ブックタイトル豊田通商70周年史

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概要

豊田通商70周年史

の持株会社としてToyota Tsusho South Pacific Holdings Pty Ltd(TTSPH)と改称してブリスベンに設立した。トヨタ、ヤマハ、日野の販売代理店やレンタカー・ガソリンスタンドなどを多角的に運営し、パプアニューギニアやフィジーを含む南太平洋地域において新車から中古車、レンタカー、アフターサービス、ファイナンスに至るバリューチェーン構築を目指した。4米州での事業展開ミズーリスメルティングテクノロジー米州一体化による事業展開クリントン政権下の1990年代、米国企業が積極的なリストラや技術革新を進めたことで、米国経済は急速に立ち直り、国際競争力も回復してきた。ことにIT分野での競争力の高さは際立ち、雇用の拡大、株価の上昇、個人の消費意欲も高まっていった。トヨタ自動車および関連自動車部品メーカーは積極的に米国や中南米で生産拠点を開設し、それに伴って当社の米州事業も拡大していた。事業領域は鋼板スリッター事業(米国)や部品製造(米国でのホイール、メキシコの本革製ステアリング、ホイール)、常備品供給(米国、ベネズエラ、アルゼンチン、ブラジル)、ミルクラン物流(米国、アルゼンチン、ブラジル)、トヨタ車販売(ブラジル、アルゼンチン、トリニダード・トバゴ)、トヨタフォークリフト販売(メキシコ)と多岐にわたっていた。トヨタ自動車の海外工場への部品納入にも着手した。業容拡大の一環としてカリブ海地域でのトヨタ車販売のため、トヨタ自動車よりマーケティング機能が当社へ移管された。米国、中米、南米、カリブ海という地域を一体化させ、フロリダ州オークランドを拠点として事業を展開したことで、業容の拡大が可能となった。拡大する豊田通商アメリカ1990年代、米国の現地法人豊田通商アメリカ(TTAI)は一貫して業容を拡大していった。新たに8事務所を開設し、スチールセンターや通関業務を含む物流機能を備えたロジスティックセンターを7カ所設置した。また、トヨタ自動車がケンタッキー工場を立ち上げ、新たな自動車関連・環境関連事業を開始した際も、合弁会社への資本参加や子会社の設立を行った。1998(平成10)年7月にマイアミ事務所を拡充したのは、米州地域を一体化しようとする米州自由貿易圏(FTAA)構想を念頭に置いたものであったが、FTAAは一部南米諸国の反対により、交渉は中止となった。1999年1月、TTAIは財務関連を除き、ニューヨークからケンタッキー州フローレンスに拠点を移した。TTAI設立30周年(1990年10月)沿革編111