提携相手と判断された。これに伴い、当社は1999年6月加商に取締役と非常勤監査役を派遣し、資本参加(発行済株式総数の18.2%取得)も行った。3加商との合併業務提携を締結した翌年の2000(平成12)年、旧加藤商会ビル(名古屋市中区)写真:読売新聞/アフロ加商と業務提携調印式(1999年)120